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網羅的プロテオーム解析があるからオミックス解析だ !

オミックス解析②:次世代プロテオミクス解析そしてマルチオミックスへ 網羅的プロテオーム解析があるからオミックス解析だ ! イントロダクション DNA シーケンシングの黎明期だった 1970 年後半から1980 年代始めに 大学院で生命科学の研究をされていたシニア世代にとっては当時の 「シーケンシング」と言えば、タンパク質のアミノ酸配列決定だったとい う生命科学の歴史を思い出されることもあると思います。生体システム の機能を司る主役は、間違いなくタンパク質です。タンパク質の定性的・ 定量的な計測データから生体システムの機能的な「状態」を記載するこ とは王道中の王道です。しかし、これまで多くの方は圧倒的にトランス クリプトーム解析を生体システムの網羅的な記載に用いてきましたが、 転写はタンパク質翻訳への過程に過ぎず、タンパク質解析への回帰が 不可欠であることは明らかです。 次世代プロテオミクス解析 タンパク質に関する網羅的な解析が主役になりきれなかった原因は、 トランクリプトーム解析などと比較すると分析深度が低く、一般的な プロテオーム解析では約 3000 種類のタンパク質を同定・比較定量でき る程度にとどまっていたことです。これでは様々な分野で着目されるこ との多いキナーゼや転写因子などの微量タンパク質を観測するには不十 分であり、さらなる分析深度の拡大が期待され続けてきました(図1)。 かずさ DNA 研究所では次世代プロテオミクスと称されている分析深度、 定量性に優れた DIA プロテオミクス技術を取り入れ、さらに最新鋭の質 量分析計(Q-Exactive™ HF-X, Thermo Fisher Scienti c 社)で測定するこ とにより、最大 8000 種類のタンパク質を同定・比較定量(HEK293 細 胞を用いた系で行った場合。観測できるタンパク数はサンプルの種類に 依存)を行えるシステムを構築しています。私たちは同じ検体からこう した網羅的解析のための RNA とタンパク質を同時に調製できる系も確 立しており(論文投稿中)、更により微量タンパク質からの高感度検出 に向けての開発研究を実施しており、正当な「オミックス解析」と呼ぶ にふさわしい解析メニューを開発中です。当受託ではここで構築した最 先端のプロテオーム解析サービスを提供します。また、この技術をベー スにした高深度リン酸化プロテオーム解析なども対応しておりますので、 ご興味があればお問い合わせください。 かずさ DNA 研究所 臨床オミックス解析グループの ご紹介 プロテオーム解析技術の開発を主 な研究テーマとして取り組んでお り、開発した技術や培ってきたノ ウハウをもと様々な研究室と共同 研究を行い、それぞれのニーズに 対応しながら多種多様なサンプル のプロテオーム解析をしてまいり ました。プロテオミクスという言 葉ができてから 20 年以上経ちま すが、残念ながらだれもが簡単に プロテオーム解析が行えるわけではなく、同じ質量分析計を持っ ていても使い手によって観測できるタンパク質数が倍近く変わる ことも珍しくありません。高度なプロテオーム解析を実現させる ためには、サンプルの種類ごとに応じた適切な前処理、目的に 合わせた適切な質量分析計のセッティング、パフォーマンスを維 持するための質量分析計の適切な管理が必要不可欠です。本受 託解析ではこれまでの経験をもとに以上の点を押さえた高度な プロテオーム解析を提供できればと思ってます。 公益財団法人かずさ DNA 研究所 臨床オミックス解析 グループ 川島 祐介研究員 概要 • DIA プロテオミクス技術によるプロテオーム解析を開始(8,000 タンパク質の網羅的、比較可能な解析) • 真のプロテオーム解析とトランスクリプトーム解析(RNAseq)を組み合わせたリーズナブルなオミックス解析を提案 • フェノールグアニジン系の試薬に漬けたサンプルを送るだけでデータを取得 図 1. DIA プロテオーム解析による分析深度の飛躍的進歩 HEK293 細胞を用いて高深度 DIA プロテオーム解析で観測されたタンパク質のダイナミッ クレンジを示す。本解析ではHEK293 細胞から約 8400 種類のタンパク質が観測された(同 定の閾値:Protein FDR < 1%, Peptide FDR < 1%)。一般的なプロテオーム解析を想定して、 発現量の多い 3000 タンパク質からキナーゼならびに転写因子の数を調べるとキナーゼ が 108 種類、転写因子が 243 種類であった。それに対して観測された全タンパク質では キナーゼが 451 種類、転写因子が 1023 種類と格段に増加した。このことから、キナー ゼや転写因子を含めた微量タンパク質を対象とする場合に高深度 DIA プロテオーム解析 を行うことに大きなアドバンテージがある。 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 Log10 (normalized abundance) Abundance Rank 一般的な プロテオーム解析 (非標識相対定量解析の場合) 約3000タンパク質が分析対象 キナーゼ: 108 種類観測 転写因子 : 243種類観測 当受託の DIAプロテオーム解析 (非標識相対定量の場合) 最大約8000タンパク質が分析対象 キナーゼ : 451種類観測 転写因子 : 1023 種類観測 図 2. RNA-Seq とプロテオーム解析で観測された mRNA とタンパク質をコードする 遺伝子の重複 RNA-Seq と Q-Eactive HF-X 導入以前のデータ依存型分析法(DDA)によるプロテオーム解 析(左図)と RNA-Seq と本受託サービスの Q-Eactive HF-X を用いた高深度 DIA プロテオー ム解析(右図)との比較を示す。分析したサンプルは HEK293F 細胞を用い、RNA-Seq と プロテオーム解析のそれぞれの解析で用いたデータベースに共通して存在した遺伝子の みを対象とした。以前のプロテオーム解析では RNA-Seq で観測できる遺伝子数との差が 大きかったが、本受託サービスの高深度 DIA プロテオーム解析ではその点が大きく改善 され、マルチオミクス解析を行う上で対象となる分子が大幅に増加した。 従来法 (DDA プロテオーム解析) RNA-Seq 12144 genes (FPKM > 1) RNA-Seq 12144 genes (FPKM > 1) 従来の プロテオーム解析 3152 genes 高深度 DIA プロテオーム解析 8183 genes 本受託サービス (DIA プロテオーム解析) 9002 3142 10 4157 7987 196 6 Omics Analysis 価格とお問い合わせ先 A)プロテオーム解析(プロテインプロファイリング) かずさ DNA 研究所では、次世代プロテオミクスと称されている分析深度、定量性に 優れた DIA プロテオミクス技術を取り入れ、HEK293 細胞を用いた系では最大 8,000 種類 * のタンパク質を同定・比較定量を行えるシステムを構築しました。メニューに ない解析もご相談承ります。 * サンプル種によって観察できるタンパク質の数は異なります。 解析メニュー 納期 サンプル数* 参考価格(¥)/1 サンプル 個別解析 マルチオミックス DIA プロテオーム解析によるタンパク質発現・相対定量解析 発現タンパク質の同定ならびに相対定量解析 方法:LC-MS/MS(DIA) 取得データ目安:4,000-6,000 タンパク質 必要サンプル量目安: タンパク質:40 µg 以上 目安 : 細胞 5 × 105 以上、組織 10 mg 以上、血清 / 血漿 1 µL 以上、尿 200 µL 以上 4 週間 1 ~ 5 8 248,000 ~ 20 224,000 ~ 6 以上 9 217,000 ~ 21 196,000 ~ 高深度 DIA プロテオーム解析によるタンパク質発現・相対定量解析 Gas phase fraction 法により作製した大規模なプロテイン・ペプチドライブラリーを元にした、 発現タンパク質の同定ならびに相対定量解析 方法:GPF+LC-MS/MS(ライブラリ作製用)、LC-MS/MS(DIA) 取得データ目安:5,000-8,000 タンパク質 必要サンプル量目安: タンパク質:40 µg 以上 目安:細胞 5 × 105 以上、組織 10 mg 以上、血清 / 血漿 1 µL 以上、尿 200 µL 以上 4 週間 1 ~ 2 10 527,000 ~ 22 476,000 ~ 3 ~ 5 11 372,000 ~ 23 336,000 ~ 6 以上 12 326,000 ~ 24 294,000 ~ DIA リン酸化プロテオーム解析によるタンパク質発現・相対定量解析 タンパク質消化物からリン酸化されたペプチドを濃縮し、同定ならびに相対定量解析 方法:LC-MS/MS(DIA) 取得データ目安:4,000-8,000 リン酸化ペプチド 必要サンプル量目安: タンパク質:0.5 mg 以上、目安 : 細胞 5 × 106 以上、組織 50 mg 以上 4 週間 1 ~ 5 13 326,000 ~ 25 294,000 ~ 6 以上 14 295,000 ~ 26 266,000 ~ 高深度 DIA リン酸化プロテオーム解析による比較定量解析 リン酸化ペプチドを濃縮後、Gas phase fraction 法により大規模なリン酸化ペプチド ライブラリーを作製。そのライブラリーをもとにリン酸化ペプチド同定ならびに相対定量解析 方法:GPF+LC-MS/MS( ライブラリ作製用)、LC-MS/MS(DIA) 取得データ目安:8,000-15,000 リン酸化ペプチド 必要サンプル量目安: タンパク質:0.5 mg 以上、目安 : 細胞 5 × 106 以上、組織 50 mg 以上 4 週間 1 ~ 2 15 605,000 ~ 27 546,000 ~ 3 ~ 5 16 450,000 ~ 28 406,000 ~ 6 以上 17 403,000 ~ 29 364,000 ~ オプション 血清 / 血漿高存在量タンパク質 14 種類除去 必要サンプル量目安:血清 / 血漿 10 µL 以上 納期に影響せず 1 18 31,000 ~ 30 28,000 ~ クリーナップ処理(サンプルが抽出液で溶解されている場合は強く推奨) 納期に影響せず 1 19 16,000 ~ 31 14,000 ~ ※表示価格は 6 サンプル以上ご注文の場合の 1 サンプルあたりの料金です(1 サンプルからでも解析可能)。 ※マルチオミックスセットは B)トランスクリプトーム解析とのセット料金です(納期は A + B でも 4 週間)。 B)トランスクリプトーム解析(RNA プロファイリング) 解析メニュー 納期 サンプル数 参考価格(¥)/1 サンプル 個別解析 マルチオミックス 3'RNA-Seq mRNA の 3' 末端配列決定 方法:HiSeq(50 bp Single-Read)または NextSeq(75 bp Single-Read) 必要サンプル量目安: total RNA:2 µg 程度 目安:細胞 約 2 × 105 個以上、組織(マウス肝臓)約 1 mg 以上 4 週間 1 1 64,000 ~ 2 2 57,000 ~ 3 3 54,000 ~ 4 4 53,000 ~ 5 ~ 7 5 52,000 ~ 8 6 51,000 ~ 9 以上 7 49,000 ~ ※ライブラリー調製には発現プロファイリングに特化し経済的なシステムである Lexogen 社の QuantSeq を使用 ※表示価格は 6 サンプルご注文の場合の 1 サンプルあたりの料金です(1 サンプルからでも解析可能)。 ※マルチオミックスセットは A)プロテオーム解析とのセット料金です(納期は A+B でも 4 週間)。 サンプルの前処理 解析メニュー 納期 サンプル数 参考価格(¥)/1 サンプル 個別解析 マルチオミックス タンパク質画分と RNA 画分の分離、精製、QC 1 週間以内 1 32 ¥30,000 *サンプル数のボリュームディスカウントは、サンプルが同じ実験系のものである場合に適用になります。異なる実験系のサンプルを組み合わせた場合は適用となりませんので ご了承ください。 本サービスの詳細、お問合せ、見積依頼は以下をご覧ください。 www.promega.co.jp/multiomics/ 7Promega  WA BAN