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テックの一言コラム_2016年1月号 これから 3 次元培養を始める方へ

この原因として、サンプルの内部まで試薬が十分に浸透しない点 と、MTT・MTS 法ではバックグラウンドレベルが高い点にあります。 プロメガではこれらの問題点を改善し、独自の発光技術を 3 次 元培養サンプル用に最適化することに成功しました。CellTiterGlo 3D は 3 次元培養サンプルを十分に溶解することができます。 図 2 右では DNA 結合蛍光色素を内部にまで浸透させることで 試薬の細胞溶解性を示しました。 また、これまで 3 次元培養サンプルの解析を行う際には細胞の 固定あるいは溶解が必要なため、経時的なアッセイは難しい背 景がありました。この点もプロメガでは新規ルシフェラーゼの 発光技術を用いた RealTime-Glo により、対応できています。 RealTime-Glo は膜透過性の前駆基質が生細胞内で還元され発光 基質となることで測定を行う非溶解性の測定技術です。図 3 で は Magnetic 3D Bioprinting kit にて形成したスフェロイドサンプル に対して、RealTime-Glo を加え、3 次元培養下での経時的な細 胞増殖が評価可能であることを示しました。 がん創薬の領域 では、酵素を基 盤 と し た in vitro の研究から、細 胞株を使った薬 剤スクリーニング へと移り、患 者 組織由来の細胞 を 用 い た PDX (Patient-DerivedXenograft)モ デル で評価する時代に移りつつあります。これからの創薬では、2 次 元・3 次元・PDX モデルを組み合わせて最適な医薬品を開発す るという流れになっていくのではないでしょうか。プロメガの発 光技術が、2 次元培養サンプルだけでなく、皆様の 3 次元培養 サンプルの評価・検討の手助けとなればと思います。 最後に、プロメガでは 3 次元培養下における種々の細胞マーカー について測定を実施しており、下記のリンク先にて公開しています。 これから 3 次元培養を始める方へ[Vol. 8] 2016 年1月号 皆さんは日々の実験において、生存細胞数をどういった方法で 測定していますか ? 今回は細胞の持つ ATP から生存細胞の測定する技術と、昨今、 注目が高まっている 3 次元培養サンプルへの応用について紹介 します。 ① ATP の測定技術: すべての生物の細胞は生き続けている限り、エネルギーとなる ATP を合成し続けています。プロメガでは ATP を指標とすること で生細胞数を計測する技術があります。この技術にも ATP を必 要とするホタルルシフェラーゼの発光反応が深く関わっています。 細胞の還元能に基づいた MTT・MTS 法を用いた吸光法での細胞 数測定でも良いかもしれません。ですが、発光法は非常にバック グラウンドが低いという特長があり、わずか数十個からの細胞数 でも測定できるという強みがあります。(図 1) 発光法は下記のメリットもあります。 ● 検出感度や評価化合物の自家蛍光の問題から、わざわざ検出 系を組み替えなくても良い! ● 初代培養細胞や患者由来の細胞などの貴重なサンプルにおい ても、少ない細胞数で生細胞数の測定が十分できる! ● アッセイ時間が短く(プロメガの発光法:約 15 分、MTS:2 時間) 結果がすぐに得られる! ● 検出試薬の毒性がない! など。 ② 2 次元培養から 3 次元培養への応用へ: 多くの研究室において、いわゆる 2 次元培養がまだまだ主流で す。しかし、2次元培養の環境は生体内とは多くの点で違っており、 細胞本来の性質を十分反映していないと言われています。2 次 元培養と生体内の差を埋めるアッセイ系として 3 次元培養法に 注目が高まっており、様々な 3 次元培養の技術が開発されてい ます。 3 次元培養サンプルでは細胞表面マーカーの染色など定性的な 解析が可能ですが、定量的な解析方法については従来法では問 題があります。MTT・MTS 法は 3 次元培養サンプルにおいて十分 なシグナルが得られないといった問題があるのです(図 2 左)。 テクニカルの ひ こ と と コラム 0 Cell# 発 光 法:RLU(x103) MTS:450nm Abs 120 100 80 60 40 20 0 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 100 200 300 400 500 プロメガの発光法 MTS(吸光法) 図 1 1 10 100 1,000 10,000 CellTiter-Glo® 3D 30 min MTS 3 hr MTT 8 hr Signal-to-Background Ratio 図 2 12194TA Celltiter-Glo 3D 12194TA Competitor A 従来の試験法では、 高い感度が得られず、 測定に時間がかかる! 1,000 Viability (log[% of Initial]) 0 24 48 72 Time (hours) 100 2,000 Cells 200 Cells 50 Cells 図 3 高次元細胞実験プロジェクト 検 索 テクニカルサービス Tel. 03-3669-7980/Fax. 03-3669-7982 E-Mail : prometec@jp.promega.com プロメガ株式会社 本 社 〒103-0011 東京都中央区日本橋大伝馬町14-15 マツモトビル Tel. 03-3669-7981/Fax. 03-3669-7982