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かわら版 2018年 秋号

Only ONE 2018年 秋号 ・プロメガの新規受託サービスについて:オミックス解析からの仮説創出とセルベース解析による実証サイクルの必要性 2 ページ オミックス解析受託 ・NGS から第 3 世代シーケンシングへ:DNAシーケンシングはかずさ DNA 研究所のお家芸 ! 4 ページ ・次世代プロテオミクス解析そしてマルチオミックスへ:網羅的プロテオーム解析があるからオミックス解析だ ! 6 ページ ・様々な分野で活用されているメタボローム解析:代謝産物を見ずして、生体システムを語るなかれ ! 8 ページ セルベース解析受託 ・細胞内だから見える真の結合:生細胞内でのキナーゼ:阻害剤の結合解析(ターゲットエンゲージメント) 9 ページ ・TrueSTABLE Cell とは?:HAC & 新規 lox テクノロジーによる超効率的な安定発現細胞作成システム 10 ページ ・ヒト細胞認証試験:細胞実験のマスト(must)になったヒト細胞認証試験による細胞管理 12 ページ “日本の研究者”を応援する 受託サービス特集 オミックス解析、セルベース解析など新たなニーズに対応する受託サービスを開始! 安心の受託サービスとは? 研究者のための、研究者による、 日本国内での受託サービス Promega  WA BAN プロメガ株式会社 オミックス解析からの仮説創出とセルベース解析による 実証サイクルの必要性 プロメガの新規受託サービスについて 近年のライフサイエンスの研究活動ではオミックス解析など仮説創出型のアプローチが多くとられています。 しかし、これらの手法から網羅的で大量のデータが得られたとしても生物学的な意味が即座に得られる訳で はなく、細胞など生きた生体システムを用いた仮説検証型のアプローチとの両輪をうまく回転させる ことが非常に重要です。 現在汎用されている次世代シーケンサーや質量分析装置によるオミックス解析は、技術の進歩による恩恵を 受け、従来個々の「点」を深く探る解析から「面」としてとらえる解析へとシフトし、生成される情報量も桁 違いに増加し、多くの新しい知見を得ることができるようになりました。しかし、これらの手法は細胞を破壊 し、その時点での生体分子を網羅的にプロファイリングできるという利点がある一方で、それぞれの系の「ス ナップショット」しか得られないという致命的な弱点もあります。こうしたオミックス解析の知見を細胞内の 動的な反応と結びつけて仮説検証を進める上で、セルベース解析は一つの重要なツールとなります。プロメガ は発光・蛍光タンパク質をレポーターとした様々な革新的な測定技術を保有されており、特にそのレポーター をなるべく内在性に近い状態で測定できるようにしたセルベース解析サービスを開始されました。これにより、 細胞のターゲットを絞った動的挙動を発光・蛍光レポーターで測定し、細胞内でどのような生体分子の量的 プロファイルの変化が生じているかをオミックス解析するという一つのサイクルが完結します。これら実験サ イクルを回す上で多くの研究者の方がこれまで大きなフラストレーションを感じてこられた様々なギャップ (マンパワー、一時的に必要な機器、高額装置と運用スキル、専門的な解析技術)を埋める、様々なサービ スをプロメガが創出し、日本の研究者の皆様にお届けしてくださることに期待したいと思います。 公益財団法人かずさ DNA 研究所 副所長 ゲノム事業推進部長 小原 收先生 刺激など ORF Clone セルベース解析 (生体応答性、フェノタイプ検証、 ハイスループット) オミックス解析 (網羅性・多層・スナップショット) 代謝物 タンパク質 核酸 (RNA & DNA) Target ( 薬剤標的、診断マーカー候補など ) 導入 細胞 (リコンビナントサンプル) セルベース解析 (in vivo 解析) 薬剤・診断マーカー 標的候補 オミックス解析 (in vitro 解析) 細胞 (ネイティブサンプル) 抽出 プロメガの受託サービスの概要 第 41 回日本分子生物学会年会バイオテクノロジーセミナー 「次世代」は今! 「知恵」しか持たざる者のオミックス解析 発表日:11 月 29 日(火)11:40 ~ 12:30 会場:第 16 会場(パシフィコ横浜 会議センター 502) かずさ DNA 研究所 小原 收先生にオミックス解析および セルベース解析の重要性についてご講演いただきます。 詳細については以下をご覧ください。 www.promega.co.jp/2018seminar/ プロメガの新規受託サービスについて 2 Promega Custom Service 刺激など ORF Clone セルベース解析 (生体応答性、フェノタイプ検証、 ハイスループット) オミックス解析 (網羅性・多層・スナップショット) 代謝物 タンパク質 核酸 (RNA & DNA) Target ( 薬剤標的、診断マーカー候補など ) 導入 細胞 (リコンビナントサンプル) セルベース解析 (in vivo 解析) 薬剤・診断マーカー 標的候補 オミックス解析 (in vitro 解析) 細胞 (ネイティブサンプル) 抽出 プロメガの 各種研究サポート プログラム RentaMAX 核酸自動精製装置、 マルチプレートリーダーを お貸出しいたします! ご利用の試薬をお使いいただくだけで 無償で機器をご利用いただけます。 www.promega.co.jp/rentamax/ 受託サービス(本誌参照) マルチオミックス解析を お手頃な価格でご提供いたします。 さらにプロメガの得意とする 発光技術を利用した セルベース解析も! プロメガクラブ プロメガクラブ入会により 会員特別割引やオンサイトでの テクニカルセミナーなどもご提供! www.promega.co.jp/promegaclub.html プロメガが提案する 安心国内受託サービス プロメガは研究者のみなさまのお困りごとを解決するオミックス解析 & セルベース解析受託サービスを開始しました。最新の NGS 装置および質量分 析装置を駆使したオミックス解析からそれらのデータを実証するための培養細胞を用いた各種解析サービスを幅広く提供しています。 さらに、日本の研究者のみなさまの抱えるリソースに関わる問題を解決すべく、受託サービスから機器の貸し出し、プロメガクラブによる汎用品のコ スト削減、教育プログラムなども提供しています。 プロメガ受託サービスラインナップ ゲノム・トランスクリプトーム解析 • DNA を冠した日本初の研究所“かずさ DNA 研究所”による NGS 受託解析サービス • 日本初の PacBio Sequel® の認証サービスプロバイダーによる Sequel® (ロングリード)シークエンシング堂々開始 • 日本の研究者によるきめ細かい事前コンサルティングおよびアフターフォロー 4 ページ プロテオーム解析 • DIA プロテオミクス技術によるプロテオーム解析を開始(8,000 タンパク質の網羅的、比較可能な解析) • 真のプロテオーム解析とトランスクリプトーム解析(RNAseq)を組み合わせたリーズナブルなオミックス解析を提案 • フェノールグアニジン系の試薬に漬けたサンプルを送るだけでデータを取得 6 ページ メタボローム解析 • メタボローム解析で生体内の代謝産物を網羅的に解析 • 質量分析装置で全てのピークを解析するノンターゲット解析を採用 • 独自に開発した高速解析ソフトウエア 8 ページ 細胞内タンパク質 – 化合物結合試験 • カルナバイオサイエンス社でプロメガの NanoBRET™ 技術を利用した キナーゼ:阻害物質 結合解析受託サービスを開始 • 細胞内でのタンパク質:化合物結合解析は生体内での挙動を正確に反映 • IC50 だけでなく結合時間(residence time)も測定可能 9 ページ 安定発現細胞作成 & アッセイ • かずさ DNA 研究所の HAC および新規 lox テクノロジーを利用した安定発現細胞 TrueSTABLE Cell 作成サービスを開始 • ゲノムを傷つけない人工染色体(HAC)技術でコピー数、発現量もコントロール可、 新規組換え技術によるシステマチックな構築作業 • プロメガのルシフェラーゼ & タグ技術を導入でき、セルベース解析も受託可能 10 ページ 細胞認証試験 • 今や論文投稿時にヒト培養細胞株認証データの提出が当たり前の時代に • 受託サービスで医薬基盤・健康・栄養研究所による信頼性の高い分析報告書を Get • 再生医療、細胞治療などで使用する患者由来細胞の確認試験もお問合せください 12 ページ オミックス解析 セルベース解析 ジェネリック試薬提案 医薬品と同様に ジェネリックな汎用試薬で 最大のコストパフォーマンスを 提案いたします! (弊社 営業にお問合せください) 3Promega  WA BAN オミックス解析①:NGS から第 3 世代シーケンシングへ DNA シーケンシングはかずさ DNA 研究所のお家芸 ! 第 3 世代シーケンシング(PacBio Sequel® )でさらにパワーアップ 図 1. PacBio Sequel® イントロダクション 第 3 世代シークエンサーと呼ばれるPacBio Sequel® は、DNA 一分子をシー クエンスします。連続した 60 kb 以上の塩基配列も読み取ることができ、 全ゲノムシークエンス、アイソフォーム検出、完全長転写産物解読、融 合遺伝子検出、ロングアンプリコン解析に用いられています。かずさ DNA 研究所はこの 6 月に、PacBio Sequel® を用いた解析で高品質データ を所得できる機関として、開発元のパシフィック・バイオサイエンス社か ら国内第一号の認証サービスプロバイダーの認定を受けました。2018 年 8 月現在、国内で Sequel® の受託を行なっている唯一の機関です。 ロングリードシーケンスでゲノムのより深淵な秘密を解読 私たちは ORF クローンの分譲やベクターコンストラクション、質量分析 などの受託解析から基礎医学発展のためのマーカー開発や機能性食品 の開発などの共同研究まで幅広い研究支援を行っています。弊所の中 心的技術であるシークエンシングに関しては次世代シークエンシング (New Generation Sequencing、NGS)マシンであるイルミナ社の HiSeq、 NextSeq、MiSeq を保有しており、これらを用いた受託解析サービスの 提供を行っています。全ゲノムシークエンス、Exome-Seq、Target-Seq、 MBD-Seq、RNA-Seq、miRNA-Seq 等各種解析に対応しており、通常の 受託では難しい微量のサンプルや分解サンプルにも可能な限り対応し ます。さらに、1 細胞 RNA-Seq、1 細胞 TCR 解析も受託可能となり ました。 さらに、2017年 10 月にパシフィック・バイオサイエンス社の PacBio Sequel® を導入し、一分子シーケンスの受託解析を開始しました。今回導入さ れた Sequel は同社 RSII に比べて 6 ~ 7 倍のデータ量(Cell あたり)を 得ることができますので、より短期間に解析を進めることができます。 PacBio を用いたロングリードと、他のショートリード解析との最大の違 いはもちろんリード長が長いことですが、これまで NGS の主戦場であっ たショートリードではソフトウエアや解析手法の助けがあってもカバー できない不可能な解析も多々あり、一度に長く解読できるロングリー ドシークエンシングでより複雑な生命暗号をさらに深く解読できるよう になります。最近では同社のロングリードシーケンサーでコアラやアホ ロートル(ウーパールーパー)のゲノム解読が行われたように、複雑な ゲノムをもつ生物種のゲノム解析に活躍が期待できるほか、ガンに代表 されるような構造多型に由来する疾患研究でも有用です。 ロングリードシークエンシングでできること: ・ Iso-Seq(アイソフォームシークエンス):スプライスされて生じる転写産 物のアイソフォームは、ショートリードのデータから完全にカバーす ることができません。 ・ 構造多型・変異の解析:様々な疾患の原因となるゲノムの構造多型や 変異(欠失・挿入・増幅・逆位・転座 etc.)の構造は、SNP(一塩基多 型)よりもはるかに長く、複雑で、ショートリードで検出することが 困難。 ・ ハプロタイプの解析:SNP の場合も、それが相同染色体のうちのどち らに生じているか(フェージング)は、ショートリードでは見分けら れません。 ・ リピート配列の解析:ゲノムには、機能が未知のものも含め様々な高 頻度反復配列があります。これらは、ショートリードではマッピング ができず、解析結果から削除されてしまう対象です。 ・ リファレンス配列の存在しない未解析の生物、非モデル生物の新規 ゲノム配列決定 ロングリードシークエンサーは様々な新発見をもたらす機器である一 方、誰もが高品質のデータを取得できるわけではありません。この機器 ではこれまで必要であったサンプル DNA の増幅は行わなくて済む代わ りに、質の良い DNA、すなわちインタクトで不純物を含まない DNA が マイクログラム単位で必要になります。私たちは長年培われた”かずさ DNA 研究所メソッド”を活かし、厳密なサンプル調製からデータ解析を 行い高品質なデータの取得が可能です。パシフィック・バイオサイエン ス社は、シークエンス解析だけでなく各プロセスを厳格に評価し、高品 質データを取得できる施設を認証サービスプロバイダーとして認定して おり、我々認証サービスプロバイダーはパシフィック・バイオサイエンス 社との強い結びつきにより最新かつ正確な情報を共有しており、ご依頼 いただいた解析に反映させることができます。 かずさ DNA 研究所 遺伝子分析チームのご紹介 かずさ DNA 研究所は 1994 年に世 界初の DNA 専門研究機関として千 葉県の支援を受けスタートし、植 物やヒトの遺伝子研究を中心に成 果を上げて参りました。臨床オミッ クス解析グループ遺伝子分析チー ムは、開所以来 20 年余にわたり 培った DNA シークエンシング技術 (DNA 塩基配列の読み取り技術) を中心とする各種ノウハウの継承 ならびに、次々と公開される新し い技術の整備や独自の開発を担っています。そして、医療や農 業を含めた幅広い分野に関わる産学官の皆様のご依頼に応じて これらの技術を有償で提供することにより、サポート事業を継続 的に維持する仕組みを作り上げています。 公益財団法人かずさ DNA 研究所 遺伝子分析チーム チーム長 長谷川 嘉則先生 概要 • DNA を冠した日本初の研究所“かずさ DNA 研究所”による NGS 受託解析サービス • 日本初の PacBio Sequel® の認証サービスプロバイダーによる Sequel® (ロングリード)シークエンシング堂々開始 • 日本の研究者にきめ細かい事前コンサルティングおよびアフターフォロー 4 Omics Analysis 本サービスの詳細、お問合せ、見積依頼は以下をご覧ください。 www.promega.co.jp/NGS/ さらに網羅的解析としてトランスクリプトーム解析(発現解析 RNA-seq) とプロテオーム解析を組合わせたマルチオミックス解析も開始しました (7 ページ参照)。 ショート & ロングシークエンスだけでなく所内プロテオーム解析チーム と連動したマルチオミックス解析についてのご質問などいつでもお寄せ ください。 図 2. 臨床オミックス解析グループ遺伝子分析チームのみなさん 価格とお問い合わせ先 第 3 世代シーケンスサービス 解析メニュー 取得データ目安 納期 サンプル数 価格(¥) PacBio ロングリード シーケンス ライブラリ調製 + シーケンサーラン RNA(40 万 – 60 万リード) 8 週間 1 490,000 DNA(4 Gb – 7 Gb [DNA の品質による]) 8 週間 1 検体 / 1 セル 385,000 2 検体 / 1 セル 455,000 5 検体 / 1 セル 665,000 NGS シーケンスサービス サンプルは 1 個からでも承ります(価格はお問合せください)。 解析メニュー 取得データ目安 納期 サンプル数 価格(¥) ゲノム解析 ライブラリ調製 + シーケンサーラン 全ゲノムシークエンス ご依頼内容ごとに設定 4 週間~ お問合せ Human Exome-Seq (100 bp Paired-End) 8,000 万リード、8 Gb 8 週間 8 の倍数 222,000 発現解析 ライブラリ調製 + シーケンサーラン 真核生物 mRNA-Seq (TyepA:50 bp Single-Read) 1,500 万リード、750 Mb 4 週間 8 以上 102,000 真核生物 mRNA-Seq (TyepB:100 bp Paired-End) 3,000 万リード、3 Gb 8 週間 8 以上 154,000 miRNA-Seq (50 bp Single-Read) 1,500 万リード、750 Mb 2 – 4 週間 8 以上 116,000 エピジェネティクス 関連 ライブラリ調製 + シーケンサーラン Human Bisul te-Seq (100 bp Paired-End) 3,000 万リード、3 Gb 8 週間~ お問合せ MBD-Seq (100 bp Paired-End) 3,000 万リード、3 Gb 8 週間~ 8 以上 189,000 ChIP-Seq (50 bp Single-Read) ご依頼内容ごとに設定 お問合せ ライブラリ調製 RNA mRNA-Seq(Type A)用サンプル (50 bp, Single-Read) n/a 3 週間 8 57,000 mRNA-Seq(Type B)用サンプル (100 bp, Paired-End) n/a 3 週間 7 以上 97,000 DNA Human Exome-Seq 用サンプル (100 bp, Paired-End) n/a 3 週間 8 162,000 全ゲノム、Target-Seq 用 n/a 3 週間 8 57,000 シーケンサーラン (レーン貸切) NextSeq 75 bp Single-Read 4 億リード、最大 30 Gb 4 週間 391,000 150 bp Paired-End 2.6 億リード、最大 39 Gb 530,000 75 bp Paired-End 8 億リード、最大 60 Gb 695,000 150 bp Paired-End 8 億リード、最大 120 Gb 1,111,000 MiSeq 150 bp Piared-End 2,700 万リード、4 Gb 4 週間 329,000 250 bp Paired-End 2,700 万リード、6.7 Gb 354,000 300 bp Paired-End 4,700 万リード、14.1 Gb 447,000 150bp Paired-End Nano 200 万リード、300 Mb 142,000 250 bp Paired-End Nano 200 万リード、500 Mb 171,000 HiSeq 50 bp Single-Read 1.86 億リード、9.3 GB 8 週間 236,000 3 億リード、15 GB 4 週間 395,000 100 bp Paired-End 3.74 億リード、37.4 GB 8 週間 548,000 6 億リード、60 GB 4 週間 867,000 抗体可変領域解析 5′-RACE 法により 5’UTR から定常領域までの塩基配列を取得し、シグナル配列部分の開始メチオニンから可変領域の末端部分までの配列を報告 します。かずさ DNA 研究所では大規模 cDNA プロジェクトでの経験を活かし、抗体産生細胞から RNA 抽出を行い迅速に可変領域配列を決定します。 解析メニュー 納期 サンプル数 価格(¥) 抗体の可変 領域解析 基本解析 3-4 週間 1 350,000 CDR 同定 1-2 週間 1 21,000 ※多検体解析のためのボリュームディスカウントなどもご用意していります。 ※解析についても別途お見積りいたします。お問合せフォームにてご相談ください。 5Promega  WA BAN オミックス解析②:次世代プロテオミクス解析そしてマルチオミックスへ 網羅的プロテオーム解析があるからオミックス解析だ ! イントロダクション DNA シーケンシングの黎明期だった 1970 年後半から1980 年代始めに 大学院で生命科学の研究をされていたシニア世代にとっては当時の 「シーケンシング」と言えば、タンパク質のアミノ酸配列決定だったとい う生命科学の歴史を思い出されることもあると思います。生体システム の機能を司る主役は、間違いなくタンパク質です。タンパク質の定性的・ 定量的な計測データから生体システムの機能的な「状態」を記載するこ とは王道中の王道です。しかし、これまで多くの方は圧倒的にトランス クリプトーム解析を生体システムの網羅的な記載に用いてきましたが、 転写はタンパク質翻訳への過程に過ぎず、タンパク質解析への回帰が 不可欠であることは明らかです。 次世代プロテオミクス解析 タンパク質に関する網羅的な解析が主役になりきれなかった原因は、 トランクリプトーム解析などと比較すると分析深度が低く、一般的な プロテオーム解析では約 3000 種類のタンパク質を同定・比較定量でき る程度にとどまっていたことです。これでは様々な分野で着目されるこ との多いキナーゼや転写因子などの微量タンパク質を観測するには不十 分であり、さらなる分析深度の拡大が期待され続けてきました(図1)。 かずさ DNA 研究所では次世代プロテオミクスと称されている分析深度、 定量性に優れた DIA プロテオミクス技術を取り入れ、さらに最新鋭の質 量分析計(Q-Exactive™ HF-X, Thermo Fisher Scienti c 社)で測定するこ とにより、最大 8000 種類のタンパク質を同定・比較定量(HEK293 細 胞を用いた系で行った場合。観測できるタンパク数はサンプルの種類に 依存)を行えるシステムを構築しています。私たちは同じ検体からこう した網羅的解析のための RNA とタンパク質を同時に調製できる系も確 立しており(論文投稿中)、更により微量タンパク質からの高感度検出 に向けての開発研究を実施しており、正当な「オミックス解析」と呼ぶ にふさわしい解析メニューを開発中です。当受託ではここで構築した最 先端のプロテオーム解析サービスを提供します。また、この技術をベー スにした高深度リン酸化プロテオーム解析なども対応しておりますので、 ご興味があればお問い合わせください。 かずさ DNA 研究所 臨床オミックス解析グループの ご紹介 プロテオーム解析技術の開発を主 な研究テーマとして取り組んでお り、開発した技術や培ってきたノ ウハウをもと様々な研究室と共同 研究を行い、それぞれのニーズに 対応しながら多種多様なサンプル のプロテオーム解析をしてまいり ました。プロテオミクスという言 葉ができてから 20 年以上経ちま すが、残念ながらだれもが簡単に プロテオーム解析が行えるわけではなく、同じ質量分析計を持っ ていても使い手によって観測できるタンパク質数が倍近く変わる ことも珍しくありません。高度なプロテオーム解析を実現させる ためには、サンプルの種類ごとに応じた適切な前処理、目的に 合わせた適切な質量分析計のセッティング、パフォーマンスを維 持するための質量分析計の適切な管理が必要不可欠です。本受 託解析ではこれまでの経験をもとに以上の点を押さえた高度な プロテオーム解析を提供できればと思ってます。 公益財団法人かずさ DNA 研究所 臨床オミックス解析 グループ 川島 祐介研究員 概要 • DIA プロテオミクス技術によるプロテオーム解析を開始(8,000 タンパク質の網羅的、比較可能な解析) • 真のプロテオーム解析とトランスクリプトーム解析(RNAseq)を組み合わせたリーズナブルなオミックス解析を提案 • フェノールグアニジン系の試薬に漬けたサンプルを送るだけでデータを取得 図 1. DIA プロテオーム解析による分析深度の飛躍的進歩 HEK293 細胞を用いて高深度 DIA プロテオーム解析で観測されたタンパク質のダイナミッ クレンジを示す。本解析ではHEK293 細胞から約 8400 種類のタンパク質が観測された(同 定の閾値:Protein FDR < 1%, Peptide FDR < 1%)。一般的なプロテオーム解析を想定して、 発現量の多い 3000 タンパク質からキナーゼならびに転写因子の数を調べるとキナーゼ が 108 種類、転写因子が 243 種類であった。それに対して観測された全タンパク質では キナーゼが 451 種類、転写因子が 1023 種類と格段に増加した。このことから、キナー ゼや転写因子を含めた微量タンパク質を対象とする場合に高深度 DIA プロテオーム解析 を行うことに大きなアドバンテージがある。 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 Log10 (normalized abundance) Abundance Rank 一般的な プロテオーム解析 (非標識相対定量解析の場合) 約3000タンパク質が分析対象 キナーゼ: 108 種類観測 転写因子 : 243種類観測 当受託の DIAプロテオーム解析 (非標識相対定量の場合) 最大約8000タンパク質が分析対象 キナーゼ : 451種類観測 転写因子 : 1023 種類観測 図 2. RNA-Seq とプロテオーム解析で観測された mRNA とタンパク質をコードする 遺伝子の重複 RNA-Seq と Q-Eactive HF-X 導入以前のデータ依存型分析法(DDA)によるプロテオーム解 析(左図)と RNA-Seq と本受託サービスの Q-Eactive HF-X を用いた高深度 DIA プロテオー ム解析(右図)との比較を示す。分析したサンプルは HEK293F 細胞を用い、RNA-Seq と プロテオーム解析のそれぞれの解析で用いたデータベースに共通して存在した遺伝子の みを対象とした。以前のプロテオーム解析では RNA-Seq で観測できる遺伝子数との差が 大きかったが、本受託サービスの高深度 DIA プロテオーム解析ではその点が大きく改善 され、マルチオミクス解析を行う上で対象となる分子が大幅に増加した。 従来法 (DDA プロテオーム解析) RNA-Seq 12144 genes (FPKM > 1) RNA-Seq 12144 genes (FPKM > 1) 従来の プロテオーム解析 3152 genes 高深度 DIA プロテオーム解析 8183 genes 本受託サービス (DIA プロテオーム解析) 9002 3142 10 4157 7987 196 6 Omics Analysis 価格とお問い合わせ先 A)プロテオーム解析(プロテインプロファイリング) かずさ DNA 研究所では、次世代プロテオミクスと称されている分析深度、定量性に 優れた DIA プロテオミクス技術を取り入れ、HEK293 細胞を用いた系では最大 8,000 種類 * のタンパク質を同定・比較定量を行えるシステムを構築しました。メニューに ない解析もご相談承ります。 * サンプル種によって観察できるタンパク質の数は異なります。 解析メニュー 納期 サンプル数* 参考価格(¥)/1 サンプル 個別解析 マルチオミックス DIA プロテオーム解析によるタンパク質発現・相対定量解析 発現タンパク質の同定ならびに相対定量解析 方法:LC-MS/MS(DIA) 取得データ目安:4,000-6,000 タンパク質 必要サンプル量目安: タンパク質:40 µg 以上 目安 : 細胞 5 × 105 以上、組織 10 mg 以上、血清 / 血漿 1 µL 以上、尿 200 µL 以上 4 週間 1 ~ 5 8 248,000 ~ 20 224,000 ~ 6 以上 9 217,000 ~ 21 196,000 ~ 高深度 DIA プロテオーム解析によるタンパク質発現・相対定量解析 Gas phase fraction 法により作製した大規模なプロテイン・ペプチドライブラリーを元にした、 発現タンパク質の同定ならびに相対定量解析 方法:GPF+LC-MS/MS(ライブラリ作製用)、LC-MS/MS(DIA) 取得データ目安:5,000-8,000 タンパク質 必要サンプル量目安: タンパク質:40 µg 以上 目安:細胞 5 × 105 以上、組織 10 mg 以上、血清 / 血漿 1 µL 以上、尿 200 µL 以上 4 週間 1 ~ 2 10 527,000 ~ 22 476,000 ~ 3 ~ 5 11 372,000 ~ 23 336,000 ~ 6 以上 12 326,000 ~ 24 294,000 ~ DIA リン酸化プロテオーム解析によるタンパク質発現・相対定量解析 タンパク質消化物からリン酸化されたペプチドを濃縮し、同定ならびに相対定量解析 方法:LC-MS/MS(DIA) 取得データ目安:4,000-8,000 リン酸化ペプチド 必要サンプル量目安: タンパク質:0.5 mg 以上、目安 : 細胞 5 × 106 以上、組織 50 mg 以上 4 週間 1 ~ 5 13 326,000 ~ 25 294,000 ~ 6 以上 14 295,000 ~ 26 266,000 ~ 高深度 DIA リン酸化プロテオーム解析による比較定量解析 リン酸化ペプチドを濃縮後、Gas phase fraction 法により大規模なリン酸化ペプチド ライブラリーを作製。そのライブラリーをもとにリン酸化ペプチド同定ならびに相対定量解析 方法:GPF+LC-MS/MS( ライブラリ作製用)、LC-MS/MS(DIA) 取得データ目安:8,000-15,000 リン酸化ペプチド 必要サンプル量目安: タンパク質:0.5 mg 以上、目安 : 細胞 5 × 106 以上、組織 50 mg 以上 4 週間 1 ~ 2 15 605,000 ~ 27 546,000 ~ 3 ~ 5 16 450,000 ~ 28 406,000 ~ 6 以上 17 403,000 ~ 29 364,000 ~ オプション 血清 / 血漿高存在量タンパク質 14 種類除去 必要サンプル量目安:血清 / 血漿 10 µL 以上 納期に影響せず 1 18 31,000 ~ 30 28,000 ~ クリーナップ処理(サンプルが抽出液で溶解されている場合は強く推奨) 納期に影響せず 1 19 16,000 ~ 31 14,000 ~ ※表示価格は 6 サンプル以上ご注文の場合の 1 サンプルあたりの料金です(1 サンプルからでも解析可能)。 ※マルチオミックスセットは B)トランスクリプトーム解析とのセット料金です(納期は A + B でも 4 週間)。 B)トランスクリプトーム解析(RNA プロファイリング) 解析メニュー 納期 サンプル数 参考価格(¥)/1 サンプル 個別解析 マルチオミックス 3'RNA-Seq mRNA の 3' 末端配列決定 方法:HiSeq(50 bp Single-Read)または NextSeq(75 bp Single-Read) 必要サンプル量目安: total RNA:2 µg 程度 目安:細胞 約 2 × 105 個以上、組織(マウス肝臓)約 1 mg 以上 4 週間 1 1 64,000 ~ 2 2 57,000 ~ 3 3 54,000 ~ 4 4 53,000 ~ 5 ~ 7 5 52,000 ~ 8 6 51,000 ~ 9 以上 7 49,000 ~ ※ライブラリー調製には発現プロファイリングに特化し経済的なシステムである Lexogen 社の QuantSeq を使用 ※表示価格は 6 サンプルご注文の場合の 1 サンプルあたりの料金です(1 サンプルからでも解析可能)。 ※マルチオミックスセットは A)プロテオーム解析とのセット料金です(納期は A+B でも 4 週間)。 サンプルの前処理 解析メニュー 納期 サンプル数 参考価格(¥)/1 サンプル 個別解析 マルチオミックス タンパク質画分と RNA 画分の分離、精製、QC 1 週間以内 1 32 ¥30,000 *サンプル数のボリュームディスカウントは、サンプルが同じ実験系のものである場合に適用になります。異なる実験系のサンプルを組み合わせた場合は適用となりませんので ご了承ください。 本サービスの詳細、お問合せ、見積依頼は以下をご覧ください。 www.promega.co.jp/multiomics/ 7Promega  WA BAN イントロダクション メタボローム解析とは生体内に含まれる代謝物(低分子化合物)を網羅 的に解析する手法です。遺伝子構造や、RNA・タンパク質プロファイル が重要なことは既に述べられてきましたが、それらの生体高分子の機 能を制御する低分子プロファイルもオミックス解析では忘れてはなりま せん。当研究所では長く食品や植物由来の代謝産物の解析を主に行っ てきましたが、臨床検体の解析を拡大し、RNA、タンパク質、代謝産物 の統合プロファイリングの実現を目指しています。 メタボローム解析サービスメニュー LC-MS 解析 基本解析:植物二次代謝物、未知化合物など 脂質解析:リン脂質、中性脂質など GC-MS 解析 基本解析:アミノ酸、糖、有機酸など一次代謝産物 脂肪酸解析:C8–C30 の脂肪酸 ソフトウエアライセンシング Confeito GUI Plus LC-MS 受託解析 「LC-MS による解析サービス」では、多くの二次代謝物(芳香族配糖体、 テルペノイド誘導体、脂質、アミノ酸誘導体など)を対象として分析し ます。通常、植物の場合では 5,000 種類以上、微生物の場合では 1,000 種類前後の化合物が検出されます。当研究所では高分解能質量分析装 置 Q Exactive™(Thermo Fisher Scienti c 社)を活用し、LC-MS 分析によっ て分離されたピークを網羅的に検出しサンプル間の成分変動の比較に よるメタボローム解析が可能なデータをご提供します。 GC-MS 受託解析 「GC-MS による解析サービス」では、多くの一次代謝物(糖、アミノ酸、 有機酸、脂肪酸など)を対象として分析します。難揮発性物質をトリメ チルシリル化(TMS 化)あるいはメチルエステル化などの誘導体化によ り揮発性物質に変化させ、GC-MS により網羅的に分析します。当研究 所では 10,000 u/sec の高速スキャンと高感度測定を兼ね備えた四重極 型質量分析計 GCMS-QP2010 Ultra(SHIMADZU)から得られる定量性の 高い分析データと徹底したスペクトルデータの精査により、高精度な ターゲット解析を実現しています。これに加え、ターゲット化合物以外 の化合物も含む全ての検出ピークに対して主成分分析を行い、化合物 含有プロファイルをもとにしたサンプル間比較結果もご提供します。 相関ネットワーク解析用ソフトウェア Confeito GUI plus 相関ネットワーク解析と呼ばれる種類の統計解析を行うためのソフト ウェアです。相関ネットワーク解析では、成分含有量や遺伝子発現量 の変化パターンの相関性を調べ、類似したパターンをネットワークとし てグラフ化します。そのため、生体内で類似の応答を示す代謝物や遺 伝子のグループを視覚的に見つけ出すことが可能になります。Confeito GUI plus は、このような相関ネットワーク解析の複雑な計算を簡便な操 作で実行できるインターフェースをご提供します。 本ソフトソフトウェアはメタボローム解析では、サンプル間で含有パターン が似ている化合物同士の探索・グルーピングなどに利用されます。当研究 所の受託サービスで得られた解析データは勿論のこと、お客様がご自身で 取得した各種データであっても、入力データとして使用することができます。 また、データ解析機能だけでなく、高機能ビューワーも含まれているため、 本ソフトウェア上で論文投稿用の作図やプレゼンテーション等を行うことも 可能です。 図 1. メタボローム解析の分析装置 代謝産物を見ずして、生体システムを語るなかれ! 概要 • メタボローム解析で生体内の代謝産物を網羅的に解析 • 質量分析装置で全てのピークを解析するノンターゲット解析を採用 • 独自に開発した高速解析ソフトウエア オミックス解析③:様々な分野で活用されているメタボローム解析 本サービスの詳細、お問合せ、見積依頼は以下をご覧ください。 www.biosupport.kazusa.or.jp/sub_center3/ 図 2. メタボローム解析ソフトウエア 高速データ処理 データ処理 データ処理 データマイニング 成分変動相関 スペクトル相関 相関ネットワーク解析 多機能試料サンプリング 高感度定量分析 超高分解能質量分析 高感度定量分析 かずさ DNA 研究所生体分子 解析グループのご紹介 我々のグループで行っているメタボ ローム解析受託は、各種の質量分 析装置によって検出された全ての ピークを解析するノンターゲット 解析が特徴です。ノンターゲット 解析に必要な複雑なデータ解析に 対応するため、高速データ処理を 可能にした当研究所独自の解析 ソフトウエア(図 2)を利用して います。また、特定の化合物の定 量分析にも対応可能な質量分析装 (図 1)も整備しています。当研究所のメタボローム解析サービ スは、「液体クロマトグラフー質量分析装置(LC-MS)による解 析サービス」と「ガスクロマトグラフー質量分析装置(GC-MS) による解析サービス」に大別され、独自の相関ネットワーク解 析によって、生体内で類似の応答を示す代謝物や遺伝子のグルー プを視覚的に見つけ出すことを可能にするソフトウェア Confeito GUI plus(図 2)を開発し、提供しています。 公益財団法人かずさ DNA 研究所 生体分子解析グループ グループ長 鈴木 秀幸先生 8 Omics Analysis イントロダクション キナーゼについては、創薬ターゲット分子としてこれまで数多くの研究 がされてきており、癌の標的分子治療薬としてのチロシンキナーゼ阻害 剤研究のブームは一段落した感があるものの、癌以外の疾患の治療薬 のターゲットとしても依然として高い注目を集めています。特に最近の がん免疫研究の盛り上がりにあわせて、併用療法の一角を多くのキナー ゼ阻害剤が担っており、WHO の臨床試験データベースでチェックポイン ト阻害薬と低分子化合物の組み合わせで進められている臨床試験を検 索すると、数百を超える試験が現在進行中であることが分かります。ま た、キナーゼは創薬ターゲットとしての魅力もさることながら、副作用 回避の観点から、オフターゲットとしてのキナーゼ阻害を調べておくこ ともとても重要です。 細胞内でのキナーゼ:阻害剤結合解析受託サービス カルナバイオサイエンス社は 2003 年からキナーゼタンパクの提供、キ ナーゼプロファイリングサービスなどを通じて、お客様のキナーゼ創薬 研究を主に生化学的アッセイを中心に支援し続けてきております。この 度、プロメガ社の NanoBRET™ Target Engagement (TE)テクノロジーを 用いて細胞内でのキナーゼ阻害剤の作用を評価するサービスを開始する ことになりましたので、本稿ではその内容を中心にご紹介させて いただきます。 NanoBRET™ TE Intracellular Kinase Assay は、NanoBRET™ System を生細 胞内での化合物とキナーゼとの結合の解析に応用した技術で、NanoLuc® ルシフェラーゼ - キナーゼ融合タンパク質に可逆的に結合する NanoBRET™トレーサーを用いることにより、細胞内での化合物の見かけ の親和性が測定できます(図 1)。 図 2 には本テクノロジーを用いて BTK に対するキナーゼ阻害剤の効果を 検討した結果を示しています。また、本テクノロジーでは化合物の特徴づ けの指標として、最近注目されている residence time 測定にも応用が可能 です。図 3 に BTK に対する Dasatinib, Ibrutinib の residence time 測定を行っ たデータを示しています。IbrutinibはBTKのATP 結合部位付近のシステイン に共有結合して BTK を不活性化させる化合物で、residence time を測定す ると、ターゲット分子に強固に結合して、tracer を添加しても剥がれてこ ない様子が見て取れます。一方、Dasatinib は非共有結合型の阻害剤です ので、経時的にシグナルが回復して来る様子が観察できます。標的酵素 に対する IC50 が同じでも、ターゲット分子に結合している時間が長い化 合物の方が、生体内で強い阻害を示すことが期待できるため、化合物の residence time を測定することは、化合物の特徴づけ、差別化が可能にな るのみならず、in vivo に投与した際の効果の予測にも役立つと考えられま す。カルナバイオサイエンス社では、本テクノロジーを用いた受託試験の 準備を進めており、まずは 30-40 種のセリンスレオニンキナーゼから着 手し、徐々にその数を増やしていく計画をしています。 生細胞内でのキナーゼ:阻害剤の結合解析(ターゲットエンゲージメント) カルナバイオサイエンス社の ご紹介 弊社ではNanoBRET™ TE Intracellular Kinase Assay 以外にも、アメリカの パートナー企業の細胞におけるキ ナーゼアッセイの代理店サービスを 行っております。一つはシアトルに あ る Advanced Cellular Dynamics (ACD)社の Ba/F3 細胞を用いるアッ セイです。Ba/F3 細胞は IL-3 刺激依 存的に増殖するマウスのプロ B 細胞 ですが、細胞内にチロシンキナーゼ の遺伝子を導入すると、増殖に対す る IL-3 非依存性を獲得し、導入したチロシンキナーゼのシグナル のみで増殖するように変化します。この細胞にキナーゼ阻害剤を 作用させると、導入した一つのチロシンキナーゼの作用を阻害する ことで細胞の増殖抑制が起こるため、細胞の生死を指標にキナー ゼ阻害剤の評価が可能になります。なお、このアッセイにおきまし ては、生細胞数の定量に細胞内の ATP 濃度を測定するプロメガ社 の CellTiter-Glo® を使用しております。ACD 社では現在変異体を含 む全95種類のチロシンキナーゼ導入細胞を保有しており、プロファ イリングや細胞レンタルなどのサービスを実施しております。 カルナバイオサイエンス 株式会社 創薬支援事業本部 副本部長 川瀬 裕介様 概要 • カルナバイオサイエンス社でプロメガの NanoBRET™ 技術を利用したキナーゼ:阻害物質結合解析受託サービスを開始 • 細胞内でのタンパク質:化合物結合解析は生体内での挙動を正確に反映 • IC50 だけでなく結合時間(residence time)も測定可能 細胞ベース解析 ①: 細胞内だから見える真の結合 本サービスの詳細、お問合せ、見積依頼は以下までお寄せください。 info@carnabio.com 図 1. NanoBRET™ を用いた細胞内キナーゼアッセイの原理 標的キナーゼに NanoLuc® luciferase を融合させたタンパク質を細胞に発現させ、BRET acceptor となる蛍光標識した膜透過性 tracer を添加する。Tracer が標的分子に結合する と BRET が起こり、acceptor が蛍光を発するが、化合物が tracer の結合を阻害すると蛍 光が起こらない。この化合物の結合 / 非結合を BRET で検出する。 BRET 13693MA A. B. C. Tracer Concentration Unlabeled Compound Concentration BRET BRET Nluc BRET Nluc Nluc Nluc NanoLuc® luciferase Fluorescent tracer Target protein Test compound 図 2. BTK に対する阻害剤の効果の検討 BTK-NanoLuc® Fusion Vector を HEK293 細 胞 に 強 制 発 現 さ せ、NanoBRET™ Tracer を 添 加、 Staurosporine, Ibrutinib, Dasatinib を添加して各化合物の BTK に対する結合の IC50 を算出した。 BRET Ratio(mBU) TEST Compound Concentration(nM) Staurousporine Ibrutinib Dasatinib 80 70 60 50 40 30 20 10 0 0.1 1 10 100 1000 10000 図 3. BTK 阻害剤の residence time の測定 BTK-NanoLuc® Fusion Vectorを HEK293 細胞に強制発現させた後、Ibrutinib, Dasatinib とイン キュベートし、未反応の化合物を wash out 後、NanoBRET™ Tracer を添加、反応を経時 的に測定した。Residence time については、非線形回帰にて算出する。 DMSO Dasatinib Ibrutinib BRET Ratio(mBU) Time(min) 80 100 60 40 20 0 0 20 40 60 80 100 120 9Promega  WA BAN 細胞ベース解析 ②: 新規 安定発現細胞作成 & 解析 TrueSTABLE Cell とは?: HAC & 新規 lox テクノロジーによる超効率的な安定発現細胞作成システム 概要 • かずさ DNA 研究所の HAC および新規 lox テクノロジーを利用した新しい安定発現細胞 TrueSTABLE Cell 作成 サービスを開始 • ゲノムを傷つけない人工染色体(HAC)技術でコピー数、発現量もコントロール可、新規組換え技術によるシステマチックな構築作業 • プロメガのルシフェラーゼ & タグ技術を導入でき、セルベース解析も受託可能 図 1. HAC への目的遺伝子の部位特異的組換え HAC 発現ベクター トランスフェクション GFP A B C 従来法 新導入法 従来のランダム インデグレーション ゲノムに傷 (どこに、何カ所入るかも不明) 複数種の安定発現株を 一度に作成可能 何度でも入れ替え可能 導入効率に優れる VloxP-SloxP サイト ※さらに 3 つの変異型 loxP サイトも利用可能(オプション) VloxP SloxP ・かずさ ORF リソース ・プロメガの発現 & 検出系 表 1. TrueSTABLE Cell と従来の安定発現細胞株との比較 特長 従来法(プラスミドベクターを使用する場合) 新導入法(TrueSTABLE Cell) 導入 導入先 ゲノム(ランダムに挿入される) HAC(HAC 上の定位置に挿入[挿入カセット]) 導入コピー数 (細胞あたり1種類の遺伝子について) コピー数の制御は困難(各クローンによりバラバラ) ※過剰発現で細胞毒性を持つタンパク質の場合、発現株が得られない可能性もある。 1 コピー 導入可能サイズ 10 Kb 程度 数 100 kb 程度(移動元に依存:プラスミド・BAC クローン) 作業効率 形質転換効率が低い(薬剤選択、大量のスクリーニングが必要) 新規 loxP によりシステマチック(複数種の安定発現株作成も容易) 発現量 コピー数・挿入部位に依存 一定(プロモーターに依存) 発現の安定性 低い(低下する場合あり) ※ クロマチン構造変化による発現抑制を受ける場合がある 安定(プロモーターの性質を維持) ※ HAC が宿主染色体と同程度に細胞中で安定である。 樹立に要する時間 3 ~ 4 ヶ月程度 1.5 ヶ月程度 イントロダクション これまで一般的に作成されていた安定性発現細胞は、用時トランスフェ クションの問題点を解決するものの、宿主ゲノム DNA に傷をつけ、また 取り込まれる宿主 DNA の部位、個数が多種多様で、さまざまなクローン が作られ、同じものを作ることは困難です。かずさゲノムテクノロジー ズでは、HAC にかずさ DNA 研究所の新規部位特異的組換え酵素システ ム(VloxP-SloxP テクノロジー)およびプロメガの HiBiT 技術を応用して、 これらの問題を解決しました。 背景 安定発現細胞 遺伝子組換え安定発現細胞はタンパク質の大量生産、長期的なタンパ ク質の機能解析、薬理学的研究、遺伝子治療の道具として、生命科学 研究において非常に高い需要があります。従来の安定発現細胞株の作 製には①目的遺伝子のトランスフェクション、②薬剤選別、③クローニン グ、④増殖、⑤発現解析といったステップを要し、多大な時間と労力を 要します。また従来法の問題点として、宿主のゲノム DNA を傷つけるこ とによるアーティファクトが懸念されます。また、導入コピー数の厳密 な制御は不可能であり、さらに長期培養により発現量が減少するなど、 発現量のコントロールは困難を極めます。そのため同一クローンを用い た解析でも培養を重ねることで再現性が低下する場合や、クローン間 の表現型の比較(例えば目的遺伝子の野生型と変異型)が単に発現量 の差を反映した結果であることなどが懸念されます。 HAC について HAC とは人工的に作られた 47 本目のヒト染色体です。細胞に導入する と、細胞分裂時に宿主細胞の染色体と同様に複製、分配され、長期に 渡り安定に保持されます。宿主細胞の染色体とは独立に存在し、宿主 細胞のゲノム DNA を傷つけることはありません(図 1、表 1)。 KGT のご紹介 株式会社かずさゲノムテクノロジー ズ(Kazusa Genome Technologies: KGT)は、2015 年に公益財団法人 かずさ DNA 研究所(KDRI)からス ピンオフして設立された会社です。 KDRI の所有する遺伝子資源に Promega Corporation の先端テクノ ロジーを融合した各種クローンを はじめ関連技術受託サービス提供 などをコアビジネスとして、様々 な連携機関との多方面への事業展 開を行い、お客様の広いニーズに マッチしたサービス提供を行って います。 株式会社かずさゲノム テクノロジーズ(KGT) 10 Cell Based Analysis 新規安定発現細胞 TrueSTABLE Cell 作成システムの利点 弊社がご提供する HAC を用いた TrueSTABLE Cell では従来の安定発現 細胞と比較して、以下の利点があります。かずさ DNA 研究所が開発し た部位特異的相同組換え手法を用いることで、① 1 細胞当たり 1 コピー の遺伝子を決まった位置に挿入することが可能、②宿主のゲノム DNA を傷つけない、③ HAC 上の決まった位置に挿入され、細胞内で一定量 保持されるため同じプロモーターを用いた場合発現量を一定に調節可 能、④サイレンシング等の影響を受けず、長期に安定した発現が可能、 ⑤単一 HAC 内の複数の異なる部位特異的組換え領域を用いることで異 なるプロモーター調節下での複数の遺伝子の安定発現細胞株の樹立も 可能になります。以上の特徴により、長期に渡る表現型解析やクローン 間の比較を常に一定の発現量の下で行うことが可能になります。また、 HAC では挿入可能な DNA の長さに制限がないため、転写調節領域等の 非翻訳領域を含めた配列やポリシストロニックな配列も挿入可能といっ た利点があります。加えて、薬剤選別も不要であり、薬剤耐性株単離 に要する時間や選別によるバイアスを回避できます。 迅速な構築 従来の安定発現細胞株作製では細胞を十分量増やしたのち qRT-PCR や western blotting 等による発現解析が行われています。弊社では発現解 析にプロメガ株式会社が開発した高感度の検出系を用いることで、発 現解析のための細胞増殖に要する時間を大幅に短縮することが可能に なりました。さらに、弊社のシステムでは複数の遺伝子を同時に細胞に トランスフェクションした場合、1 細胞当たり 1 種の遺伝子のみ挿入さ れるため、目的遺伝子が多種にわたる場合でも同時に作製が可能であり 迅速に構築できます。 目的遺伝子の作製から発現解析までサポート 目的遺伝子を持つプラスミドベクターの構築に関して、かずさ DNA 研 究所が持つ豊富な遺伝子資源をもとに、プロメガ株式会社が開発した フレキシクローニング技術を用いて迅速な構築が可能です。また、各 種タグ、シグナル配列の融合などにも対応しております。さらに、安定 発現細胞作製後の発現解析、タグに応じた解析も提供可能です。 まとめ 新規安定発現細胞 TrueSTABLE Cell 作成システムではゲノムに傷を入れ ることなく目的遺伝子を特定の場所へ正確に導入した真の安定発現株 を迅速に提供することができます。また、かずさ DNA 研究所が持つ豊 富な遺伝子資源と、プロメガ株式会社が開発したフレキシクローニング システム、検出用タグ及びこれを用いた解析を組み合わせたサービスを 提供しております。 価格とお問い合わせ先 受託サービス名 細胞 参考価格(¥) アカデミア 企業 TrueSTABLE Cell 作成サービス (Target Insertion) (A)HEK293 600,000 ~ 1,000,000 ~ (B)お客様ご提供の細胞(汎用培養細胞の場合) 1,400,000 ~ 1,800,000 ~ 安定発現細胞作成サービス (Random integration:従来の安定発現株作成法による) (C)HEK293 800,000 ~ 1,200,000 ~ (D)お客様ご提供の細胞(汎用培養細胞の場合) お問い合わせ お問い合わせ HEK 293 を用いた TrueSTABLE Cell 作成サービスに含まれる受託内容例(A:① + ② + 納品物 ③) ① 目的遺遺伝子の HEK293(HAC を含む)への導入 ※目的遺伝子(ORF)は材料としてご提供ください(Flexi ORF Clone より別途購入も可能)。 ② HEK293(HAC を含む)での目的遺伝子発現の確認 ※ HiBiT、NanoLuc®、HaloTag® などプロメガの検出タグによる発現確認の場合は作業、試薬代は料金に含まれる。 [注意]上記以外のタンパク質検出法による発現確認については別途お見積りいたします。 ③ 納品物は目的遺伝子を導入した HEK293 最低 3 クローン(各 106 個細胞)、発現確認データ その他(B)(C)(D)については別途お見積りいたします。 ・納期:2 か月~(TrueSTABLE Cell HEK293 の場合)、3.5 か月~(お客様ご提供の細胞または Random integration の場合[B、C、D]) クローン:プロメガの HiBiT、NanoLuc®、HaloTag® などの検出、精製タグを付加した ORF クローン(Flexi ORF Clone)やこれらのタグを利用した タンパク質相互作用解析用クローンセット(8 クローン)などの販売、サブクローニング受託サービスなども承ります。 セルベース解析:プロメガの HiBiT、NanoLuc®、HaloTag® などのレポーターを定量するアッセイも承ります。 ※納品された細胞に対する遺伝子改変はライセンス上不可 ※本サービスで利用する HAC はクロモリサーチ社で開発されたものです。 本サービスの詳細、お問合せ、見積依頼は以下をご覧ください。 www.promega.co.jp/truestablecell/ 図 2. HEK293 細胞に導入した HAC HAC 11Promega  WA BAN セルベース解析 ③:ヒト細胞認証試験 図 3. 従来の安定発現細胞株と QuEstHAC™Cell の比較 細胞実験のマスト(must)になったヒト細胞認証試験による細胞管理 概要 • 今や論文投稿時にヒト培養細胞株認証データの提出が当たり前の時代に • 受託サービスで医薬基盤・健康・栄養研究所による信頼性の高い分析報告書を Get • 再生医療、細胞治療などで使用する患者由来細胞の確認試験もお問合せください 細胞認証試験とは ? 研究社会に広く使用されている細胞の中には、誤認された細胞がその まま使われていることがあります。誤認細胞とは本来存在しない細胞 であり、新規細胞株樹立の過程などで細胞の取り違え(置き換わり) などが起こり、別の細胞となってしまった細胞株のことです。我々のバン クや理研細胞バンクに寄託される細胞にも一定頻度(約 7.6%)1) で 確認されています。これら誤認細胞は世界の細胞バンクが協力してリス ト化されており、その数は 500 種を超えています 2) 。そのため世界的 に問題となっています。 細胞認証試験はこの細胞の取り違え(置き換わり)などが無いことを証 明する試 験のことであり、その検 証 方法として STR(Short Tandem Repeat)解析が広く用いられています。STR は 2 ~ 7 塩基の短い DNA の繰り返し配列で構成され、多型性に富むことから犯罪捜査などの個 人識別の分野で有用なマーカーとして使用されています(図 1)。これを 細胞株に応用しデータ登録・データベース化することで、細胞株のドナー となった個人個人つまりは細胞株 1 つ 1 つを見分けることが可能に なります(図 2)。 医薬基盤・健康・栄養研究所で 細胞バンクを運営する中で苦労してい るのが細胞の品質管理であり、特にマイコプラズマ、ウイルスなどの感 染と細胞誤認(クロスコンタミネーション)の検査に多くの時間をかけ ています。実際に 2002-2016 年の間に寄託された 853 細胞株において、 138 株(16.2%)にマイコプラズマが検出されるという現状があります。 まだまだ多くの研究者がこれらの問題に無関心で、微生物に汚染され た細胞を使い続けていると考えられます。だからこそ、JCRB 細胞バン クでは世界最高品質の細胞を提供し、安心して研究に使用することが できる細胞の提供を実践しています。 細胞バンクに登録されている実験用の細胞株だけでなく再生医療、 細胞治療などで使用する患者由来細胞の確認試験などについても お問合せください。 医薬基盤・健康・栄養研究所 培養資源研究室のご紹介 医薬基盤・健康・栄養研究所培養資源研 究室は厚生労働省の細胞バンク事業とし て JCRB 細胞 バンクを運営しています。 JCRB 細胞バンクは 1984 年に設立された 国内最大規模の細胞バンクであり、現在 国内外の研究者に年間 4600 本を超える 細胞を分譲して、研究サポートをしていま す。最大規模と言っても総勢17名のスタッ フで運営しているバンクであり、コンパク トな実施体制で、毎日楽しく細胞をガン ガン増殖させています。また、普段のバン ク事業で培った技術・ノウハウを活かして、 研究者の細胞の細胞認証試験をサポート しています。データベースとの照合により 認証結果を認証書として提供しますので、 論文投稿の際には有用だと思われます。 是非ご活用ください。 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養 研究所 培養資源研究室 小原 有弘先生 図 2. HAC への目的遺伝子の部位特異的組換え 参考文献 1)実験医学 Vol.26,561-567(2008) 2)誤認細胞リスト http://iclac.org/wp-content/uploads/Cross-Contaminations-v8_0.pdf Tips:培養細胞データベース ExPASy なら STR からオミックスまで情報豊富 スイスの研究機関が取りまとめている培養細胞の世界的登録データベース ExPASy:Cellosaurus(https://web.expasy.org/cellosaurus/)には 2018 年 5 月現在で 107576 細胞株のデータが集積されており、ゲノム・プロテオーム解析情報などを 含む統合的なデータベースが構築されています(JCRB 細胞バンクの細胞情報を含 む)。その中には細胞認証に必要な STR 解析情報の提供も行なわれています。自 分が使用しようとする細胞の情報を収集するためには非常に便利なデータベース ですので、是非とも研究にご活用ください。 本サービスの詳細、お問合せ、見積依頼は以下をご覧ください。 www.promega.co.jp/hca/ 細胞認証の例 自分が使用した細胞 A の STR データ = データベースに登録されている細胞 A の STR データ 自分が樹立した細胞 B の STR データ = 試料採取した人(ドナー)の STR データ 細胞誤認の例 自分が使用した細胞 C の STR データ = データベースに登録されている細胞 D の STR データ 図 2. 細胞認証の例 図 1. 細胞認証試験の概略 複数ローカスを データベース化 ゲノム中の 1 か所(1 ローカス) ヒトは 2 倍体だからゲノムが 2 セット 繰り返し 4 回 繰り返し 4 回 AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC 繰り返し 5 回 繰り返し 8 回 AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC 遺伝子型 遺伝子型で 判別可能 4,4 5,8 ローカス数 適合頻度 10 291 億分の 1 未満 16 100 京分の 1 未満 STR データベース 細胞 A 細胞 B 製品名 サイズ 価格(¥) ヒト細胞認証試験(STR-PCR)受託サービス 1 検体 45,000 ※プロメガクラブ会員(無償)なら1 検体でも10% OFF テクニカルサービス ● Tel. 03-3669-7980 / Fax. 03-3669-7982 ● E-Mail : prometec@jp.promega.com PK1810-03B 販売店 日本語 Web site:www.promega.jp プロメガ株式会社 本   社 〒103-0011 東京都中央区日本橋大伝馬町14-15 マツモトビル Tel. 03-3669-7981/Fax. 03-3669-7982 大阪事務所 〒532-0011 大阪市淀川区西中島6-8-8 花原第8ビル704号室 Tel. 06-6390-7051/Fax. 06-6390-7052 ※製品の仕様、価格については2018年10月現在のものであり予告なしに変更することがあります。 Cell Based Analysis