マルチオミックス解析受託サービス
マルチオミックス解析受託サービス
サービス概要
ひとつのサンプルからRNAとタンパク質を抽出し、トランスクリプトーム解析及びプロテオーム解析を同時に実施します。プロテオーム解析の分析深度が従来よりも圧倒的に高まったことで観測対象となる分子が大幅に増加し、トランスクリプトーム解析データとの遺伝子数の差が小さくなりました。より包括的なデータが得られ、従来の技術では見いだせなかった新しい発見が期待できます。
サンプル(細胞、組織の場合)はフェノールグアニジン系の試薬、もしくはRNA保護試薬に浸した状態で送付するだけで良く、RNA・タンパク質抽出から解析までかずさDNA研究所にて一貫して行います。
参考文献
- Kawashima Y., et al. (2019) Proteogenomic Analyses of Cellular Lysates Using a Phenol-Guanidinium Thiocyanate Reagent. J Proteome Res. 18(1):301-308.
- Yugi, K., et al. (2014) Reconstruction of insulin signal flow from phosphoproteome and metabolome data. Cell Rep. 8(4):1171-83.
- Kanno T., et al. (2021) Acsbg1-dependent mitochondrial fitness is a metabolic checkpoint for tissue Treg cell homeostasis. Cell Rep. 2021 Nov 9;37(6):109921.
- Nihira H., et al. (2021) Detailed analysis of Japanese patients with adenosine deaminase 2 deficiency reveals characteristic elevation of type II interferon signature and STAT1 hyperactivation. J Allergy Clin Immunol. 2021 Aug;148(2):550-562.
- 実験例:
- ・試験化合物の添加の有無による細胞内のトランスクリプトーム・プロテオームへの影響比較
・組織中の正常部位と病変部位の比較
- ● 使用機器
- トランスクリプトーム解析:
NextSeq 500[イルミナ社]
プロテオーム解析:
Orbitrap Exploris 480 [Thermo Fisher Scientific社], Q-Exactive HF-X [Thermo Fisher Scientific社] - ● プロテオーム解析はタンパク質配列が解析されている生物種が対象となります。
RNA-Seqとプロテオーム解析で観測されたmRNAとタンパク質をコードする遺伝子の重複
RNA-SeqとOrbitrap Exploris 480導入以前のデータ依存型分析法(DDA)によるプロテオーム解析(左図)とRNA-Seqと本受託サービスのOrbitrap Exploris 480を用いた高深度DIAプロテオーム解析(右図)との比較を示す。サンプルはHEK293 細胞を用い、RNA-Seqとプロテオーム解析のそれぞれの解析で用いたデータベースに共通して存在した遺伝子のみを対象とした。以前のプロテオーム解析ではRNA-Seqで観測できる遺伝子数との差が大きかったが、本受託サービスの高深度DIAプロテオーム解析ではその点が大きく改善され、マルチオミクス解析を行う上で対象となる分子が大幅に増加した。
解析メニュー
トランスクリプトーム解析、プロテオーム解析、メタボローム解析メニューからご希望の項目を選択し、
組み合わせることができます。ゲノム解析をご希望の場合はお問合せください。
*取得データ量は目安の数値であり、それらのデータ量を保証するものではありません。
【納品物】
作業報告書、fastqファイル、MSデータ、MS解析データ、最終的な解析結果* を記載したファイルの入ったDVD またはUSB メモリスティック
トランスクリプトーム解析
発現解析
3’RNA Seq
取得データ目安 |
---|
100万リード(必要サンプル量 total RNA:2 µg以上(40 ng/µL以上)) |
納期 |
8週間 |
プロテオーム解析
下記から選択できます。
プロテオーム解析
●標準DIAプロテオーム解析によるタンパク質発現・相対定量解析:LC-MS/MS(DIA)
取得データ目安 |
---|
7000〜8500タンパク質 |
納期 |
4週間 |
価格(1サンプルあたり) |
¥ 198,000~ |
高深度DIAプロテオーム解析によるタンパク質発現・相対定量解析:GPF+LC-MS/MS(ライブラリ作製用)LC-MS/MS(DIA)
取得データ目安 |
---|
8500〜1000タンパク質 |
納期 |
4週間 |
価格(1サンプルあたり) |
¥ 294,000~ |
リン酸化プロテオーム解析
DIAリン酸化プロテオーム解析によるタンパク質発現・相対定量解析:LC-MS/MS (DDA, ライブラリ作製用) LC-MS/MS (DIA, 相対定量解析用)
取得データ目安 |
---|
8000〜12000リン酸化ペプチド断片 |
納期 |
4週間 |
価格(1サンプルあたり) |
¥ 291,000~ |
高深度DIAリン酸化プロテオーム解析による比較定量解析:LC-MS/MS(DIA, 相対定量解析用)
取得データ目安 |
---|
12000〜20000リン酸化ペプチド断片 |
納期 |
4週間 |
価格(1サンプルあたり) |
¥ 379,000~ |
メニュー内容については プロテオーム解析のページ をご覧ください。
メタボローム解析
下記から選択できます。
脂溶性代謝物解析
網羅的代謝物の同定・相対定量解析
高深度なノンバイアス(ノンターゲット)スクリーニングによる高網羅的な脂質代謝物の同定・相対定量解析
取得データ目安 |
---|
独自の先端的なin-house同定ソフトウェアや分離分析技術による脂質の網羅的なスクリーニング(500〜1000分子程度を検出想定) 対象: 遊離脂肪酸(中鎖~極長鎖型)、リゾリン脂質類、リン脂質類、スフィンゴイド類(S1Pを含む)、セラミド類、糖セラミド類(ガングリオシドなど)、グリセロ脂質類(中性脂質など)、グリセロ糖脂質類(MGDGなど)、ステロールエステル類(コレステロールエステルなど)、脂肪酸代謝物(アシルカルニチン・CoAなど)、リポアミノ類(アナンダミドなど)等 |
納期 |
4~8週間 |
価格(1サンプルあたり) |
¥ 225,000~ |
標的代謝物の相対定量解析
フォーカシング(ターゲット)解析:遊離脂肪酸の相対定量解析
取得データ目安 |
---|
C2~C24程度の遊離脂肪酸の高分離分析 (20~40分子程度を検出想定)
対象: 飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸 |
納期 |
4~8週間 |
価格(1サンプルあたり) |
¥ 180,000~ |
水溶性代謝物解析
標的代謝物の相対定量解析
●”ワイド”フォーカシング解析:包括的な親水性代謝物の相対定量解析
取得データ目安 |
---|
ω-3とω-6系脂肪酸(C18,20,22)由来の酸化代謝物の一斉分析 (100~200分子程度を検出想定)
対象: リノール酸由来、リノレン酸由来、アラキドン酸由来、EPA由来、DHA由来など |
納期 |
4~8週間 |
価格(1サンプルあたり) |
¥ 225,000~ |
メニュー内容については メタボローム解析のページ をご覧ください。
* サンプルが凍結培養細胞、凍結組織の場合。その他のサンプルはご相談ください。
** ヒト、マウス由来サンプルの場合。
● 目安納期:ご希望の解析メニューのうち最も納期が長いもの+1週間程度
● 必要サンプル量(目安)細胞1×107以上、組織50 mg以上、血清/血漿 1 µL以上、尿200 µL以上
メニュー、サンプル種により必要サンプル量は増減します。お問合せの上ご確認ください。
参考注文例
実験目的 | ヒト培養細胞を化合物で処理した場合の トランスクリプトーム・プロテオームへの影響を検討 |
---|---|
サンプル数 | 2(化合物処理・未処理) |
選択メニュ― | トランスクリプトーム解析:3’RNA-Seq プロテオーム解析:DIAプロテオーム解析 |
作業内容 | RNA・タンパク質抽出、クオリティチェック、 次世代シーケンス(ライブラリ調製+ラン)、 LC-MS/MS(プロテアーゼ処理+質量分析) |
サンプル送付 | PBSで洗浄した細胞にフェノールグアニジン系試薬を加え チューブに入れ、液体窒素で凍結、冷凍便送付 |
参考価格 | ¥ 700,000(2サンプル) |
参考納期 | 9週間 |
納品物
作業報告書、fastqファイル、MSデータ、Scaffold DIA、プロテオームの最終的な解析結果を記載したファイルの入ったDVD またはUSB メモリスティック
ご注文の流れ
4
サンプル送付(印刷した解析依頼書を同梱)
サンプル送付方法
- 必要サンプル量は各メニューの記載をご参照ください。
- 細胞、組織にフェノールグアニジン系の試薬*、もしくはRNA保護試薬**を加えた状態でお送りください。
ホモジナイズは不要です。
細胞、組織以外のサンプルはお問合せください。
*ISOGEN(ニッポンジーン社)、TRIzol(ThermoFisher社)、QIAzol(QIAGEN社)など
**RNAlater(ThermoFisher社)など - サンプル送付前にサンプル情報を記載した解析依頼書(Excelファイル)をメールにてお送りください。
サンプル送付時にはプリントアウトした解析依頼書を同梱してください。
サンプル | 調整方法 | 送付方法 |
---|---|---|
培養細胞 | 培地を除去後、PBSにて2回洗浄し、フェノールグアニジン系などの 試薬を加えチューブに入れて液体窒素で凍結 |
ドライアイスを同梱し冷凍便 |
組織 | 取り出した組織をPBSにて血液を除去し、フェノールグアニジン系などの 試薬が入ったチューブに入れて液体窒素で凍結 |
ドライアイスを同梱し冷凍便 |
解析依頼書送付先: otoiawase@kazusagt.com
サンプル送付先
千葉県木更津市かずさ鎌足2-6-7
株式会社かずさゲノムテクノロジーズ
Tel: 0438-52-2001
*注意:平日に到着するようご指定ください。