細胞実験のマスト(must)になったヒト細胞認証試験による細胞管理
セルベース解析 ③:ヒト細胞認証試験 図 3. 従来の安定発現細胞株と QuEstHAC™Cell の比較 細胞実験のマスト(must)になったヒト細胞認証試験による細胞管理 概要 • 今や論文投稿時にヒト培養細胞株認証データの提出が当たり前の時代に • 受託サービスで医薬基盤・健康・栄養研究所による信頼性の高い分析報告書を Get • 再生医療、細胞治療などで使用する患者由来細胞の確認試験もお問合せください 細胞認証試験とは ? 研究社会に広く使用されている細胞の中には、誤認された細胞がその まま使われていることがあります。誤認細胞とは本来存在しない細胞 であり、新規細胞株樹立の過程などで細胞の取り違え(置き換わり) などが起こり、別の細胞となってしまった細胞株のことです。我々のバン クや理研細胞バンクに寄託される細胞にも一定頻度(約 7.6%)1) で 確認されています。これら誤認細胞は世界の細胞バンクが協力してリス ト化されており、その数は 500 種を超えています 2) 。そのため世界的 に問題となっています。 細胞認証試験はこの細胞の取り違え(置き換わり)などが無いことを証 明する試 験のことであり、その検 証 方法として STR(Short Tandem Repeat)解析が広く用いられています。STR は 2 ~ 7 塩基の短い DNA の繰り返し配列で構成され、多型性に富むことから犯罪捜査などの個 人識別の分野で有用なマーカーとして使用されています(図 1)。これを 細胞株に応用しデータ登録・データベース化することで、細胞株のドナー となった個人個人つまりは細胞株 1 つ 1 つを見分けることが可能に なります(図 2)。 医薬基盤・健康・栄養研究所で 細胞バンクを運営する中で苦労してい るのが細胞の品質管理であり、特にマイコプラズマ、ウイルスなどの感 染と細胞誤認(クロスコンタミネーション)の検査に多くの時間をかけ ています。実際に 2002-2016 年の間に寄託された 853 細胞株において、 138 株(16.2%)にマイコプラズマが検出されるという現状があります。 まだまだ多くの研究者がこれらの問題に無関心で、微生物に汚染され た細胞を使い続けていると考えられます。だからこそ、JCRB 細胞バン クでは世界最高品質の細胞を提供し、安心して研究に使用することが できる細胞の提供を実践しています。 細胞バンクに登録されている実験用の細胞株だけでなく再生医療、 細胞治療などで使用する患者由来細胞の確認試験などについても お問合せください。 医薬基盤・健康・栄養研究所 培養資源研究室のご紹介 医薬基盤・健康・栄養研究所培養資源研 究室は厚生労働省の細胞バンク事業とし て JCRB 細胞 バンクを運営しています。 JCRB 細胞バンクは 1984 年に設立された 国内最大規模の細胞バンクであり、現在 国内外の研究者に年間 4600 本を超える 細胞を分譲して、研究サポートをしていま す。最大規模と言っても総勢17名のスタッ フで運営しているバンクであり、コンパク トな実施体制で、毎日楽しく細胞をガン ガン増殖させています。また、普段のバン ク事業で培った技術・ノウハウを活かして、 研究者の細胞の細胞認証試験をサポート しています。データベースとの照合により 認証結果を認証書として提供しますので、 論文投稿の際には有用だと思われます。 是非ご活用ください。 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養 研究所 培養資源研究室 小原 有弘先生 図 2. HAC への目的遺伝子の部位特異的組換え 参考文献 1)実験医学 Vol.26,561-567(2008) 2)誤認細胞リスト http://iclac.org/wp-content/uploads/Cross-Contaminations-v8_0.pdf Tips:培養細胞データベース ExPASy なら STR からオミックスまで情報豊富 スイスの研究機関が取りまとめている培養細胞の世界的登録データベース ExPASy:Cellosaurus(https://web.expasy.org/cellosaurus/)には 2018 年 5 月現在で 107576 細胞株のデータが集積されており、ゲノム・プロテオーム解析情報などを 含む統合的なデータベースが構築されています(JCRB 細胞バンクの細胞情報を含 む)。その中には細胞認証に必要な STR 解析情報の提供も行なわれています。自 分が使用しようとする細胞の情報を収集するためには非常に便利なデータベース ですので、是非とも研究にご活用ください。 本サービスの詳細、お問合せ、見積依頼は以下をご覧ください。 www.promega.co.jp/hca/ 細胞認証の例 自分が使用した細胞 A の STR データ = データベースに登録されている細胞 A の STR データ 自分が樹立した細胞 B の STR データ = 試料採取した人(ドナー)の STR データ 細胞誤認の例 自分が使用した細胞 C の STR データ = データベースに登録されている細胞 D の STR データ 図 2. 細胞認証の例 図 1. 細胞認証試験の概略 複数ローカスを データベース化 ゲノム中の 1 か所(1 ローカス) ヒトは 2 倍体だからゲノムが 2 セット 繰り返し 4 回 繰り返し 4 回 AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC 繰り返し 5 回 繰り返し 8 回 AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC AGTC 遺伝子型 遺伝子型で 判別可能 4,4 5,8 ローカス数 適合頻度 10 291 億分の 1 未満 16 100 京分の 1 未満 STR データベース 細胞 A 細胞 B 製品名 サイズ 価格(¥) ヒト細胞認証試験(STR-PCR)受託サービス 1 検体 45,000 ※プロメガクラブ会員(無償)なら1 検体でも10% OFF テクニカルサービス ● Tel. 03-3669-7980 / Fax. 03-3669-7982 ● E-Mail : prometec@jp.promega.com PK1810-03B 販売店 日本語 Web site:www.promega.jp プロメガ株式会社 本 社 〒103-0011 東京都中央区日本橋大伝馬町14-15 マツモトビル Tel. 03-3669-7981/Fax. 03-3669-7982 大阪事務所 〒532-0011 大阪市淀川区西中島6-8-8 花原第8ビル704号室 Tel. 06-6390-7051/Fax. 06-6390-7052 ※製品の仕様、価格については2018年10月現在のものであり予告なしに変更することがあります。 Cell Based Analysis