Maxwell® RSC Enviro Total Nucleic Acid Kit (カタログ番号 AS1831) 日本語プロトコル

Quick PROTOCOL Revised 2025/1 Maxwell® RSC Enviro Total Nucleic Acid Kit (カタログ番号 AS1831) 日本語プロトコル 技術的なお問合せは: e-mail: prometec.jp@promega.com・Tel: 03-3669-7980 詳細なプロトコルは、英文マニュアルをご覧ください。 キットに含まれる構成品はすべて15~30℃で保管してください。 1. 実験の流れ 以下の2段階の手順で核酸精製を行います。 ① 下水サンプル中の核酸の捕捉および濃縮 ② Maxwellを用いた核酸精製 2. キット以外にご用意いただくもの ・ Maxwell RSC Instrument (Cat# AS4500, AS8500) ・ イソプロパノール ・ 95%エタノール ・ 1.5mlマイクロチューブ ・ 50mlコニカルチューブ ・ 卓上遠心機 (3,000×g 以上) ・ スイングバケットロータ (50mlチューブ対応) ・ ヒートブロックもしくはウォーターバス (いずれも60℃対応) ・ 吸引マニフォールド (例:Vac-Man® Laboratory Vacuum Manifold Cat# A7231) Quick PROTOCOL 技術的なお問合せは: e-mail: prometec.jp@promega.com・Tel: 03-3669-7980 詳細なプロトコルは、英文マニュアルをご覧ください。 Revised 2025/1 ・ Eluator™ Vacuum Elution Device (Cat# A1071) ・ 吸引ポンプ (例:Welch Vacuum Pump Cat# A6724) 補足:A7231、A1071、A6724のセット品(Cat# JKC005)も利用可能です。 3. 下水サンプル中の核酸の捕捉および濃縮 試薬の調製 1. Column Wash 1 (CWE)のボトルにイソプロパノールを57ml加える。 2. Column Wash 2 (RWA)のボトルに95%エタノールを350ml加える。 調製後の試薬は15~30℃で保管可能です。揮発を防ぐため、密栓して保存してください。 核酸の捕捉と濃縮 3. 40mlの下水サンプルを50mlコニカルチューブに分取する。 補足:低温殺菌または未殺菌のどちらの下水サンプルも処理できます。 低温殺菌するには、サンプルを60℃で1時間インキュベートします。 4. 溶出用のNuclease-Free Waterを60℃に加温しておく(1サンプルあたり600μl程度必要)。 5. ステップ3のチューブにProtease Solutionを0.5ml加え、転倒混和し、室温で30分間インキュベートする。 6. 3,000×gで10分間、遠心する。 7.上清を20mlずつ新しい50mlコニカルチューブに移す。 *PureYieldカラムの詰まりを防ぐため、遠心でサンプルに含まれる固形物をしっかり沈殿させ、持ち込まないように除去することが重要。 補足:沈殿物からの核酸精製を行う場合は、5.補足情報2に従って精製を行ってください。 8. 各チューブにBinding Buffer 1 (BBD)を6ml、Binding Buffer 2 (BBE)を0.5ml加え、転倒混和して混合する。 9. 各チューブにイソプロパノールを24ml加え、転倒混和して混合する。 10. Reservoir Extension FunnelをPureYield™ Binding Columnsに取り付け、カラムを吸引マニフォールドに接続する。 11. ステップ9の溶液をPureYield™ Binding Columnsに取り付けたReservoir Extension Funnelに移し、吸引を開始する。 Quick PROTOCOL 技術的なお問合せは: e-mail: prometec.jp@promega.com・Tel: 03-3669-7980 詳細なプロトコルは、英文マニュアルをご覧ください。 Revised 2025/1 12. 5mlのColumn Wash 1を加え、吸引する。 13. 20mlのColumn Wash 2を加え、吸引する。 14. すべて吸引されたら、さらに30秒間、吸引を続ける。 15. 吸引を止め、カラムをマニフォールドから取り外す。 16. Eluator™ Vacuum Elution Deviceに1.5mlマイクロチューブとPureYield™ Binding Columnsセットする(右図)。 17. Eluator™ Vacuum Elution Deviceをマニフォールドに取り付ける。 18. ステップ4で60℃に加温しておいたNuclease-Free Water 250μlをPureYield™ Binding Columnsに加え、吸引する。 19. もう一度Nuclease-Free Water(60℃)を250μl加え、吸引する。全量500μlの溶出液が回収される。 4. Maxwellを用いた核酸精製 1. サンプル数に応じて、ウェル#1(一番大きいウェル)が奥側になるようにカートリッジをデッキトレイに配置する。 2. カートリッジをデッキトレイに押し込み、固定する(向きが正しくないと嵌りません)。その後、カートリッジのシールを丁寧に剝がす。 注意:カートリッジ上部にシールやその接着剤が残らないようにしてください。 剥がす際は左下から右上方向に向けて斜めに剥がすときれいに剥がし易いです。 3. 各カートリッジのウェル#8(一番手前)にプランジャーを挿入する。 4. 各カートリッジにElution Tubeをセットし、80μlのNuclease-Free Waterを加える。 注意:Elution Tubeの蓋は絶対に閉めないでください。 5. セクション3のステップ19の溶出液にBinding Buffer 1を150μl、Binding Buffer 2を50μl加え、全量をウェル#1に移す。 6. [Enviro Total Nucleic Acid] メソッドを選択し、精製を開始する。 注意:精製を開始する前に以下の点をもう一度確認してください。 ・カートリッジが正しくセットされていること。 ・サンプルがウェル#1に添加されていること。 ・Elution TubeにNuclease-Free Water添加されていること。 ・Elution Tubeの蓋が開いていること。 ・ウェル#8にプランジャーがセットされていること。 Quick PROTOCOL 技術的なお問合せは: e-mail: prometec.jp@promega.com・Tel: 03-3669-7980 詳細なプロトコルは、英文マニュアルをご覧ください。 Revised 2025/1 7. 精製が終了したら本体の前扉を開け、Elution Tubeの蓋を閉める。 8. Elution Tubeを取り出し、適切に保管する。 ・–30°C~–10°Cで保管してください。 ・凍結・解凍を繰り返すのは避けてください。 ・精製されたTNAは、直接RT-qPCRに使用可能です。 9. 使用済みのカートリッジとプランジャーを、施設のガイドラインに従って廃棄する。 5. 補足情報 下水サンプル40ml以外のボリュームを用いる場合 下表に従って試薬の量を調製することで実施可能です。 表. サンプル量と試薬量の比率 汚泥や沈殿固形物から精製する場合 1. 2mlまでのサンプルにNuclease-Free Waterを8ml加える。 2. Protease Solutionを200μl加え、よく混合し、室温で30分間インキュベートする。 3. Binding Buffer 1 (BBD)を3ml、Binding Buffer 2 (BBE)を250μl、イソプロパノールを12ml加え、転倒混和して混合する。 4. 3,000×gで10分間、遠心する。 5.上清をPureYield™ Binding Columnsに取り付けたReservoir Extension Funnelに移し、吸引を開始する。 補足:溶液を移す際に、沈殿物を持ち込まないように注意してください。 6. 以降は本プロトコル「セクション3のステップ12」から同様に実施する。