PureYieldTM Plasmid Midiprep System

PureYieldTM Plasmid Midiprep System INSTRUCTIONS FOR USE OF PRODUCTS A2490, A2492, A2495 , A2496 Quick PROTOCOL Revised 2025/03 本プロトコールにおけるすべての操作は、室温(22~25℃)で行ってください。 キット以外に準備するもの ・ イソプロパノール ・ 95%エタノール ・ 卓上遠心機 (50mLチューブ対応のアングルローター) ・ 50mL スクリューキャップチューブ (例︓Corning製やFalcon™製) ・ 高速遠心機 (15,000 × gで遠心可能なもの) ・ バキュームポンプ (吸引圧力︓約650mm Hg(25.6 inches Hg)のもの) ・ バキュームマニホールド (例︓Vac-Man® Laboratory Vacuum Manifold[Cat.# A7231]) ・ Eluator™ Vacuum Elution Device[Cat.# A1071](※吸引法で実施する場合) 試薬の準備 下表に従い、以下の試薬を準備する。 ・ Endotoxin Removal Wash:Endotoxin Removal Washのボトルにイソプロパノールを加える。 ・ Column Wash:Column Washのボトルに95%エタノールを加える。 ※添加後はアルコール成分が揮発しないように、しっかりとボトルの蓋を閉めてください。 表1. 各キットにおけるイソプロパノールおよび95%エタノールの添加量 Endotoxin Removal Wash イソプロパノール/ボトル Column Wash 95%エタノール/ボトル 4 preps system (A2490) 10mL 4 preps system (A2490) 55mL 25 preps system (A2492) 57mL 25 preps system (A2492) 350mL 100 preps system (A2495) 210mL 100 preps system (A2495) 635mL 300 preps system (A2496) 210mL 300 preps system (A2496) 635mL 大腸菌クリアライセートの調製(吸引法、遠心法 共通) 1. 組み換え大腸菌を50~100mLのLB培地で一晩(16~21時間)培養する。 ※100mLより多いLB培地の用いる場合は、試薬の使用量が異なりますので、ご注意ください(表2)。 2. 培養液を50mLチューブへ分注し、遠心(5,000×g、室温、10分)して大腸菌をペレット化する。 3. 遠心後の培地上清を除去する。 ※大部分はデカントで除去し、残った少量の培地はピペットなどで可能な限り取り除いてください。 4. ステップ3のチューブにCell Resuspension Solutionを3mL加え、ボルテックスで20秒程度激しく撹拌し、大腸菌ペレットをしっかりとほぐす。 5. ステップ4のチューブにCell Lysis Solutionを3mL添加する。チューブを回転させながら10~20回程度しっかりと転倒混和する(図1)。その後、室温で3分間インキュベーションする。 6. ステップ5のチューブにNeutralization Solutionを5mL添加する。チューブを回転させながら10~20回程度しっかりと転倒混和する。その後、室温で3分間インキュベーションする。 ※ステップ5および6での混和が不十分の場合、ステップ7でデブリがペレット化されません。 ※Cell Lysis solutionとNeutralization solutionの混和の際にボルテックスは使用しないでください。 7. ステップ6のチューブを遠心(15,000×g、室温、15分)する。デブリをペレット化し、クリアライセートが得られたことを確認する ※機器の仕様上、15,000×gに満たない場合、最高速で遠心してください(例:12,000×g、室温、20分) 表2. 各試薬の使用量 試薬名 大腸菌培養液量 50~100mL 101~250mL Cell Resuspension Solution 3mL 6mL Cell Lysis Solution 3mL 6mL Neutralization Solution 5mL 10mL 図 1.転倒混和のイメージ PureYieldTM Plasmid Midiprep System INSTRUCTIONS FOR USE OF PRODUCTS A2490, A2492, A2495 , A2496 Quick PROTOCOL 技術的なお問合せは: e-mail: prometec@jp.promega.com・Tel: 03-3669-7980 詳細なプロトコールは、英文マニュアル #TM253 をご覧ください。 Revised 2025/03 吸引法プロトコール <カラムへの吸着> 1. PureYield™ Binding Column(白色; 以下Binding Column)の上にPureYield™ Clearing Column(青色; 以下Clearing Column)を取り付け、マニホールドにセットする(図2)。 2. 前工程のステップ7で得られた大腸菌クリアライセートをClearing Columnに注ぐ。 ※可能な限りデブリが混入しないように注意してください。 3. 吸引ポンプのスイッチを入れる。吸引圧を上げ、マニホールド側のコックを開けて吸引を開始する。すべての溶液が、Clearing ColumnおよびBinding Columnを完全に通過するまで吸引する。 4. マニホールド側のコックを閉め、ゆっくりと吸引圧を解除し、ポンプのスイッチを切る。 5. 青色のClearing Columnのみを取り外す (Binding Columnはマニホールドに残す)。 ※吸引を急に解除すると、カラムのメンブレンが外れることがあります。カラムの底から外れた場合は、滅菌チップなどを用いて元の位置に押し込んでください。 <洗浄> 6. 5 mLのEndotoxin Removal WashをBinding Columnに加える。溶液がBinding Columnを完全に通過するまで吸引する。 7. 20mLのColumn Wash SolutionをBinding Columnに加え、溶液がBinding Columnを完全に通過するまで吸引する。 8. すべての溶液がメンブレンを通過した後、メンブレンを乾燥させるため30~60秒間吸引する。メンブレンの上部が濡れている場合やエタノール臭がする場合は、再度30~60秒間吸引する。 9. マニホールド側のコックを閉め、ゆっくりと吸引圧を解除し、吸引を停止する。Binding Columnをマニホールドから取り外す。 <Eluator™を用いた溶出> 10. Eluator™ Vacuum Elution Deviceに、滅菌した1.5mLチューブをセットしチューブキャ ップを取り付ける(図3A)。 11. Vac-Man® Manifoldから取り外したBinding Columnを、ステップ10で組み立てた Eluator™ Vacuum Elution Device上にセットして、マニホールドに設置する(図 3B)。この時、Binding ColumnがEluator™ Vacuum Elution Deviceにしっかりは まっていることを確認する。 12. 400~600μLのNuclease-Free WaterをBinding Column内のメンブレン全体が浸 るように加え、1分間静置する。その後1分間 (もしくはすべての液体がカラムを通過するま で) 吸引し、DNA溶液を溶出する。 ※長鎖(10kb以上)のプラスミドを溶出させる場合、あらかじめ65℃に加温したNuclease-Free Waterを用いることでメンブレンから溶出促進することができます。 13. マニホールド側のコックを閉め、ゆっくりと吸引圧を解除し、吸引を停止する。溶出したプラスミドDNAを含む1.5mLチューブを回収する。 図 2.カラムの接続 図 3.Eluator Vacuum Elution Device のセッティン PureYieldTM Plasmid Midiprep System INSTRUCTIONS FOR USE OF PRODUCTS A2490, A2492, A2495 , A2496 Quick PROTOCOL 技術的なお問合せは: e-mail: prometec@jp.promega.com・Tel: 03-3669-7980 詳細なプロトコールは、英文マニュアル #TM253 をご覧ください。 Revised 2025/03 遠心法プロトコール 遠心による精製を行う際は、スイングローターを使用してください。 アングルローターを使用すると溶液がカラム内に残る原因となるため、使用しないでください。 <カラムへの吸着> 1. 50mLチューブにPureYield™ Clearing Column(青色; 以下Clearing Column)をセットする。 ※細胞残渣が少ない場合は、インキュベートせずにすぐにステップ2に進むことができます。 2. 遠心(1,500×g、5分間、室温)する。大腸菌クリアライセートがClearing Column上に残っている場合は再度遠心を繰り返す。 3. 新しい50mLチューブにPureYield™ Binding Column (白色; 以下Binding Column)を挿入する。 ステップ2で得た大腸菌ライセートをBinding Columnへ注ぎ、遠心(1,500×g、3分間、室温)する。 洗浄 4. Binding Columnに5 mLのEndotoxin Removal Washを加え、遠心(1,500×g、3分間、室温)する。チューブからBinding Columnを取り外し、溶液を捨てたのち、再度Binding Columnをセットする。 5. Binding Columnに20mLのColumn Wash Solutionを加え、遠心(1,500×g, 3分間, 室温)する。チューブからBinding Columnをはずし、溶液を捨てたのち、再度Binding Columnをセットする。 6. 遠心(1,500×g, 10分間, 室温)し、メンブレン上に残っているColumn Wash Solutionを完全に取り除く。 溶出 7. ステップ6のチューブからBinding Columnを取り外し、新しい50mLチューブにセットする。 8. 600μLのNuclease Free WaterをBinding Column内のメンブレン全体が浸るように加え、1分間静置する。 ※長鎖(10kb以上)のプラスミドを溶出させる場合、あらかじめ65℃に加温したNuclease-Free Waterを用いることでメンブレンから溶出を促進することができます。 9. 遠心(1,500×g、5分間、室温)し、プラスミドDNA溶液を溶出する(溶出液量︓約400μL)。 <参考> Eluator™ を使用することで、カラムに残る溶出液量(デッドボリューム)が少なくなります。そのため、遠心を用いる標準法に比べて、効率よく高い収量と濃度を得ることができます。 図 4. 吸引法と遠心法の比較