質量分析のための試薬ガイド
質量分析のための試薬ガイド 高速トリプシン消化キット、低pH トリプシン消化キット プロテアーゼと消化促進剤 -Trypsin Platinum、Trypsin / Lys-C Mix -ProAlanase、IdeS ・IdeZ Protease -ProteaseMAX™ Surfactante タンパク質抽出液(質量分析適合) ペプチドリファレンスミックス グリコシダーゼ Rapid Trypsin Rapid Digestion Kit–Trypsin 100 μg (100 回反応分) VA1060 Rapid Trypsin/Lys-C Mix Rapid Digestion Kit–Trypsin/Lys-C 100 μg (100 回反応分) VA1061 AccuMAP™ Low pH Protein Digestion Mini Kit 10 回反応分* VA1040 AccuMAP™ Low pH Protein Digestion Maxi Kit 100 回反応分** VA1050 Rapid Digestion Trypsin, Rapid Digestion Trypsin/Lys-C 高速トリプシン消化キット、低pH トリプシン消化キット 2 プロテアーゼと消化促進剤 3 Trypsin Platinum、Trypsin / Lys-C Mix 4 ProAlanase、IdeS ・IdeZ Protease 5 ProteaseMAX™ Surfactante 6 タンパク質抽出液(質量分析適合) 7 ペプチドリファレンスミックス 7 グリコシダーゼ 8 NEW プロメガ株式会社 Rapid Trypsin Rapid Trypsin/Lys-C Mix 製品名容量カタログ番号 Rapid Digestion Kit–Trypsin 100 μg (100 回反応分) VA1060 Rapid Digestion Kit–Trypsin/Lys-C 100 μg (100 回反応分) VA1061 製品名容量カタログ番号 AccuMAP™ Low pH Protein Digestion Mini Kit 10 回反応分* VA1040 AccuMAP™ Low pH Protein Digestion Maxi Kit 100 回反応分** VA1050 2 Rapid Digestion Trypsin, Rapid Digestion Trypsin/Lys-C AccuMAP™ Low pH Protein Digestion Kit 酵素の修飾とバッファーの最適化により、一般的に4 ~ 18 時間のインキュベートを行っていたトリプシン消化(またはトリプシン/ Lys-C 消化) が60 分(処理温度70 度) に短縮できます。ほとんどのタンパク質では還元やアルキル化は必要なく、処理ステップを大幅に 省略できるため多検体分析のサンプル調製や短時間で分析結果を求める方の前処理に最適です(還元、アルキル化、変性状態でも 使用可能)。 一般的にペプチドマッピングのサンプル調製で用いるトリプシンやプロテアーゼはアルカリ性で効率の良いタンパク質消化が可能です。 しかしアルカリ性での処理は脱アミド化などの人為的な非酵素的翻訳後修飾を引き起こすことが知られており、解析を困難にします。本 製品はすべての処理ステップを低pH 条件下で行い、消化効率は維持しながら質量分析用サンプル調製で生じる人為的な翻訳後修飾 を抑制します。タンパク質の修飾状態を詳細に分析する抗体医薬品やタンパク製剤など、品質管理分析のサンプル調製に最適です。 Rapid Digestion Kit のワークフロー 特長 • トリプシン処理時間を劇的に短縮 • 変性剤が不要のためオフラインのサンプルクリーンアップも不要、サンプルロスの機会も減少 • 還元剤、アルキル化剤存在下で使用可能 • サンプルボリュームの制限がなく、自由に実験系の設計ができる • 酵素はビーズに固定されたタイプではなく溶液タイプであるため、振盪やビーズ除去は不要 • ヒートブロックの他に特別な機器を必要とせず、オートメーショ ン化に使用された論文実績あり(下記参考文献) タンパク質消化キット 高速トリプシン消化キット トリプシン処理中に起こる人為的翻訳後修飾を防ぐ 保存条件 開封前は-10 ~ -30℃にて保存 Resuspension Buffer で溶解した酵素は-70℃で1 ヶ月まで保 存可能 特長 • 低pH で消化するため、サンプル調製時に生じる脱アミド化、 ジスルフィド結合スクランブリング、酸化を抑制 • rLys-C は変性条件下でも活性があり、リジンサイトでの切断 効率を最大化 • シーケンスカバレッジは標準的な消化条件と同等 • トリプシン消化条件を最適化することで、過消化によるベース ラインノイズを最小化 • 還元条件下でも非還元条件下でも、グアニジン塩酸塩や尿 素など変性剤存在下でも使用可能 *500 μg のタンパク質を消化するのに十分な試薬が含まれます。 **5 mg のタンパク質を消化するのに十分な試薬が含まれます。 AccuMAP™ Low pH Protein Digestion Kit のサンプル調製概要 NEW 3 製品名切断部位特長容量カタログ番号 トリプシン Trypsin Platinum, Mass Spectrometry Grade Lys-C、Arg-C 特異性と自己消化耐性が極めて高い。リコンビナントであり、動物由来タンパク質の混入がない。100 μg VA9000 Trypsin/Lys-C Mix, Mass Spec Grade トリプシンとLys-C の両方の作用で切れ残りを低減し、サンプル間の再現性が向上。 20 μg V5071 100 μg V5072 5 x 20 μg V5073 Trypsin Gold, Mass Spectrometry Grade 質量分析グレード。特異性が向上し(TPCK 処理)、自己消化を予防(リ ジンの還元メチル化)。100 μg V5280 Sequencing Grade Modified Trypsin シークエンシンググレード。特異性が向上し(TPCK 処理)、自己消化を予防( リジンの還元メチル化)。V5111、V5117 は凍結乾燥粉末、 V5113 は凍結溶液(0.5 mg/ml : in 50 mM acetic acid) 5 x 20 μg V5111 5 x 20 μg V5113 100 μg V5117 Immobilized Trypsin 短時間で消化(30 分間)。トリプシンがレジンに固定化されているので分解産物のみを回収可能。 2 ml (10 回分) V9012 2 x 2 ml (20 回分) V9013 特異性の高いプロテアーゼ rLys-C, Mass Spec Grade Lys-C 8M urea のような変性条件に耐性があり、プロテアーゼに抵抗性のあるタンパク質の消化に使用。リコンビナントでネイティブタイプより安価。 15 μg V1671 Lys-C, Mass Spec Grade ネイティブタイプのLys-C 20 μg VA1170 Arg-C, Sequencing Grade Arg-C、Lys-C ヒストン修飾の解析などに。活性にはDTT、システインなどの還元剤 とCaCl2 が必要。10 μg V1881 Asp-N, Sequencing Grade Asp-N、Cys-N ネイティブタイプのAsp-N。urea (3.5M まで)、guanidine HCl (1M)、SDS(0.028% まで)、ProteaseMAX™ Surfactant (0.026% まで)、acetonitrile (60%まで)、EDTA (2mM まで)、DTT またはβ -mercaptoethanol 存在下で100% 活性残存。 2 μg V1621 rAsp-N, Mass Spec Grade Asp-N、Cys-N リコンビナントでネイティブタイプより安価。超純水で溶解後4℃で8 週間は保存可能。治療用モノクローナル抗体など精製タンパク質の ペプチドマッピングに好適。 10 μg VA1160 Glu-C, Sequencing Grade Glu-C、Asp-C シークエンスカバー率向上のためトリプシン以外の選択肢として使用 (In gel 消化には推奨しません)。5 x 10 μg V1651 ProAlanase, Mass Spec Grade Pro-C、Ala-C 至適p H 1.5 (1 ~ 5.5)、短い消化時間(1 ~ 2 時間)。酸性条件下での処理は人為的な非酵素的翻訳後修飾を防ぐ。 5 μg VA2161 15 μg VA2171 特異性の低いプロテアーゼ Chymotrypsin, Sequencing Grade 芳香族アミノ酸(Tyr、 Phe、Trp) のC 末端 膜タンパク質など疎水性タンパク質の消化などに。urea (1M まで) またはguanidine HCl (1M まで) 存在下で80% 活性残存、ProteaseMAX™ Surfactant (0.025% まで) では活性低下が見られない。 25 μg V1061 4 x 25 μg V1062 非特異的なプロテアーゼ Elastase Ala-C、Val-C、Ser-C、 Gly-C、Leu-C、Ile-C を優先的に切断 シークエンスカバー率向上のためトリプシン以外の選択肢として使用。5 mg V1891 Pepsin Phe-C、Leu-C, Tyr-C、 Trp-C を優先的に切断 タンパク質の構造研究(水素重水素交換質量分析など)、抗体の解析に。プロテアーゼに抵抗性のあるタンパク質の消化に使用。 250 mg V1959 抗体消化用プロテアーゼ IdeS IgG ヒンジ部直下 ヒト (IgG1, IgG2, IgG3, IgG4)、サル、ヒツジ、ウサギ、ヒト化抗体、キメラIgG 抗体、Fc 融合タンパク質を消化。30 分で消化完了、特異性・再現性が高く、原則100% 完全消化。除去を容易にするた めヒスチジンタグを含む。 5000 u V7511 5 x 5000 u V7515 IdeZ IdeS からさらにマウスIgG2a およびIgG3 サブクラスに対する活性 が飛躍的に向上。30 分で消化完了、特異性・再現性が高く、原則 100% 完全消化。除去を容易にするためヒスチジンタグを含む。 5000 u V8341 5 x 5000 u V8345 プロテアーゼ消化促進剤 ProteaseMAX™ Surfactant, Trypsin Enhancer ー タンパク質を可溶化し、分解効率およびゲル内消化後のペプチド回 収率が向上。1 時間で消化完了。 1 mg V2071 5 x 1 mg V2072 各種プロテアーゼ プロテアーゼと消化促進剤 NEW 自己消化耐性 消化効率 特異性 Missed K 2.6% 2.9% Missed R 4% 1.5% 11788MC Time (minutes) Time (minutes) 20 40 60 80 100 120 0 50 100 150 200 250 300 Peak Intensity (mAU) Peak Intensity (mAU) Specific tryptic cleavages Nonspecific, chymotryptic-like cleavages 20 40 60 80 100 120 0 50 100 150 200 250 300 Specific tryptic cleavages A. B. 17513MA 4 Trypsin Platinum, Mass Spectrometry Spec Grade カタログ番号VA9000 Trypsin Platinum は、マススペクトロメトリーやRP-HPLC-UV を用いた正確なタンパク質解析のために開発されたリコンビナントのトリプ シンです。検出可能なレベルの非特異的な消化活性は認められず、また新しい化学修飾法により最大限の自己消化耐性を有します。 タンパク消化効率が高く、リコンビナントであるため動物由来のタンパクを含みません。 特長 • 非特異的消化活性がほぼみられない • 極めて高い自己消化耐性 • 複数の精製工程を経た高純度品 • 優れた消化効率 • リコンビナントにより高まったロット間安定性 • 動物由来タンパク質のコンタミネーションなし Trypsin/Lys-C Mix, Mass Spec Grade カタログ番号V5071, V5072, V5073 Trypsin/Lys-C Mix はTrypsin Gold, Mass Spectrometry Grade とrLys-C, Mass Spec Grade の混合物であり、トリプシン単独で消化するよりも消化効率を向上させ、MS によるペプチド同定率を向上させます。 トリプシンはArg とLys のカルボキシル側、Lys-C はLys のカルボキシル側のエステル結合を加水分解する活性を持ちます。トリプシン単独では切断効率の低いN 末、Lys-Asp あるいはLys-Glu が切れ残りますが、Lys-C を組み合わせることで全体的な分解効率・再現性が向上します。標準的なプロトコールに加え、難分解性タンパク質の場合は6-8M 尿素存在下での変性と消化を行う2 ステップ法があります。 トリプシン単独とTrypsin/Lys-C Mix での切れ残り部位の比較 消化は標準的なプロトコールに従って実施した。 Trypsin Platinum の特異性 Trypsin Platinum とPanitumumab (Vectibix®, Amgen 社) を1:10 の比率で消化し、生じたペプチドをRP-HPLC-UV で分析した。 ペプチドのピークをLC-MS で解析し、特異的な切断を受けたペプチドと非特異的な切断を受けたペプチドを区別した結果、既製品ののMS グレードのトリプシンには顕著な非特異的タンパク質分解活性があることがわかった(パネルA)。詳細な分析により、キモトリプシン様の非特異的切断パターンが生じていることが示された。対照的にTrypsin Platinum は特異的なトリプシン切断断片のみを生成した(パネルB)。ペプチドマッピングに理想的!最も正確で再現性のある新トリプシンダブルの力で切れ残り激減 製品名特長 Trypsin Platinum 極めて高い特異性 最高の自己消化耐性と純度 Trypsin/Lys-C Mix 最も効率的な消化 プロテアーゼ阻害物質への高い耐性 Trypsin Gold, MS Grade より高い消化効率 高純度 Trypsin, Sequencing Grade バランスの良いパフォーマンス お手頃価格 Trypsin 選択ガイド 切断特異性と品質 0 20 40 60 Site of C-terminal Cleavage Cleavage Frequency (%) A C D E F G H I K L M N P Q R S T V W Y 17270MA 5 IdeS Protease, IdeZ Protease カタログ番号V7511, V7515, V8341, V8345 IdeS および IdeZ プロテアーゼはイムノグロブリン G (IgG) をヒンジ領域下部の1 か所を特異的に切断し、F(ab’)2 とFc 断片を生じます。 どちらもヒト IgG1、IgG2、IgG3 および IgG4、サル、 ヒツジ、ウサギ、ヒト化および キメラ IgG 、 Fc- 融合タンパク質も効率的に切断します。また、IdeZ プロテアーゼのみマウスの IgG2a および IgG3 を切断できます。 アプリケーションセミナー(US HUPO 2021 より) ProAlanase を用いた上記アプリケーションに関 するユーザー様の発表をご覧いただけます。 用途 • Fc 融合タンパク質や抗体薬物複合体(ADC) など、抗体医 薬の特性解析 • F(ab’)2、Fc 断片の生成 • 高い特異性を要する切断 特長 • 最適化なしでも30 分で消化完了 • 非常に特異性が高く、1 か所で切断 • His タグが付加されているため反応液中から除去が可能酸性条件下で消化を行うメリット • 中性や塩基性の条件下で生じる脱アミド化やジスルフィド結合のスクランブル化など、サンプル調製に起因するアーティファクトを抑制 • 強酸性pH (1.5 など) が変性剤として作用し、タンパク質のアンフォールディングを促進 • 重水素の逆交換が制限されるため、水素- 重水素交換(HDX)質量分析に使用可能 用途 • パレオプロテオミクス • ヒストンなどトリプシンでは消化に偏りが生じるサンプルの解析 • de-novo シーケンシング • リン酸化プロファイリングなどの翻訳後修飾解析 • ジスルフィド結合マッピング IdeS Protease とMagne™ Protein A Beads を用いたF(ab’)2 の調製 パネ ルA. IdeS Protease とMagne™ Protein A Beads (カタログ番号G8781) を用 いてF(ab’)2 断片を精製した。パネルB. レーン1 はIgG のみ、レーン2 はIdeS Protease による30 分間の消化で生じたF(ab’)2 とFc 断片、レーン3 はレーン2 の 消化産物にMagne™ Protein A Beads を加え30 分間インキュベートしたもの。Fc 断片は磁性体ビーズ上に残り、精製F(ab’)2 断片は上清に含まれる。Fc 断片は低 pH バッファーで溶出することも可能。 A. B. ProAlanase, Mass Spec Grade カタログ番号VA2161, VA2171 ProAlanase はプロリンやアラニン残基 C 末端側を優先的に切断するエンドプロテアーゼです。真菌 (Aspergillus niger) から分離・精 製され、An-PEP や EndoPro とも呼ばれています。ボトムアッププロテオミクスで使用されるプロテアーゼの多くが中性から弱アルカリ 性のpH でタンパク質を切断するのに対し、ProAlanase は酸性のpH (~ 1.0 – 5.5) で活性を示します。消化時間は1 ~ 2 時間です。 参考文献 Samodova, D. et al. (2020) ProAlanase is an effective alternative to trypsin for proteomics applications and disulfide bond mapping. Mol Cell Proteomics 19(12), 2139–56. ProAlanase のC 末端切断特異性 ヒトK562 抽出液を、酵素: 基質を1 : 100 の割合で用い、pH1.5 で37℃で2 時間、ProAlanase で消化した。ペプチドは Q-Exactive Plus を用いたLC-MS/MS で分析した。データは Byonic™ ソフトウェア を用い酵素を指定せずに検索した。主にプロリンとアラニンのC 末端側で切断され た。 最適化不要、30 分以内にIgG を切断 酸性条件でプロリン / アラニンのC 末端を切断 O N H SO3 Na − + O O OH O H3N SO3 + − Cleavable Bonds ProteaseMAX™ Surfactant (M.W. 425.51Da) Acid or temperature Hydrophobic Tail (M.W. 238.37 Da) Zwitterionic Head (M.W. 139.17 Da) + 8144TA Percent Intensity 100 90 70 80 60 50 40 30 20 10 0 2.2 × 104 699.0 1361.8 2024.6 2687.4 3350.2 4013.0 Mass (m/z) 9.1 × 103 Percent Intensity 100 90 70 80 60 50 40 30 20 10 0 699.0 1361.8 2024.6 2687.4 3350.2 4013.0 Mass (m/z) 8144TA Percent Intensity 100 90 70 80 60 50 40 30 20 10 0 2.2 × 104 699.0 1361.8 2024.6 2687.4 3350.2 4013.0 Mass (m/z) 9.1 × 103 Percent Intensity 100 90 70 80 60 50 40 30 20 10 0 699.0 1361.8 2024.6 2687.4 3350.2 4013.0 Mass (m/z) 6 ProteaseMAX™ Surfactant, Trypsin Enhancer カタログ番号V2071, V2072 ProteaseMAX™ Surfactant は膜タンパク質の様なタンパク質であっても可溶化し、トリプシン、Lys-C やキモトリプシンなどのプロテアー ゼによる分解効率を向上させます。また、タンパク質のゲル内消化では、消化時間の短縮とペプチドの回収率が改善されます。本試 薬は消化反応中に分解されるため除去処理は不要であり、分解物は質量分析や液体クロマトグラフィーに影響を与えません。 特長 • タンパク質を変性し、プロテアーゼによる消化時間を3 時間 にまで短縮 • ゲルからのペプチド回収率が増加し、タンパク質同定精度が 向上 • 室温で1 時間以内に疎水性タンパク質を可溶化 • Urea と同時に使用し可溶性をさらに高められる • 消化後に加熱や酸などによる不活性化処理が不要、そのまま 質量分析に使用可能 ゲルから 切り出し ProteaseMAX™ 存在下で トリプシン処理1 時間 トリプシン処理一晩 消化液(ペプチドが含まれる) を回収、TFA を添加しトリプシンを不活性化し質量分析へ TFA でペプチド抽出15 分 ACN/TFA でさらに15 分 抽出液を合わせ、 Speed Vac で乾燥1-2 時間 ペプチドをバッファーに 再溶解し質量分析へ ProteaseMAX™ Surfactant と従来法の作業フローの比較 参考文献 Pirmoradian M, et al. (2013) Rapid and deep human proteome analysis by single-dimension shotgun proteomics. Mol Cell Proteomics. 12, 11, 3330-3338. Saveliev SV, et al. (2013) Mass Spectrometry Compatible Surfactant for Optimized In-Gel Protein Digestion. Anal Chem. 85, 2, 907-914. ProteaseMAX™ Surfactant の物理的特性 陰イオン界面活性剤で あるProteaseMAX™ Surfactant は1 % ストック溶液であれば-20℃で 安定である一方、消化条件下(例: 50℃で1 時間、ProteaseMAX™ Surfactant 濃度0.025 %) で分解し、界面活性剤様の特性を失う。 ProteaseMAX™ Surfactant を用いた効果的なIn-gel タンパク質消化(MALDI-TOF 解析) タンパク質のIn-gel 消化において ProteaseMAX™ Surfactant を使用した場合と未使用の場合のMALDI-TOF マススペクトルを示す。マウス心臓から抽出した膜タンパク質を4 – 20 % SDS-PAGE に供し、Coomassie® R-250 で染色した。56 kDa の位置にあるバンドを切り出し、タンパク質をProteaseMAX™ Surfactant 有り、 または無しの条件で消化した。 パネルA. 従来の一晩消化の後、TFA / acetonitrile でペプチドを抽出した。パネルB. ProteaseMAX™ Surfactant を用いて1 時間消化した。どちらの場合でも得られたペプチドは10 μl C18 ZipTip® pipette tips (Millipore 社) で精製し、OptiBeam™ on-axis laser 搭載4800 MALDI-TOF/TOF Mass spectrometer (Applied Biosystems) で解析した。バンド内の主要なタンパク質はH+ トランスポーターミ トコンドリアF1 複合体由来ATP 合成酵素のβサブユニットとして同定された(アサインされたペプチドをアスタリスクで示す)。シーケンスカバレッジ、 MASCOT スコア、ランダムマッチの確率は従来法においてそれぞれ50 %、828、1 x 10-76 であったのに対し、ProteaseMAX™ Surfactant を用 いた場合は75 %、920、3.2 x 10-87 であった。ProteaseMAX™ Surfactant を用いると長いペプチド(2,300 – 4,000 Da) が効率的に回収された。 www.promega.co.jp/promega_resources/selection/protein/ ProteaseMAX™ Surfactant はトリプシン以外の酵素にも使用できます。 各種プロテアーゼとの適合性はホームページをご覧ください。 A. B. タンパク質の溶解性を高めて消化効率・再現性を向上 製品名容量カタログ番号 6×5 LC-MS/MS Peptide Reference Mix 50 μl* V7491 200 pmol** V7495 製品名容量カタログ番号 MS Compatible Yeast Protein Extract, Digest 100 μg (凍結乾燥品) V7461 MS Compatible Human Protein Extract, Digest 100 μg (凍結乾燥品) V6951 MS Compatible Yeast Protein Extract, Intact 1 mg (溶液タイプ*) V7341 MS Compatible Human Protein Extract, Intact 1 mg (溶液タイプ*) V6941 MS-Compatible Human Protein Extract Digest (V6951) 他社HeLa protein Digest Standard 非酵素的翻訳後修飾 脱アミド化ペプチドスペクトル≦ 12 % Not tested 酸化ペプチドスペクトル≦ 5 % < 10 % カルバミル化ペプチドスペクトル≦ 5 % < 10 % 切断ミス 切断ミス≦ 10 % < 10 % ペプチドクオリティ サンプル中のアミノ酸を定量A280 タンパク質の断片化1 % 以下Not tested マッチングスペクトル> 65% Not tested ロット間安定性 総タンパク質> 1,805 ー ユニークペプチド> 12,463 LC-MS クロマトグラ ムがリファレンスに一 致 1,194 のヒトのコアペプチドの85% 以上同定 リファレンスとの ペプチドエリアの比 =0.75 ~ 1.125 10 個のリファレンスタンパク質の相対存在量を モニターすることにより再現性を定量Not tested 7 6 x 5 LC-MS/MS Peptide Reference Mix 同じペプチド配列のアイソトポローグ5 種類× 6 セットからなる30 種のペプチドの混合物であり、液体クロマトグラフィー(LC) と質量 分析装置(MS) のパフォーマンスのモニタリング、手法の開発や最適化などに使用できます。アイソトポローグは配列中に組み込まれ た安定重同位体標識アミノ酸の数のみが異なります。標識は¹³C と¹⁵N 原子からなります。各アイソトポローグはクロマトグラフィーで 分離できませんが、質量が異なるため質量分析装置では明瞭に分離されます。各ペプチドのアイソトポローグは10 倍段階希釈されて います。これらの特長により機器のダイナミックレンジや感度の評価が1 回のランで可能となります。 LC-MS 性能評価用ペプチドミックス リファレンス試薬 * 溶液タイプ、500 fmol のインジェクション50 回分に相当 ** 凍結乾燥品、5 pmol のインジェクション40 回分に相当 Mass Spec-Compatible Protein Extracts LC-MS 性能評価用タンパク質消化物&抽出物 質量分析装置のパフォーマンスチェックやサンプル調製の最適化、手法開発を行うための酵母(Saccharomyces cerevisiae) ならび にヒト(K562 細胞株) のタンパク質抽出物です。酵母抽出液は比較的コンパクトでよく研究されたプロテオームを研究する方に、ヒ ト抽出液は広いダイナミックレンジを有する複雑なプロテオームの研究に適しています。抽出液は、液体クロマトグラフィー/ 質量分析 (LC-MS) にすぐ使用できるようトリプシン処理後固相抽出したものと、質量分析用のサンプル調製を最適化するためのテストマテリアル に使用できるトリプシン未消化タイプがあります。 特長 • 細胞培養条件から製造工程におよぶ厳重な管理により一貫 性のあるタンパク質構成を保証 • 抽出液のロット間の安定性は、LC-MS およびアミノ酸分析を 含む様々なタンパク質/ ペプチド定量/ 定性分析によりモニ タリング • 非特異的断片化や非生物学的な翻訳後修飾および最小限の 未消化ペプチドのモニタリングにより、LC-MS との適合性を 確認 • 安定したペプチド保持時間、シグナル強度、その他重要な パフォーマンスパラメーター 品質管理項目の比較 保存条件 Digest タイプは-20℃保存、0.1% TFA またはギ酸で溶解後は 4℃で3 週間、-20℃または-70℃で6 ヶ月まで保存可能。複 数回の凍結融解を避けるため、溶解後に小分けにし、ドライアイ スで瞬間凍結して冷凍保存することが望ましい。 Intact タイプは-70℃保存。複数回の凍結融解を避ける。 * 溶媒組成: 6.5M Urea/50 mM Tris-HCl (pH 8) 濃度: 10 mg/ml 11003MA Endo HはN結合型複合型グリカンを切断しない 高マンノース型 構造 ハイブリッド型 構造 複合型グリカン 構造 a1,6 a1,3 b1,4 b1,4 a1,6 a1,3 b1,4 b1,4 a1,6 a1,3 b1,4 b1,4 N,N -ジアセチルキトビオース コア構造 Endo H 切断部位 PNGase F 切断部位 GlcNAc マンノース ガラクトース シアル酸 Asn Asn Asn 製品名切断部位特長容量カタログ番号 N 結合型糖鎖除去 PNGase F N- 結合型糖鎖の最も内 側のN- アセチルグルコ サミンとアスパラギン残 基間 ほとんどのN- 結合型糖鎖をタンパク質から切断。リコンビナントで 低コスト、ProteaseMAX™ と併用も可能。2 時間で反応完了。500 u V4831 Endoglycosidase H ジアセチルキトビオース コア内N- アセチルグル コサミン残基間 N- 結合型糖鎖のうち、高マンノース型糖鎖、ハイブリッド型糖鎖を タンパク質から切断。 10,000 u V4871 50,000 u V4875 コントロール基質 Fetuin ーO 結合型およびN 結合型の糖鎖付加部位を持つ、グリコシダーゼ 用コントロール基質。500 μg V4961 製品名特長容量カタログ番号 Factor Xa Protease Ile-Glu-Gly-Arg を特異的に認識し、アルギニン残基のカルボキシル基側を特異的に切断50 μg V5581 ProTEV Plus Tobacco Etch Virus(TEV) 由来の48kDa の改良型NIaprotease で、7 つのアミノ酸配列 EXXYXQ(G/S) [ 最も汎用される配列は(ENLYFQG) ] を認識してグルタミンとグリシンあるい はセリンの間を切断。N 末端にHis タグが付加されており反応後に除去が可能。 1,000 u V6101 8,000 u V6102 Proteinase K (凍結乾燥品) 真菌類Tritirachium album 由来のセリンプロテアーゼで、芳香族アミノ酸や疎水性アミノ酸, 脂肪族アミノ酸のカルボキシル基側を切断。RNase、DNase フリー。100 mg V3021 Proteinase K (PK) Solution (溶 液タイプ) 室温で保存可能のため使用前の解凍が不要。濃度は20 mg/ml (10 mM Tris-HCl (pH7.5), 1 mM calcium chloride, 50% glycerol)。RNase、DNase フリー。 4 ml MC5005 16 ml MC5008 糖鎖修飾解析、その他 グリコシダーゼ PNGase F • Elizabethkingia miricola よりクローニングされ、大腸菌で発 現させた組換えグリコシダーゼで、分子量は36 kDa • N 結合型糖タンパク質から高マンノース、ハイブリッド型オリ ゴ糖、複合型オリゴ糖の最も内側のGlucNAc 残基とアスパ ラギン残基間の切断を触媒 Endoglycosidase H (Endo H) • Streptomyces plicatus 由来のグリコシダーゼで、大腸菌で 発現させた組換え型酵素 • 高マンノース型構造のキトビオースコアあるいはN 結合型糖 タンパク質からハイブリッドオリゴ糖を切断 • ジアセチルキトビオースコア内の2 つのN- アセチルグルコサ ミン残基間を切断し、アスパラギン上に1 個のN- アセチル グルコサミン残基を残すPNGase F とEndo H の切断部位 ユニット定義 1 ユニットは、トータルボリューム10 μ l の反応系で37℃、1 時間で10 μ g の変性RNase B から95% 以上の糖を除去するために必 要な酵素量です。 その他のプロテアーゼ 日本語Web site : www.promega.jp テクニカルサービス・ Tel. 03-3669-7980 ・E-mail : prometec@jp.promega.com 本 社 〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町1-5 PMO日本橋江戸通 Tel. 03-3669-7981 大阪事務所 〒 541-0051 大阪市中央区備後町 4-1-3 御堂筋三井ビルディング Tel. 06-6202-4581 プロメガ株式会社 *製品の仕様、価格については2023年5月現在のものであり予告なしに変更することがあります。 販売店 PK2305-05T