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タンパク質相互作用解析のスーパーモデルケース

あなたの実験イメージを具現化するプロメガの解析ツールと受託サービス タンパク質相互作用解析のスーパーモデルケース PRDM14 は様々な癌において過剰発現しており、乳癌細胞および膵癌細胞において PRDM14 発現の阻害により、癌の悪性形質を減じる ことが報告されている。薬物治療において PRDM14 の結合パートナーの同定、機能解析は重要である。ここでは、PRDM14 と相互作用す るタンパク質の同定および機能解析を行った。乳癌細胞において Halo-PRDM14 を発現、プルダウンおよび質量分析により 13 の相互作用タンパク 質の候補を得た。さらに Co-IP によって 2 つの候補 GRP78 および HSP90αが確認された。表面プラズモン共鳴法による分析は、これら 2 つのタン パク質が in vitro で PRDM14 と直接相互作用することを示し、また、NanoBRET® アッセイにより生細胞でも実際に相互作用していることを確認した。 さらに、PRDM14 発現の抑制と HSP90 阻害剤や GRP78 阻害薬との併用で、がん幹細胞性と関連のある CD24- CD44+ 細胞および Side Population (SP) 細胞の割合が阻害剤単独に比して有意に減少する。これらの結果は HSP90α , GRP78 による腫瘍形質維持に PRDM14 が深くかかわることを示す。 HaloTag® 蛍光イメージングやタンパク質精製など多様なアッセイが可能な多機能 タグです。プルダウンでは従来法で得られなかった新規相互作用タン パク質候補が見つかった実績があります。 NanoBRET® 非常に明るいルシフェラーゼ NanoLuc® と HaloTag® を利用した BRET で、 生細胞でのタンパク質相互作用を高感度かつ定量的に検出できる実験 方法です。 生細胞アッセイの重要性 蛋白質相互作用の各種パラメータは非細胞系アッセイで詳細に得ることが可能です。それと同時に蛋白質相互作 用が実際に生細胞内で生じることの実証が「蛋白質機能の同定」、「創薬開発」においては前提です。プロメガの NanoBRET® 法は初心者でも比較的簡便な手法であり、また、発光を用いるため非常に鋭敏なシグナルが得られ るので、蛋白質相互作用の生細胞アッセイには適しています。 今後の展望 NanoBRET® 法は、従前の細胞死を指標とした系ではなく、「生細胞」での蛋白質相互作用を指標とした無・低毒 性の新規薬剤のスクリーニングの基盤となる可能性を秘めております。今後、NanoBRET® 法による評価系の最適 化やハイスループット化を前提に、低分子化合物ライブラリーとの組み合わせを検討しています。この系を実現 するための、製薬企業、大学のスクリーニング部門等のパートナーを募集しています。 論文著者インタビュー タンパク質相互作用(Protein-Protein interaction, PPI)解析は、個々のタン パク質機能だけでなく細胞内タンパク質ネットワーク、さらには細胞内 プロセスを解明する上で重要な研究手法です。共免疫沈降(Co-IP: Coimmunoprecipitation)法、プルダウンアッセイ法、ファーウェスタンブロッ ティング法、表面プラズモン共鳴法など様々なタンパク質相互作用解析 法が開発され、研究内容に合わせて最も説得力があり効率的な方法が 選択されてきました。今回ご紹介する事例では従来の方法に加え、タン パク質タグである HaloTag® を用いたプルダウンや新技術 NanoBRET® を 取り入れた結果、新規な相互作用タンパク質候補の取得ならびにこれま で困難だった生細胞内における相互作用の定量的解析が可能となり、in vitro から生細胞での PPI 検出~機能解析まで多角的な検討に成功して います。 HaloTag®、NanoBRET® は ORF クローンや実験受託サービスもあり、煩 雑な部分をスキップできます。タンパク質相互作用の解析ツールのひと つとして是非ご活用ください。 ご協力:東京大学医科学研究所 抗体・ワクチンセンター 谷口 博昭 先生 事例 研究 今回の参考文献 • PRDM14 directly interacts with heat shock proteins HSP90α and glucose-regulated protein 78. Moriya, et al., Cancer Science. 2018;109:373–383. 技術解説 論文 概要 東京大学 医科学研究所 抗体・ワクチンセンター 谷口 博昭 先生 関連製品 製品名 サイズ カタログ番号 価格(¥) HaloTag® Mammalian Pull-Down System 10 ml N3030 26,000 NanoBRET™ PPI MCS Starter System 1 セット N1811 180,000 NanoBRET™ PPI Flexi® Starter System 1 セット N1821 150,000 結合実験 機能解析 パートナー探索 パートナー同定 結合確認(in vitro) 結合確認(細胞内) Cell lysate Cell Free Live Cell HT POI Y Y HaloTag® プルダウン ベクター & サブクローニング 受託 共免疫沈降 MS 解析 FACS O Protein A Protein B BRET NanoBRET 表面プラズモン ™ 共鳴法 HaloTag ORF クローンや NanoLuc® ベクターへのサブクローニング受託 については www.promega.co.jp/e-Service/ をご覧ください。 7Promega KAWARABAN