SLAS2019 ポスター情報
プロメガテクノロジー発表ポスター集
SLAS2019_1179-E Intracellular Engagement for Clinically Relevant Inhibitors and PROTACs Across the CDK Family Using NanoBRET™
キナーゼの阻害剤およびPROTACのNanoBRET™ Target Engagementによる評価
キナーゼはこれまで最も有望かつ成功を収めた創薬ターゲットの一つであり、また依然として有望な創薬ターゲットとして日々研究開発が進められている標的分子です。キナーゼ阻害剤の解析はin vitroのbiochemicalな酵素アッセイから生細胞内での結合アッセイに移行しつつあり、このニーズに応えてプロメガはNanoBRET™テクノロジーを用いたTarget Engagement Assayを開発しています。また最近ホットなタンパク質分解誘導キメラ分子(PROTACs)にキナーゼ阻害剤を組み込み、キナーゼPROTACsを開発する動きも進んでいます。
このポスターでは、キナーゼの中でも最近注目されているCDKに着目し、NanoBRET™ TEによる細胞でのCDK阻害剤とPROTACsの解析事例をご紹介します。
- CDK阻害剤の細胞内におけるCDK選択性とサイクリンバイアスの検証が可能です。
- タイプI、タイプII阻害剤を細胞内で解析可能です。
- 発光測定となるためウェル全体の測定が可能
- 細胞内でのキナーゼと化合物の結合親和性および解離速度(Residence Time)を解析可能です
- キナーゼPROTACsとキナーゼ、E3リガーゼとの結合を細胞内で評価可能です。
SLAS2019_1327-C Monitoring Functional Mechanisms of Protein Degradation in Living Cells
生細胞でのタンパク質分解モニタリングアプリケーション
【PROTAC(PROteolysis TArgeting Chimera)】
- 標的タンパク質のリガンドとE3ユビキチンリガーゼ結合ドメインが結合した低分子化合物
- 特異的に標的タンパク質に結合して、ユビキチンプロテアソームを介して分解を行います。
- 合成したPROTACの膜透過性、細胞内での安定性、標的タンパク質への結合、ユビキチン-プロテアソーム複合体の形成、分解のモニタリングなど多岐にわたるプロセスを評価するシステムが必要です(下記図参照)。
候補となるPROTACの迅速なプロファイル解析には、異なった細胞内解析テクノロジーが必要とされます。本ポスターでは、HiBiTとNanoLuc® テクノロジー、NanoBRET™ テクノロジーがツールして利用できることを紹介しています。
HiBiT , NanoLuc® テクノロジーの利用
- ゲノム編集技術でHiBiTタグを利用することで、生細胞におけるタンパク質分解プロファイルをモデリングしたデータや分解パラメーターの定量などが掲載されています。
NanoBRET™ テクノロジーの利用
- ターゲットとの結合、プロテアソーム複合体形成、ユビキチン化などダイナミックなタンパク分解メカニズムを生細胞でモニタリングした例、PROTACの細胞内透過性の評価例が掲載されています。
SLAS2019_1272-C Application of BRET Technology to Quantitatively Determine Kinase Inhibitor Potency in Live Cells – Reaction Biology Corporation
キナーゼ阻害剤のNanoBRET™ Target EngagementとHotSpot™ 法による評価比較
海外CRO、Reaction Biology 社とのコラボレーションポスターです。従来のRIキナーゼ阻害アッセイ(HotSpot™ Kinase assay)とNanoBRET™ TEを比較・評価し、受託可能であることをアピールしています。
NanoBRET™ TE Intracellular Kinase AssayがSelectScienceのReviewers’ Choice Awardを受賞しました!下記にてReviewerのレビューを閲覧できます。
https://www.selectscience.net/products/nanobret–te-intracellular-kinase-assay?prodID=2094492
NanoBRET™ TE Assayは日本ではカルナバイオサイエンス(株)にてお受けしています。詳細は カルナバイオサイエンスにお問合せください。
カルナバイオ受託ページ:https://www.carnabio.com/japanese/product/nanobret-sevices.html
SLAS2019_1343-E A Homogeneous Bioluminescent Immunoassay Approach to Interrogate Cellular Signaling Pathways Activation and Deactivation NanoBiT™ Cell based immunoassays (旧ImmunoBiT)
NanoBiT™ Cell based immunoassaysはNanoBiT™ で標識した2次抗体と2種類の1次抗体を使用し、細胞のリン酸化タンパク質や総タンパク質量を簡便に定量するアッセイです。
このポスターではがんおよび炎症のキーとなるpathwayについてNanoBiT™ Cell based immunoassaysを使用したセルベースでのキナーゼアッセイの実施例をご紹介しております。下記pathwayのキーとなるタンパクについて定量および阻害を見ています。
- NF-kB pathway: IkBalphaとp65のトータルおよびリン酸化のモニタリング
- JAK/STAT pathway: STAT3のトータルおよびリン酸化のモニタリング
- mTOR/PI3K/AKT pathway: AKTトータルおよびリン酸化の検出
結論:NanoBiT™ Cell based immunoassaysのメリットとして以下が挙げられます。
- NanoLuc®の発光を利用:化合物の阻害が少ない
- ホモジニアスアッセイで簡便、また細胞を改変(トランスフェクション等)する必要がない
- WB, ELISA, 蛍光アッセイに比べ少ない手順で検出可能
- HTSに最適
- 抗体を変えてご自身の目的タンパクにも適用可能
各キットはカスタム販売中です。詳細はお問合せください。
SLAS2019_1349-E A Homogeneous Bioluminescence Cell-Specific Cytotoxicity Assay for Surveying Cellular Sub-Populations in Mixed Cultures
細胞改変不要、Non-RIの新規Target Cell Killingアッセイ法
近年、免疫細胞や間葉系細胞などとの共培養系を用いた、細胞間相互作用存在下でのアッセイの重要性が増しています。共培養系はヒトの生体内をよく模倣した優れた評価系です。その一方で、複数の細胞集団を含むため、HTSに最適なホモジニアス系である発光法には、不利な評価系であると考えられてきました。
このデメリットを解消し、共培養アッセイ系でも発光の良さを活かした評価ができるようプロメガでは、膜透過性の細胞内タンパク質Labeling Probeを開発、これを活用した新規Target Cell Killingアッセイ法の構築に成功しました。
Labeling Probeで標識したターゲット細胞が傷害を受けると、培地中にLabeling Probe標識タンパクが放出されます。この標識タンパクをNanoBiT™ をベースとした検出試薬で検出・測定し、発光シグナルにより特定の細胞のみの傷害を評価する技術になります(右図)。
発光法を用いる事でNon-RIで高感度にTarget Cell Killingを評価することが可能となっています。また、Labeling Probeは細胞膜を透過するため、細胞改変することなく、標的細胞の特性を損なうことなく、アッセイを実施することが可能です。
本ポスターでは下記のアプリケーション事例が示されています。
- 種々のがん細胞での検出事例
- 少数の細胞数からの検出事例(100個の細胞から検出可能)
- 複数のがん種を用いてのPBMCによるADCC活性の評価
- 本技術を用いた、384well プレートフォーマットでのADCCアッセイ
- 長時間発光基質を用いた、経時的なADCC活性の評価
SLAS2019_1196-B Evaluating a No-Wash Rapid FcRn Immunoassay to Guide Development of Antibody Therapeutics
簡便な発光FcRnイムノアッセイ
胎児性Fc受容体(FcRn)は、抗体の体内動態制御にかかわる受容体であり、バイオ医薬品開発におけるキー分子のひとつです。現在、抗体とFcRnの結合は表面プラズモン共鳴分析法による測定が一般的ですが、固定化や複雑なステップに伴いartifactが生じる可能性が懸念されます。この度プロメガでは、固定化不要かつアッセイ試薬を添加するだけでFcRnと抗体の結合を評価することができるNanoBiT™ FcRn Immunoassayを開発しました。NanoBiT™ FcRn Immunoassayは、下図のようにNanoBiT™ テクノロジーをベースとしたCompetitiveアッセイであり、測定対象の抗体とFcRnの結合に応じたFcRn-トレーサー複合体の解離を、NanoBiT™ 発光値でモニターすることで、抗体とFcRnの結合を評価するアッセイです。また試薬を添加するだけの溶液ベースのアッセイであるため、artifactが生じる可能性も最小になります。ポスターでは、human IgG特異的にFcRn結合能をアッセイできることや、アッセイのミニチュア化にも対応できること、またFc領域のメチオニン残基の酸化によるFcRnとの結合能低下を、NanoBiT™ FcRn Immunoassayで評価したデータを紹介しています。NanoBiT™ FcRn Immunoassayキットはカスタム品として提供可能ですので、ご興味ある方はご連絡ください。
(キーポイント)
- 迅速で簡便なホモジニアスアッセイ
- スクリーニングにも最適
- アッセイに伴うartifactが最小であるため、抗体のFcRn結合能を適切に評価可能
SLAS2019_1323-D NanoBiT™ Homogeneous Immunoassay A Simple, Sensitive,and Rapid Method for Analyte Detection using Luminescent Signal
迅速、高感度なホモジニアスイムノアッセイ
ELISAは高感度で特異性の高いタンパク質検出法として広く一般的に利用されていますが、B/F分離が必須であるため、作業ステップが多く手間のかかるアッセイです。この度プロメガでは、B/F分離不要かつアッセイ試薬を添加するだけでタンパク質の検出が可能なNanoBiT™ Homogeneous Immunoassayを開発しました。NanoBiT™ Homogeneous ImmunoassayはNanoBiT™ テクノロジーをベースとしたアッセイであり、右図のようにSmBiTおよびLgBiTをラベルした抗体を用いて、測定対象のタンパク質を発光で検出するホモジニアスアッセイです。ポスターでは、SmBiTおよびLgBiTの抗体ラベル化方法の紹介に加え、EGFRやホルモン、サイトカインの測定データや、IgGアイソタイピングの実施データを紹介しています。またIL-1βのアッセイでは、市販のELISAキットと性能比較しており、NanoBiT™ Homogeneous Immunoassayは市販のELISAキットと同レベルでIL-1βを検出できるデータを紹介しています。SmBiT/LgBiTの抗体ラベル化キットやStreptavidin-SmBiTはカスタム品として提供可能ですので、ご興味ある方はご連絡ください。
(キーポイント)
- B/F分離不要で迅速な測定が可能(5~30 min)
- 試薬を添加して測定するだけの簡便なホモジニアスアッセイ
- スクリーニングにも最適
SLAS2019_1274-E Bioluminescent Platform for Cellular Energy Metabolism Studies
HTS対応の細胞代謝アッセイプラットフォーム
真核生物では様々な栄養因子を細胞内に取り込み、生存に必要なエネルギーや代謝産物を合成し、複雑な代謝ネットワークを形成しています。また、がんなどの疾患においては特異的な代謝機構を有している事が知られており、細胞内代謝を深く理解する事は、効果的な治療方法の開発を進める上で欠かせないポイントです。 細胞内の代謝状況を正確にモニターするには、高感度な測定技術が欠かせません。しかしながら、高感度測定に対応する機器はスループット性や、コストがネックとなります。 プロメガではNAD(P)Hをルシフェリンに変換する酵素リサイクリング法を用いて、代謝にかかわる種々の因子を高感度な発光法にて、簡便に測定する技術を確立しています(右上図)。
本ポスターでは、多検体のフォーマット(384wellもしくは1536wellプレート)での評価を中心に下記の5つのアプリケーションを実施し、HTSに対応可能なフォーマットでの種々のアッセイの事例を紹介しています。
【アプリケーション概要】
- 1536wellプレートでのNADH, Glucose, Lactate, Glutamateの測定
- 96wellプレートで培養した細胞のATP, NAD, NADP, Glucose, Lactate, Glutamine, Glutamateの測定と定量
- 脂肪様細胞に分化誘導した細胞のTriglycerideの測定
- 384well-LVプレートおよびLOPAC1280を用いての、スフェロイド培養細胞に対するGlycolysisとGlutaminolysis阻害剤の探索例
- アコースティック 分注システムを活用した、1536wellフォーマットでの72時間までの経時的な代謝因子量の変化の測定と、LDHを指標とした生細胞数測定のマルチアッセイ(下図)
アコースティック 分注システムの事例にあるように、発光法ではわずか30nLの培地サンプルからでもアッセイ可能であり、非常に高感度であると共に、ロバストな系です。加えて、viability/toxicityを組み合わせたマルチアッセイを組む事も可能となっています。
SLAS2019_1361-B High-Throughput, Transfection-Grade Plasmid Purification without Centrifugation using Paramagnetic Particles
HTS対応トランスフェクショングレードプラスミド精製
近年、改変抗体のハイスループットスクリーニングが注目されています。 ハイスループットで、トランスフェクショングレードのプラスミド抽出する手法を紹介しています。
使用試薬 | Wizard MagneSil Tfx™ System |
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機器 | Tecan Freedom Evo® 150 (Miniprep) |
Tecan Freedom Evo® 200 (Midiprep) | |
ランタイム | 3時間 |
プロトコール | 右の図を参照 |
収量 | 1.5 ml培養液:約20 ug |
30 ml培養液:80~120 ug |
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