バッファー・溶液調整法 と プロメガ製品バッファー情報
バッファー・溶液の調製法
溶液 | 調製法 |
---|---|
アガロースゲルサンプルバッファー (6X) | TEバッファー(10mM Tris-HCl (pH 8.0), 1mM EDTA)6mlにスクロース4gとブロモフェノールブルー2.5mgを溶解し、TEバッファーで10mlにメスアップします。室温保存。 |
7.5M酢酸アンモニウム | 57.81gの酢酸アンモニウムを水に溶解し、水で100mlにメスアップします。0.2µmフィルターで濾過滅菌します。pH5.5。 |
BigDye® 希釈バッファー | 250mM Tris-HCl (pH9.0), 10mM MgCl2 |
D-ビオチン, 100mM | 100mM Na2HPO4に必要量のビオチンを溶解し、100mM NaH2PO4でpH7.2に調整します。100mMリン酸ナトリウムバッファー (pH7.2) で必要容量までメスアップした後、0.22µmフィルターで濾過滅菌し、無菌状態で分注します。 |
デンハルト溶液 (50X) | 水300mlにFicoll® 5g,ポリビニルピロリドン5g,BSA 5gを溶解し、水で500mlにメスアップします。濾過後25mlずつ分注し、–20℃保存。 |
DEPC処理 | 処理する溶液100mlに0.2ml DEPC(diothylpyrocarbonate)を加え良く攪拌した後、ドラフトで一晩静置。残留DEPCを不活性化するためにオートクレーブします。注意:DEPCは発ガン性物質であるとされていますので、グローブ着用の上ドラフト内で取り扱ってください。Trisなどの一級アミンを含む溶液にはDEPC処理を行わないで下さい。 |
1M DTT(dithiothreitol) | 0.01M 酢酸ナトリウム (pH 5.2) 20mlにDTT 3.09gを溶解します。濾過滅菌後、1mlずつ分注し、–20℃で保存。 |
0.5M EDTA (pH 8.0) | 水800mlにdisodium ethylenediaminetetraacetate・2H2Oを186.1g溶解します。マグネットスタラーを用いて良く攪拌します。NaOHでpH8.0に調整し、分注後、オートクレーブにより滅菌します。 |
エチジウムブロマイド, 10mg/ml | 水100mlにエチジウムブロマイド 1gを溶解します。マグネットスタラーで色素が完全に溶解するまで数時間攪拌します。容器をアルミホイルで包むか溶液を褐色瓶に移し、4℃で保存します。注意:エチジウムブロマイドは変異誘発性であり、毒性を有します。エチジウムブロマイド溶液を使用する際はグローブを着用し、粉末を秤量する場合はマスクをつけて下さい。 |
IPTG(0.1M) | 脱イオン水にIPTG (isopropyl-β-D-thiogalactopyranoside) 1.2gを溶解し、50mlにメスアップします。濾過滅菌(0.2µm)後、5mlずつ分注して–20℃で保存します。このIPTGストック溶液は–20℃で2-4ヶ月安定です。 |
LB | 脱イオン水にBacto®-tryptone 10g, Bacto®-yeast extract 5g、NaCl 5gを溶解し、脱イオン水で1Lにメスアップします。10M NaOHでpH7.5に調整し、オートクレーブにより滅菌します。500mlずつ分注し、室温で保存します。 |
5X MOPSゲルランニングバッファー | DEPC処理水1.6LにMOPS (free acid) 83.72g,酢酸ナトリウム8.23gを加え攪拌し完全に溶解します。DEPC処理した0.5M EDTA溶液20mlを加え、10N NaOHでpH7.0に調整します。DEPC処理水で2Lにメスアップした後、200mlずつ分注してオートクレーブします。溶液は黄色を呈しますが、バッファーの品質に影響はありません。分注した溶液は遮光して、室温または4℃に保存します。 |
M9 プレート(1mM thiamine-HCl) | 脱イオン水にNa2HPO4 6g、KH2PO4 3g、NaCl 0.5g、NH4Cl 1g、寒天15gを溶解し、1Lにメスアップします。10N NaOHでpH7.4に調整後、オートクレーブし、50℃になるまで冷やします。1M MgSO4溶液2.0ml、1M CaCl2 0.1ml、20%グルコース10ml、1M thiamine-HCl 1.0mlを加えます。この完全培地を濾過滅菌(0.2µm)し、プレートに注ぎます。カバーをしたプレートを逆さまにして4℃で保存します。1-2ヶ月は安定です。 |
Mueller Hinton II Broth | 脱イオン水に牛肉エキス300g、Bacto® casamino acids 17.5g、Bacto® soluble starch 1.5gを加え、1Lにメスアップします。pH7.3に調整し、オートクレーブで滅菌します。 |
Mueller Hinton II Broth (cation-adjusted) | 脱イオン水100mlにMgCl2・6H2O 8.36gを溶解し、マグネシウムストック溶液を調製します(Mg2+の終濃度10mg/ml)。脱イオン水 100mlにCaCl2・2H2O 3.68gを溶解し、カルシウムストック溶液を調製します(Ca2+の終濃度10mg/ml)。2つのストック溶液を濾過滅菌します。マグネシウムストック溶液をMg2+終濃度10-12.5mg/mlになるように加え、カルシウムストック溶液はCa2+終濃度20-25mg/mlになるように加えます。 |
フェノール (acid) (RNAにのみ使用) | 50mM酢酸ナトリウム (pH 4.0) 500mlにフェノール500gを55℃に暖めて溶解します。分離した水相(上部)を除去し、50mM酢酸ナトリウム (pH 4.0) 500mlを加え乳化させるために撹拌します。この操作を上部の水相がpH 4.1以下になるまで繰り返し行います。 |
PBS (phosphate-buffered saline) | 滅菌水800mlにNaCl 8g、KCl 0.2g、Na2HPO4 1.44g、KH2PO4 0.24gを溶解します。HClでpH 7.4に調整し、1Lにメスアップします。分注後、オートクレーブで滅菌します。 |
酢酸カリウム(アルカリ溶解用) | 5M酢酸カリウム60mlに氷酢酸11.5ml、水28.5mlを加えます(本溶液はカリウムは3M、酢酸は5Mです)。 |
RNAローディングバッファー | 50%グリセロール、1mM EDTA、0.4%ブロモフェノールブルー、1mg/mlエチジウムブロマイドになるように、DEPC処理水に各試薬を加えます。リボヌクレアーゼの混入を防ぐために、グレードの高いグリセロールを使用してください。500µlずつ分注し、–20℃に保存します。10-20µl RNAサンプル(RNA+サンプルバッファー)に2µlのローディングバッファーを使用します。 |
RNAサンプルバッファー | 脱イオンホルムアミド10.0ml、37%ホルムアルデヒド3.5ml、5X MOPS 2.0mlを混合します。500µlずつチューブに分注してキャップをしっかり閉めた後、–20℃で保存します。–20℃で保存すれば6ヶ月は保存できます。1種類のRNAサンプルには2つのサンプルバッファーを使用してください。注意:ホルムアミドは催奇物質であり、ホルムアルデヒドは毒性を持つ発ガン物質です。操作はドラフト内で行い、研究室の安全規定に従ってください。 |
溶液 | 調製法 |
SDSゲルサンプルバッファー (2X) | グリセロール20ml、β-メルカプトエタノール5ml、10% SDS 20ml、ブロモフェノールブルー20mg、4Xスタッキングゲルバッファー(Tris 6.06g、10% SDS 4ml [pH 6.8] を水100mlに溶解)25mlを混合します。溶解後、水で100mlにメスアップし、12N HClでpH6.8に調整後、室温に保存します。 |
10% SDS ( sodium dodecyl sulfate) | 水900mlに電気泳動グレードSDS 100gを溶解(68℃に加温)します。HClでpH 7.2に調整後、1Lにメスアップし、分注します。SDSは刺激剤なので粉末を秤量する場合はマスクをして下さい。 |
20X SSC | 水800mlにNaCl 175.3g、クエン酸ナトリウム88.2gを溶解し、10N NaOHでpH 7.0に調整します。1Lにメスアップし、分注後オートクレーブで滅菌します。 |
20X SSPE | 水800mlにNaCl 175.3g、NaH2PO4・H2O 27.6g、EDTA 7.4gを溶解しNaOHでpH 7.4に調整します(10N NaOH溶液 約6.5ml)。1Lにメスアップし、分注後オートクレーブで滅菌します。 |
SOC | 脱イオン水97mlにBacto®-tryptone 2.0g, Bacto®-yeast extract 0.5g、1M NaCl 1ml、1M KCl 0.25mlを加え完全に溶解するまで攪拌します。オートクレーブの後室温まで冷まします。2Mマグネシウムストック (1M MgCl2、1M MgSO4) 1mlと2Mグルコースストック1ml(終濃度は各20mM)を加えた後、濾過滅菌(0.2µm)します。PH7.0に合わせ、25-50mlずつに分注後、室温で保存します。 |
50X TAE | 脱イオン水700mlにTris-base 242g、Na2 EDTA・(2H2O) 37.2gを溶解します。さらに氷酢酸57.1mlを加え、水で1Lにメスアップします。室温または4℃で保存します。 |
10X TBE | 脱イオン水900mlにTris-base 108g、ホウ酸55gを溶解します。さらに0.5M EDTA (pH 8.0) 40mlを加え、水で1Lにメスアップします。室温または4℃で保存します。 |
TCA(trichloroacetic acid)100%溶液 | 500g TCAの入っているボトルに水227mlを加えます。この溶液は100% (w/v) TCAです。 |
1X TEバッファー (pH 8.0) | 10mM Tris-HCl (pH 8.0), 1mM EDTA |
TE-saturated phenol:chloroform: isoamyl alcohol | クロロホルム500mlにフェノール500gを溶解した後、イソアミルアルコール25mlを加えます。TEバッファー(10mM Tris-HCl (pH 8.0), 1mM EDTA)を等量加え、攪拌して乳化します。2相に分離したら、上相を除き、再びTEバッファーを加えます。再度2相に分離したら、液相を1cm残して、上部を除去します。褐色瓶に入れて4℃で保存します。 |
TE-4 buffer (pH 8.0) | 脱イオン水 900mlにTris-base 2.21g、EDTA (Na2 EDTA・2H2O) 0.037g を溶解します。HClでpH8.0に調整し、脱イオン水で1Lにメスアップします。 |
尿素ポリアクリルアミドゲルサンプルバッファー | 脱イオンホルムアミド90mlにスクロース10g、ブロモフェノールブルー20mg、キシレンシアノール20mgを溶解します。その後、水で100mlにメスアップします。 |
X-Gal | 液量が2mlになるようにN,N’-dimethylformamideにX-Gal 100mgを溶解します。500µlずつ分注した後、遮光して–20℃で保存します。X-Galの終濃度は50mg/mlです。このX-Galストック溶液は–20℃で2-4ヶ月安定です。 |
バッファーの温度変化によるpHの影響
バッファー | pKa/20°C | ∆pKa/10°C |
---|---|---|
Mes | 6.15 | –0.110 |
Ada | 6.6 | –0.110 |
Pipes | 6.8 | –0.085 |
Aces | 6.9 | –0.200 |
Bes | 7.15 | –0.160 |
Mops | 7.2 | –0.013 |
Tes | 7.5 | –0.200 |
Hepes | 7.55 | –0.140 |
Tricine | 8.15 | –0.210 |
Tris | 8.3 | –0.310 |
Bicine | 8.35 | –0.180 |
Glycylglycine | 8.4 | –0.280 |
参考資料
Good, N.E. (1986) Biochemistry 5, 467.
※この資料は、2012-2013年の資料をもとに作成されたものです。