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PowerPlex® 16 System

プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp PowerPlex® 16 System                          日本語プロ トコー ル No. TMD012J 2001年 11月 カタログ番号 DC6530, DC6531, および DG2850 目次 I. はじめに ………………………………………………………………………….. 1 II. STR タイピング …………………………………………………………………… 1 A. STR タイピングの利点 …………………………………………………………………………………………………. 1 B. PowerPlex® 16 System のローカスを用いる利点……………………………………………………… 2 C. 識別能力 ………………………………………………………………………………………………………………………. 5 D. Internal Lane Standard 600 ………………………………………………………………… 6 E. 警告および使用上の注意 …………………………………………………………………………………………….. 6 III. キットの構成品 ………………………………………………………………….. 7 IV. DNA 抽出法 …………………………………………………………………….. 7 V. PowerPlex® 16 System を用いた DNA 増幅のプロ トコー ル ……………………… 8 A. 増幅反応の準備 …………………………………………………………………………………………………………… 8 B. サーマルサイクラーによる増幅 …………………………………………………………………………………..10 C. 増幅産物のアガロースゲル電気泳動 (オプション)………………………………………………….11 VI. ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer を用いた増幅断片の検出 ………………… 12 A. マトリックスの標準化 …………………………………………………………………………………………………12 B. 装置の準備 ………………………………………………………………………………………………………………….12 C. サンプルの調製 …………………………………………………………………………………………………………..13 D. キャピラリー電気泳動および検出 ………………………………………………………………………………14 VII. ABI PRISM® 377 DNA Sequencer を用いた増幅断片の検出 …………………. 15 A. ポリアクリルアミドゲルの準備 …………………………………………………………………………………….15 B. マトリックスの標準化……………………………………………………………………………………………………16 C. 装置の準備 ………………………………………………………………………………………………………………….17 D. ゲルのプレ ・ラン ………………………………………………………………………………………………………..17 E. サンプルの調製とロード………………………………………………………………………………………………18 F. ゲル電気泳動および検出 ……………………………………………………………………………………………18 G. ガラスプレートの再使用………………………………………………………………………………………………19 VIII. データの分析 …………………………………………………………………. 20 A. PowerTyperTM 16 Macro …………………………………………………………………… 20 B. 分析 ……………………………………………………………………………………………………………………………..20 C. コントロール …………………………………………………………………………………………………………………22 D. 結果 ……………………………………………………………………………………………………………………………..23 IX. 困ったときには ・・・…………………………………………………………… 25 A. 増幅 ……………………………………………………………………………………………………………………………..25 B. PowerTyperTM 16 Macro …………………………………………………………………… 28 X. 参考文献 ……………………………………………………………………….. 30 XI. 付 録 ……………………………………………………………………………. 32 A. バッファーと溶液の組成 ………………………………………………………………………………………………32 B. 関連製品の紹介 ………………………………………………………………………………………………………….33 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp I. はじめに STR(a) (short tandem repeat)ローカスは、3 ~ 7 塩基長の短い反復配列エレメ ントからなります(1-4)。このような反復配列はあらゆるヒト・ゲノムに存在してお り、その多くは高度に多型性を示すマーカーとして利用でき、ポリメラーゼ連鎖反応 により検出することが可能です(5-8)。STR ローカスのアレルは、増幅した領域に含 まれる反復配列のコピー数によって識別され、電気泳動で分離したのち RI、銀染色、 または蛍光検出により同定されます。 PowerPlex® 16 System(a,b) を使用すれば、16 のローカス(15 の STR ローカスと Amelogenin)を一度に増幅し、3 色検出を行なうことができます。PowerPlex® 16 System には、Penta E、D18S51、D21S11、TH01、D3S1358、FGA、TPOX、D8S1179、 vWA、Amelogenin、Penta D、CSF1PO、D16S539、D7S820、D13S317、D5S818 の 16 ローカスが含まれます。Penta E、D18S51、D21S11、TH01、D3S1358 に特 異的なプライマーはフルオレセイン(FL)標識してあり、FGA、TPOX、D8S1179、 vWA、Amelogenin に特異的なプライマーはカルボキシ – テトラメチルローダミン (TMR)標識、Penta D、CSF1PO、D16S539、D7S820、D13S317、D5S818 に特 異的なプライマーは 6- カルボキシ -4′, 5′- ジクロロ -2′, 7′- ジメトキシ – フルオレセ イン(JOE)標識されています。16 のローカスのすべてを 1 本のチューブ内で一度 に増幅し、1 回の注入または 1 本のゲルレーンで分析することができます。 PowerPlex® 16 System は、ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer 用に開発されてい ますが、ABI PRISM® 377 DNA Sequencer でもご利用いただけます。 PowerPlex® 16 System には、AmpliTaq Gold® DNA ポリメラーゼを除く、精製ゲ ノム DNA の STR 領域の増幅に必要なすべての試薬が含まれます。本マニュアルで は、増幅産物の分離および分離した物質の検出に関するプロトコールに加えて、 PowerPlex® 16 System を Perkin-Elmer Model 480 および GeneAmp® PCR System 9600、9700、2400 サーマルサイクラーで使用する場合について、個別のプロトコー ルを掲載しています。蛍光検出装置の操作プロトコールについては、装置の製造業者 から入手していただく必要があります。  プロメガの他の蛍光 STR システムや銀染色を用いた増幅 STR 断片の検出法の詳 細は、インターネットで www.promega.com からご入手いただけます。また、ご請 求に応じてプロメガよりご送付いたします。 II. STR タイピング A. STR タイピングの利点 STR タイピングは、使用する増幅産物が AMP-FLP(9) や VNTR(10) で検出す るものよりかなり小さく 500bp 未満であるため、分解を受けた DNA テンプレート の利用に関して他のタイピング法よりも柔軟に対応することができます。また、PCR を行なうことはできてもサザンブロット法による分析に適した品質の DNA を十分に は供給できない種々の DNA 迅速精製法でも、STR タイピングになら適用すること ができます。  プロメガの STR 産物は一般に長さが異なり、識別可能です。そのため、各ローカ スについて、既知アレルの一部またはすべてと同じ長さのフラグメントを含むアレ リックラダーを作成することができます。同じローカスのアレリックラダーと増幅サ ンプルを視覚的に、あるいは機器により比較することで、迅速かつ正確なアレルの割 り当てを行なうことができます。PowerPlex® 16 System を使用して得られた結果は、 デジタル化して記録することができ、保存されているデータベースと直接比較するこ とができます。人口分析では、人口データに関する任意定義の固定バイナリ (arbitrarily defined fixed bins)を使用する必要はありません(11)。 注: このマニュア ルで紹介しているプ ロトコールはプロメ ガで試験されていま す。増幅、検出用装 置には様々な種類が あります。プロト コールは、サイクル 数やインジェクショ ン時間(またはロー ドする容量)も含 め、各研究室の装置 毎に最適化する必要 があります。 研究室内でバリデー ションを実施してく ださい。 1 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp B. PowerPlex® 16 System のローカスを用いる利点 PowerPlex® 16 System に含まれるローカス(表 1 および 2)は、世界の複数の主 要規格化団体の要求を満たすものが選択されています。例えば、米連邦捜査局 (Federal Bureau of Investigation; FBI)は、有罪判決を受けた犯罪者のプロファイル に関する米国内データベースである CODIS (COmbined DNA Index System) に、 サンプルを検索または収載(登録)する前にタイピングすべき 13 の STR コア ローカスを選択しました。PowerPlex® 16 System は、1 回の反応ですべての CODIS コアローカスを増幅することができます。 PowerPlex® 16 System には、ヌクレオチド 5 個が反復している 2 つの新たな低 スタッター・高多型性のローカス Penta E と Penta D も含まれています。これらの ローカスを追加したことにより、本システムの識別力は著しく向上し、PowerPlex® 16 System は父性係争の決定的な解決に足る排反検定力を持つ単独の増幅システム となっています。また、Penta E および Penta D は、スタッターがきわめて低いこ とから、法医学的ケースワークで直面することの多い DNA 混合物の評価用として 理想的なローカスです。  最後になりましたが、各サンプルの性別判定を可能とするため、PowerPlex ® 16 System には Amelogenin ローカスが加えられています。表 3 は、一般的に入手可 能な標準的な DNA テンプレートで明らかになった PowerPlex® 16 System のアレル を示したものです。 Taq DNA ポリメラーゼの使用に起因するものを含む反復数のずれ(repeat slippage)やターミナルヌクレオチドの付加といったアーティファクトを回避あるい は最小限に抑えるため、プロメガでは STR ローカスおよびプライマーを慎重に選択 しました。反復のずれ(12,13) は、“n – 4 バンド”、“スタッター”、あるいは“シャ ドーバンド(shadow bands)”などとも呼ばれ、DNA 増幅中の反復単位の損失や、サ ンプル材料における体細胞性の DNA のばらつき、もしくはその両方に起因して生じ ます。このようなアーティファクトの量は、主としてローカスや複製された DNA シークエンスによって異なります。  ターミナルヌクレオチドの付加(14,15) は、増幅した DNA フラグメントの 3’ 末 端に Taq DNA ポリメラーゼがヌクレオチド(通常はアデニン)をテンプレート非 依存的に付加することによって起こります。このようなターミナルヌクレオチド付加 の発生効率は、プライマーの配列によって異なります。そのため、予想されたものよ り 1 塩基短いアーティファクトのバンド(すなわちターミナル付加の欠如)が見ら れることがあります。プロメガではプライマー配列を改変し、60℃ で 30 分間の最 終伸長ステップを増幅プロトコールに追加することにより(16)、推奨量の DNA テ ンプレートが使用されていれば実質的に完全なターミナルヌクレオチド付加が得られ るようにしました。  マイクロバリアントアレル(反復長以外の長さで相互に区別されるアレル)の存在 は、アレルの解釈や割り当てを複雑にしています。高度の多型性、マイクロバリアン トの傾向、および突然変異率の上昇の間には、相関関係が存在するように見えます (17,18)。そのため、FGA および D21S11 は多数の比較的共通したマイクロバリア ントを示します。理由はまだわかっていませんが、高度な多型性を示す Penta E ロー カスでは、高頻度のマイクロバリアントは認められません (表 2)。 2 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp 表 1. PowerPlex® 16 System のローカス特異的な知見 1 International Society for Forensic Haemogenetics (ISFH) の DNA Commission の 1997 年 8 月 の報告書(20,21) には、次のように明記されています。『1) コード遺伝子中の STR ローカスに 関しては、コード鎖を使用し、反復モチーフの最初の可能な 5’ ヌクレオチド配列を用いて反復 配列モチーフを定義すること。2) コード遺伝子と関係のない STR ローカスに関しては、最初の データベース収載または原著論文の記載を使用すること。』 TMR = carboxy-tetramethylrhodamine FL = fluorescein JOE = 6-carboxy-4′,5′-dichloro-2′,7′-dimethoxyfluorescein NA = 該当しない amelogenin は STR ではありませんが、 106 塩基の X 特異的 バンドと 112 塩基の Y 特異的バンドを示 します。9947A DNA (女性)は、106 塩 基の X 特異的バンド のみを示します。 3 STR ローカス 標 識 染色体位置 GenBank® のローカス およびローカス定義 反復配列 1 5’→ 3′ Penta E FL 15q NA AAAGA D18S51 FL 18q21.3 HUMUT574 AGAA (19) D21S11 FL 21q11–21q21 HUMD21LOC TCTA Complex (19) TH01 FL 11p15.5 HUMTH01, Human tyrosine hydroxylase gene AATG (19) D3S1358 FL 3p NA TCTA Complex FGA TMR 4q28 HUMFIBRA, Human fibrinogen alpha chain gene TTTC Complex (19) TPOX TMR 2p23–2pter HUMTPOX, Human thyroid peroxidase gene AATG D8S1179 TMR 8q NA TCTA Complex (19) vWA TMR 12p12–pter HUMVWFA31, Human von Willebrand factor gene TCTA Complex (19) Amelogenin TMR Xp22.1–22.3 and Y HUMAMEL, Human Y chromosomal gene for Amelogenin-like protein NA Penta D JOE 21q NA AAAGA CSF1PO JOE 5q33.3–34 HUMCSF1PO, Human cfms proto-oncogene for CSF-1 receptor gene AGAT D16S539 JOE 16q24–qter NA GATA D7S820 JOE 7q11.21–22 NA GATA D13S317 JOE 13q22–q31 NA TATC D5S818 JOE 5q23.3–32 NA AGAT プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp 表 2. PowerPlex® 16 System のアレリックラダーの知見 STR ローカス 標 識 Allelic Ladder 1,2 サイズの 範囲(塩基) Allelic Ladder の反復数 Allelic Ladder 3 中にないアレル の反復数 Penta E FL 379–474 5–24 20.3 D18S51 FL 290–366 8–10, 10.2, 11–13, 13.2, 14–27 D21S11 FL 203-259 24, 24.2, 25, 25.2, 26–28, 28.2, 29, 29.2, 30, 30.2, 31, 31.2, 32, 32.2, 33, 33.2, 34, 34.2, 35, 35.2, 36–38 TH01 FL 156–195 4–9, 9.3, 10–11, 13.3 D3S1358 FL 115–147 12–20 FGA TMR 322–444 16–18, 18.2, 19, 19.2, 20, 20.2 21, 21.2, 22, 22.2, 23, 23.2, 24, 24.2, 25, 25.2, 26–30, 31.2, 43.2, 44.2, 45.2, 46.2 TPOX TMR 262–290 6–13 D8S1179 TMR 203–247 7–18 vWA TMR 123–171 10–22 Amelogenin TMR 106, 112 X, Y Penta D JOE 376–449 2.2, 3.2, 5, 7–17 CSF1PO JOE 321–357 6–15 D16S539 JOE 264–304 5, 8–15 D7S820 JOE 215–247 6–14 D13S317 JOE 169–201 7–15 D5S818 JOE 119–155 7–16 1 アレリックラダー中の各アレルの長さは、シークエンス解析により確認しています。 2 Internal Lane Standard 600 などのレーン内部標準を使用した場合、アレリックラダー成分の算出さ れたサイズは、記載されているサイズと異なることがあります。このような相違が生じるのは、アレリッ クラダーと ILS 成分ではシークエンスが異なるため、泳動速度に差が生じるからです。色素標識もア レルの泳動に影響を及ぼします。 3 記載されているアレルは、頻度が 1/1000 を上回るものです。 Amelogenin は STR ではありませんが、 106 塩基の X 特異的 なバンドと、112 塩 基の Y 特異的なバン ドを示します。 細胞株 9947A、 9948、および K562 に関する情報は、 locus.umdnj.edu/ nigms でご覧いただ けます。K562 細胞 株は、American Type Culture Collection、 www.atcc.org (バージニア州マ ナッサス)から入手 できます。 表 3. 一般的な入手できる標準的鋳型 DNA における PowerPlex® 16 System によるアレ ルの決定 標準鋳型 DNA STR ローカス K562 9947A 9948 Penta E 14, 5 13, 12 11, 11 D18S51 16, 15 19, 15 18, 15 D21S11 31, 30, 29 30, 30 30, 29 TH01 9.3, 9.3 9.3, 8 9.3, 6 D3S1358 16, 16 15, 14 17, 15 FGA 24, 21 24, 23 26, 24 TPOX 9, 8 8, 8 9, 8 D8S1179 12, 12 13, 13 13, 12 vWA 16, 16 18, 17 17, 17 Amelogenin X, X X, X X, Y Penta D 13, 9 12, 12 12, 8 CSF1PO 10, 9 12, 10 12, 11, 10 D16S539 12, 11 12, 11 11, 11 D7S820 11, 9 11, 10 11, 11 D13S317 8, 8 11, 11 11, 11 D5S818 12, 11 11, 11 13, 11 4 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp C. 識別力 PowerPlex® 16 System で増幅される 15 の STR ローカスにより、強力な識別力 が得られます。これらのローカスおよびその多様なマルチプレックスの組み合わせに 対する人口統計を表 4 ~ 6 に示します。これらのデータは、Bode Technology Group (バージニア州スプリングフィールド)、North Carolina Bureau of Investigation (ノー スカロライナ州ローリー)、Palm Beach County Sheriff’s Office (フロリダ州ウェス トパームビーチ)、Virginia Division of Forensic Science (バージニア州リッチモン ド)、および Charlotte/Mecklenburg Police Department Laboratory (ノースカロラ イナ州) との共同研究の一環として作成されました。これらのデータの生成には、ア フリカ系アメリカ人、カフカス系アメリカ人、ヒスパニック系アメリカ人の人口集団 から 200 人以上の個人に対する分析を行いました。アジア系アメリカ人のデータで は、150 名を超える個人の分析を行いました。STR ローカスに関するより詳細な人 口データについては、参考文献 23 ~ 28 をご覧ください。  表 4 は、さまざまな人口集団における PowerPlex® 1.2(a,b) および 16 System の適合 率(29)を示したものです。PowerPlex® 16 System を使った適合率は、白人系アメリカ 人の 1.83 × 1017 分の 1 から、アフリカ系アメリカ人の 1.42 × 1018 分の 1 までです。  父性評価分析によく用いられる判定基準は父性指数(PI)で、これは母親、子供、 および擬父の遺伝子型に基づいて、父性を有する遺伝的確率を表わす方法です(30)。 PowerPlex ® 1.2 および 16 System の代表的な父性指数を表 5 に示します。 PowerPlex® 16 System では、いずれの集団でも通常 500,000 を上回る父性指数が 得られます。父性評価分析に用いる計算値には、このほかに排反検定力があります (30)。排反検定力は、PowerPlex® 16 System で算出した場合、いずれの被験人口集 団でも 0.999998 を上回る値となります(表 6)。 表 4. さまざまな集団における PowerPlex® 1.2 および 16 System の適合率 表 5. さまざまな集団における PowerPlex® 1.2 および 16 System の代表的な父性指 数 表 6. さまざまな集団における PowerPlex® 1.2 および 16 System の排反検定力 適合率 STR システム アフリカ系 アメリカ人 カフカス系 アメリカ人 ヒスパニック系 アメリカ人 アジア系 アメリカ人 PowerPlex® 1.2 System (8 STR loci) 1 in 2.77 × 108 1 in 1.15 × 108 1 in 1.45 × 108 1 in 1.32 × 108 PowerPlex® 16 System (15 STR loci) 1 in 1.41 × 1018 1 in 1.83 × 1017 1 in 2.93 × 1017 1 in 3.74 × 1017 代表的な父性指数 STR システム アフリカ系 アメリカ人 カフカス系 アメリカ人 ヒスパニック系 アメリカ人 アジア系 アメリカ人 PowerPlex® 1.2 System 497 262 318 471 PowerPlex® 16 System 2,510,000 1,520,000 5,220,000 4,110,000 排反検定力 STR システム アフリカ系 アメリカ人 カフカス系 アメリカ人 ヒスパニック系 アメリカ人 アジア系 アメリカ人 PowerPlex® 1.2 System 0.9982042 0.9968863 0.9973367 0.9981793 PowerPlex® 16 System 0.9999996 0.9999994 0.9999983 0.9999998 5 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp D. Internal Lane Standard 600 Internal Lane Standard (ILS) 600 には、60、80、100、120、140、160、180、200、 225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、550、600 塩 基長の 22 の DNA フラグメントが含まれています。各フラグメントはカルボキシ – X- ローダミン(CXR)で標識されており、PowerPlex® 16 で増幅した産物の存在下 に、ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer または ABI PRISM® 377 DNA シークエン サーを用いて別に(4 色で)検出することができます。ILS 600 は、PowerPlex® 16 System を使用する際の解析精度を向上させるために、ゲルレーンまたはキャピラ リー電気泳動(CE)注入の都度使用するようにデザインされています。このレーン 内部標準の調製および使用に関するプロトコールは、セクション VI. C. および VII.E. をご参照ください。 E. 警告および使用上の注意 PCR によるタイピングを法医学または父性に関するケースワークに用いる場合に は、バリデーション試験および品質管理法が必要となりますが、これらについては本 マニュアルには記載されていません(31,32)。精製した DNA サンプルの品質のわず かな変化や、バッファー、イオン強度、プライマー濃度、使用するサーマルサイク ラー、サーマルサイクリングの条件のわずかな変化が、PCR 反応の成否に影響する ことがあります。変性ゲル電気泳動や蛍光検出に関する推奨手順と同様に、増幅に関 する推奨手順についても遵守されるよう強くお薦めいたします。 PCR による STR 解析には、きわめて微量の非テンプレート領域のヒト DNA が 混入することがあります。サンプル DNA の調製、プライマーペアの取り扱い、増幅 反応の準備、および増幅産物の解析の際には、交差汚染を生じないよう、厳重に注意 する必要があります。増幅前に使用する試薬(Gold ST ★ R 10 × Buffer および PowerPlex ® 16 10 × Primer Pair Mix)は、増幅後に使用する試薬および材料 (PowerPlex® 16 Allelic Ladder Mix、Internal Lane Standard 600、および Blue Dextran Loading Solution)とは別の箱で提供されます。これらは別々に保存してください。 かならず陰性コントロール反応(テンプレートなし)を試験に加え、試薬の純度を確 認してください。手袋およびエアロゾールバリアーピペットチップのご使用を強く推 奨いたします(ART® チップなど、セクション XI.B)。 STR 産物の解析に使用する試薬のなかには有害性が疑われるものも含まれており、 それぞれ適切に取り扱う必要があります。表 7 に、このような試薬により引き起こ される可能性のある有害作用について記載しました。 表 7. 有害試薬 Reagents for ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer 有害性 ホルムアミド 刺激物、催奇物質 Reagents for ABI PRISM® 377 DNA Sequencer 有害性 アクリルアミド (Long Ranger ® Gel Solution) 発癌物質の疑い有り、有毒 過硫酸アンモニウム 酸化剤、腐食性有り ホルムアミド (Blue Dextran Loading Solution に含有) 刺激物、催奇物質 TEMED 腐食性、可燃性有り 尿素 刺激物 6 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp III. キットの構成品 Allelic Ladder Mix は、輸送の際、別の 密封された包装で届 けられます。この チューブは、開封 後、 増幅後用の箱に 入れてください。 Matrix FL-JOETMR-CXR (カタログ 番号 DG2860)およ び Internal Lane Standard 600 (カタ ログ番号 DG2611) の情報については、 関連製品 (セクション XI.B)をご覧くださ い。 DC6531 には25ml の反応を 100 回行うのに十分な試薬が含まれます。 Preamplification Components Box ( Yellow Label) ・ 1 × 300µl Gold ST★R 10× Buffer ・ 1 × 250µl PowerPlex® 16 10× Primer Pair Mix ・ 25µl 9947A DNA (10ng/µl) Postamplification Components Box ( Magenta Label) ・ 1 × 25µl PowerPlex® 16 Allelic Ladder Mix ・ 1 × 150µl Internal Lane Standard (ILS) 600 ・ 1 × 1ml Blue Dextran Loading Solution 保存条件 : すべての構成品は - 20℃ で保存してください。PowerPlex® 16 10× Primer Pair Mix、PowerPlex® 16 Allelic Ladder Mix、および Internal Lane Standard 600 は光感受性ですので、暗所で保存してください。増幅前用の試薬と増幅後用の 試薬は、別々のピペット、チューブラックなどを使用して別々に保存・使用されるよ う強く推奨します。 Genotyper® 2.0 または 2.5 に使用する PowerTyperTM 16 Macro はご希望に応じて Promega から入手いただけます(無料)。  色分離マトリックスの初期セットアップには標準マトリックスが必要です。Matrix FL-JOE-TMR-CXR は別売りです(セクション XI.B を参照)。 IV. DNA 抽出法  プロメガでは、増幅に用いる DNA の調製用としてさまざまな DNA 抽出法を評価 してきました。SV Total RNA Isolation System(c) (カタログ番号 Z3100)を使用す れば、標準的なプロトコールの変法を用いて、15~30 分という短時間でゲノム DNA の単離を行なうことができます。この改変プロトコールの詳細については、参考文献 33 をご覧ください。プロメガの ReadyAmpTM Genomic DNA Purification System (カ タログ番号 A7710)を使用すれば、全血または血痕から増幅解析用のゲノム DNA を 簡単、効果的、かつ安全に単離することができます。また、Wizard® Genomic DNA Purification Kit (カタログ番号 A1120)を使用すれば、有機溶媒を用いることなく 全血から迅速・簡単に二本鎖 DNA を単離することができます。Wizard® キットを用 いて単離した DNA は、PCR 用およびサザンハイブリダイゼーション実験用として 最適です。詳細な方法については、GenePrint® Fluorescent STR Systems Technical Manual #TMD006 をご参照ください。Technical Manual は、インターネットにて www.promega.com からご入手いただけます。また、ご請求に応じてプロメガよりご 送付いたします。 7 製品名 カタログ番号 PowerTyperTM 16 Macro DG2850 製品名 サイズ カタログ番号 PowerPlex® 16 System 100 回分 DC6531 400 回分 DC6530 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp V. PowerPlex® 16 System を用いた DNA 増幅のプロトコール 準備するもの · Thermal Cycler Model 480 あるいは GeneAmp® System 9600, 9700 または 2400 (PE Biosystems) · 微量高速遠心機 · 0.5ml または 0.2ml (薄壁)微量遠心チューブ(PE Biosystems) · 1.5ml 褐色微量遠心チューブ(Fisher、カタログ番号 05-402-26) · エアロゾールバリアーピペットチップ(セクション XI.B を参照) · AmpliTaq Gold® DNA polymerase (PE Biosystems) · Nuclease-Free Water (カタログ番号 P1193) · mineral oil (カタログ番号 DY1151、Thermal Cycler Model 480 用)  下記のプロトコールにより、通常は 25µl の反応液で 0.5~1ng のテンプレート DNA を増幅します。この量より多いテンプレートを使用すると、小さなローカスで高い ピークが、大きなローカスで比較的低いピークが見られます。PowerPlex® 16 System は GeneAmp® PCR System 9600 サーマルサイクラー用に最適化されています。 GeneAmp® PCR Systems 9700 サーマルサイクラー、GeneAmp® PCR Systems 2400 サーマルサイクラー、Perkin-Elmer Model 480 サーマルサイクラー用の増幅プロトコー ルについても用意しております。 A. 増幅反応の準備 注 : 交差汚染を防止するため、手袋とエアロゾールバリアーピペットチップの使 用を強く推奨します。増幅前用の試薬と増幅後用の試薬は、完全に別々の部屋に分 けて保管してください。増幅反応液は、反応準備専用の実験室で調製してくださ い。装置や備品は、増幅準備専用のものを使用してください。 1. Gold ST★ R 10 × Buffer と PowerPlex® 16 10 × Primer Pair Mix を融かす。 注 : これらの試薬は、使用の都度、5 ~ 10 秒間ボルテックスして混和するこ とが非常に重要です。Gold ST★ R Buffer は沈殿を生じることがあります。沈 殿が生じた場合には、溶液を 37℃ で短時間温め、沈殿が溶解するまでボルテッ クスしてください。 2. 準備すべき反応の数を決める。この反応の数には、陽性コントロールおよび陰 性コントロールも含まれます。ピペッティングのエラーを加味して、この数字 に 1 ~ 2 反応分を加えます。こうすることで各試薬に微量の無駄は生じますが、 全サンプルに対して十分な量の PCR マスターミックスを確保することができ ます。また、これにより、各反応液には必ず同じマスターミックスが含まれる ようになります。 3. ラックに、1 反応当たり 1 本の清浄な 0.2ml または 0.5ml 微量遠心チューブを 準備し、適宜ラベルする。 増幅を成功させるた めには細心の注意が 必要です。 増幅のト ラブルシューティング のためのガイドをセク ションIX.A に示しま す。 GeneAmp® PCR シ ステム 9600、9700、 2400 サーマルサイ クラーをお使いの場 合は、0.2ml 薄壁 MicroAmp® 反応 チューブを使用して ください。PerkinElmer model 480 用 には、標準の 0.5ml GeneAmp® 反応 チューブを推奨しま す。 8 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp 表 8 . PowerPlex ® 16 System 用の増幅反応液 PCR マスターミックスの構成 サンプルあたりの液量 Nuclease-Free Water 16.7µl Gold ST★R 10× Buffer 2.5µl PowerPlex™ 16 10× Primer Pair Mix 2.5µl AmpliTaq Gold® DNA polymerase1 0.8µl(4u) マスターミックスの液量 22.5µl 鋳型 DNA (あとから添加) 2.5µl 合計反応液量 25µl 1 AmpliTaq Gold® DNA ポリメラーゼが 5u/µl であると仮定した。酵素濃度が異なる場合 は、使用する酵素の量を適宜増減してください。 5.表 9 を用いて、PCR マスターミックスの各成分の必要量を算出する。1 サンプ ル当たりの量(µl)に総反応数(手順 2 で算出)を乗じ、最終的なマスターミッ クス量(µl)を算出する。 表 9 . PowerPlex ® 16 System 用のマスターミックス PCR マスターミックスの 構成品 サンプルあたり の液量  ×  反応数 最終液量 (µl) Nuclease-Free Water µl Gold ST★R 10× Buffer 2.5µl PowerPlex® 16 10× Primer Pair Mix 2.5µl AmpliTaq Gold® DNA polymerase1 0.8µl (4u) マスターミックスの量 2 µl チューブあたり 鋳型 DNA (あとから添加) µl 合計反応液量 25µl 1 AmpliTaq Gold® DNA ポリメラーゼが 5u/µl であると仮定した。酵素濃度が異なる場合 は、使用する酵素の量を適宜増減してください。 2 テンプレート DNA とマスターミックスを加えた液量が 25µl となるようにしてくださ い。 注 : テンプレート DNA を TE バッファー中で保存する場合には、添加する DNA サンプル量が最終反応液量の 20% を上回らないようにしてください。PCR の 増幅効率や増幅の質は、pH の変化(Tris-HCl が添加されることに起因)、利用可 能なマグネシウム濃度(EDTA によるキレート作用に起因)、あるいはテンプレー ト DNA の由来や使用した抽出手順に依存して低濃度で存在する可能性のある他 の PCR 阻害物質に大きな影響を受けます。 6. 表 9 の順番どおりに各試薬の最終量を 1.5ml の滅菌褐色チューブに添加する。穏 やかに混和する。 7. 各反応チューブに、PCR マスターミックスをピペットで分注する(表 9)。 8. PCR マスターミックスを添加したそれぞれのチューブに、ピペットで各サンプル のテンプレート DNA (0.5~ 1ng)を分注する。 9.陽性増幅コントロール用として、9947A DNA サンプルを、テンプレート DNA の 容量に 0.5ng となるよう希釈する。希釈した DNA 1ng を、PCR マスターミック スを添加した微量遠心チューブにピペットで分注する。 4. 表 8 に、2.5µl の DNA テンプレートを 25µl の反応液で使用する場合の 1 サンプ ル当たりの各試薬の量を示します。これより多いテンプレートが必要な場合は、 水量を適宜増減してください。 2ng を越える鋳型 DNA を増幅に用いる とローカス間のピー ク高の不均衡が引き 起こされます。小さ なローカスのほうが 大きなローカスと比 べてより多くの増幅 産物量を示します。 増幅プログラムのサ イクル数を 2 ~ 4 減 らすと(10/20 また は 10/18 サイクル) ローカス間のバラン スが安定します。 9 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp 10. 陰性増幅コントロール用として、Nuclease-Free Water (テンプレート DNA の代わり)を、PCR マスターミックスを添加した微量遠心反応チューブにピ ペットで分注する。 11. GeneAmp® PCR System 9600、9700、または 2400 サーマルサイクラーと MicroAmp® 反応チューブを使用する場合は、反応チューブへのミネラルオイ ルの添加は不要です。しかし、Model 480 サーマルサイクラーと GeneAmp® 反応チューブを使用する場合は、各チューブにミネラルオイルを 1 滴添加し てからふたをしてください。 注 :ミネラルオイルはチューブの側壁をつたわらせてオーバーレイすることに より、飛散によるサンプルのロスや交差汚染を防止します。 B. サーマルサイクラーによる増幅 1. チューブをサーマルサイクラーにセットする。 2. 推奨プロトコールを選択して実施する。下記に、GeneAmp® PCR system 9600、 GeneAmp® PCR system 9700、GeneAmp® PCR system 2400、および PerkinElmer model 480 サーマルサイクラーでの実施に適したプロトコールをご紹介 します。 3. サーマルサイクリングのプロトコールが完了したら、サンプルを - 20℃ で暗 箱中に保存する。 注 : 増幅サンプルを 4℃ 以上で保存すると、分解産物を生じる恐れがあります。 注: 増幅および検 出用装置には様々な 種類があります。プ ロトコールは、サイ クル数、インジェク ション時間(または ロードする容量)を 含めて、各研究室の 装置毎に最適化する 必要があります。 注: プロメガの試 験では、0.5~ 1ng の精製した鋳型 DNA について 10/20 およ び 10/22 サイクルで うまくいくことが示 されました。DNA 量が多い場合 (FTA® 紙)は、少な いサイクル数、例え ば 10/18 でお試しく ださい。 各研究室でバリデー ションを実施してく ださい。 Perkin-Elmer GeneAmp® PCR System 9700 Thermal Cycler 用プロトコール Perkin-Elmer GeneAmp® PCR System 2400 Thermal Cycler 用プロトコール サイクルの設定: 95°C で 11 分、続いて 96°C で 1 分、続いて 100% の速度で 94℃ に下げ、30 秒 29% の速度で 60°C に下げ、30 秒 23% の速度で 70°C に上げ、45 秒 10 サイクル繰り返す、続いて 100% の速度で 90°C に上げ、30 秒 29% の速度で 60°C に下げ、30 秒 23% の速度で 70°C に上げ、45 秒 18‐22 サイクル繰り返す、続いて 60°C で 30 分 4°C で置く サイクルの設定: 95°C で 11 分、続いて 96°C で 1 分、続いて 100% の速度で 94°C に下げ、30 秒 100% の速度で 60°C に下げ、30 秒 23% の速度で 70°C に上げ、45 秒 10 サイクル繰り返す、続いて 100% の速度で 90°C に上げ、30 秒 100% の速度で 60°C に下げ、30 秒 23% の速度で 70°C に上げ、45 秒 18‐22 サイクル繰り返す、続いて 60°C で 30 分 4°C で置く Perkin-Elmer GeneAmp® PCR System 9600 Thermal Cycler 用プロトコール Perkin-Elmer Thermal Cycler Model 480 用プロトコール サイクルの設定: 95°C で 11 分間、続いて 96°C で 1 分間、続いて 94°C で 30 秒間 68 秒間で 60°C に下げ、60℃ で 30 秒 50 秒間で 70°C に上げ、70℃ で 45 秒 10 サイクル繰り返す、続いて 90°C で 30 秒 60 秒間で 60°C に下げ、60℃ で 30 秒 50 秒間で 70°C に上げ、70℃ で 45 秒 18‐22 サイクル繰り返す、続いて 60°C で 30 分 4°C で置く サイクルの設定: 95°C で 11 分、続いて 96°C で 2 分、続いて 94°C で 1 分 60°C で 1 分 70°C で 1.5 分 10 サイクル繰り返す、続いて 90°C で 1 分 60°C で 1 分 70°C で 1.5 分 18‐22 サイクル繰り返す、続いて 60°C で 30 分 4°C で置く 10 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp C. 増幅産物のアガロースゲル電気泳動 (オプション)  アガロースゲル電気泳動を行なうことにより、ポリアクリルアミドゲル電気泳 動やキャピラリー電気泳動を行なう前に増幅反応の成否を迅速に確認することが できます。 準備するもの (溶液の組成はセクション XI.A をご覧ください) · TAE 1× バッファー · アガロース · 5 × ローディングバッファー · エチジウムブロマイド溶液、0.5µg/ml 1. アガロース 2.0g を TAE 1× バッファー 100ml に添加して、2% アガロース ゲル(約 150cm2)を調製する。液面の位置を容器にマークし、煮沸または電 子レンジ加熱によりアガロースを溶解する。蒸発により失われた液量は、予熱 (60℃)した脱イオン水を添加して補充する。 2. ゲルトレイに流し込む前に、アガロースを 55℃ まで冷却する。ゲルトレイ が水平に設置されていることを確認してください。アガロースをトレイに流し 入れたら、ゲルコームを挿入し、20 ~ 30 分固まるのを待つ。 3. 各増幅サンプル 10µl を 5 × ローディング溶液 2.5µl と混和して、サンプル を調製する。 4. 泳動バッファー用として、1 リットルの TAE 1× バッファーを調製する。 5. ゲルとトレイを泳動ゲルボックスに設置する。ゲルが少なくとも液面下 0.65cm となるまで、タンクに十分量の泳動バッファーを注入する。コームを 静かに抜き去る。 6. 各サンプルと 5 × ローディング溶液を混合したサンプルをそれぞれアプライ する(上記の手順 3 を参照)。 7. 電圧を 5 volts/cm に設定する(2 電極間の距離として測定)。ゲルを 2 時間泳 動する。 8. 泳動後、0.5µg/ml エチジウムブロマイド含有 TAE 1 × バッファーでゲルを 染色する。室温で、穏やかに 20 分間振とうする。エチジウムブロマイド溶液 を除去して、脱イオン水で置換する。ゲルを 20 分間脱色する。 9. ゲルを UV トランスイルミネーターで撮影する(302nm)。 注 : データを解析する際に、アレル以外の余分なバンドが認められても心配 する必要はありません。非変性アガロースゲル電気泳動を実施した場合には、 DNA ヘテロ二本鎖が生成されることが予想されます。アガロースゲル電気泳 動を行なう目的は、PCR 反応の成否の確認だけです。 11 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp VI. ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer を用いた増幅断片の検出 準備するもの (溶液の組成はセクション XI.A をご覧ください。) · ヒーティングブロック、恒温槽、またはサーマルサイクラー · 310 キャピラリー、47cm × 50µm (PE Biosystems) · Performance Optimized Polymer 4 (POP-4; PE Biosystems) · ガラスシリンジ(1ml) · 10 × Genetic Analyzer Buffer with EDTA (PE Biosystems) · サンプルチューブとセプタム(中ブタ)(PE Biosystems) · エアロゾールバリアーピペットチップ (セクション XI.B) · 電動度が 100µS/cm 未満の脱イオン化ホルムアミド (Amresco、Ultra Pure Grade、 カタログ番号 0606) · Matrix FL-JOE-TMR-CXR (カタログ番号 DG2860) · 氷  ホルムアミドの品質は、検出結果に非常に大きな影響を及ぼします。伝導率が 100µS/cm 未満の脱イオン化ホルムアミドを使用してください。ホルムアミドは、小 分けにして- 20°C で凍結保存しておくことができます。凍結融解を繰り返したり、 4°C で長期間保存すると、ホルムアミドが分解する恐れがあります。伝導率が 100µS/ cm を上回るホルムアミドはイオン化している可能性があり、注入時に DNA と競合 します。このような競合が起こると、ピーク高が低くなり、感度も低下します。注入 時間を延長しても、シグナルは上がりません。 A. マトリックスの標準化  マトリックスの標準化には、Matrix FL-JOE-TMR-CXR (カタログ番号 DG2860) が必要です。マトリックスの標準化に関するプロトコールおよび追加情報について は、Matrix FL-JOE-TMR-CXR Technical Bulletin #TBD015 (カタログ番号 DG2860 で提供)をご覧ください。ご請求に応じてプロメガよりご送付いたします。また、 www.promega.com からオンラインでご入手いただけます。マトリックスファイル を適切に作成することは、ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer を使用したマルチカ ラーシステムを評価する上できわめて重要です。マトリックスは、ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer ごとに作成する必要があります。 B. 装置の準備 1. ポンプブロックの洗浄、キャピラリーの取り付け、オートサンプラーのキャリ ブレーション、およびシリンジのポリマー充填に関する説明は、ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer User’s Manual をご参照ください。 2. ABI PRISM® 310 collection ソフトウェアを開く。 3. ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer User’s Manual にしたがって、GeneScan® サンプルシートを作成する。“sample info” の列に適切なサンプル情報を入力す る。 PowerPlex® 16 Allelic Ladder Mix を含む行については、青色素、黄色素、緑色 素の色に対して、“sample info” の列に “Ladder” と挿入する。PowerTyperTM 16 Macro を使用して良好なデータ解析結果を得るには、この情報が入力されて いなければなりません。 新たな GeneScan® 注入リストを作成する。プルダウンメニューから、適切な サンプルシートを選択する。 12 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp 4. プルダウンメニューから “GS STR POP4 (1ml) A” モジュールを選択する。 注入時間を 3 秒、泳動時間を 30 分に変更し、その他のパラメーターについ ては下記の設定をそのまま使用する。 Inj. Secs: 3 Inj. kV: 15.0 Run kV: 15.0 Run ℃: 60 Run Time: 30 注 : ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer を長時間運転すると、泳動中にフラ グメントの移動がわずかに変動することがあります。このような変動は、温度 変化またはカラムの変化に起因すると考えられます。多数のサンプルを解析す る場合、泳動時間全体を通して異なる時間にアレリックラダーの注入を行なう ことにより、サンプルの遺伝子型決定をより正確に行なうことができます。 5. 適切なマトリックスファイルを選択する(セクション VI.A)。 6. データを自動的に解析するには、auto analyze チェックボックスを選択し、適 切な解析パラメーターとサイズ標準を選ぶ。これらの選択肢に関する具体的な 情報については、ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer User’s Manual をご参照 ください。 C. サンプルの調製 PowerPlex® 16 System には、増幅サンプルの 4 色検出・分析用のレーン内部 標準(ILS)として、Internal Lane Standard 600 が添付されています。この方法 では、PowerPlex® 16 Allelic Ladder Mix の注入は、96 サンプルの泳動当たり 3 ~ 4 回しか必要ありません。 1. Internal Lane Standard 600 (ILS 600)と脱イオン化ホルムアミドを下記に したがって混合して混和し、ローディングカクテルを調製する。 [(1.0µl ILS 600)×(注入数)] + [(24.0µl 脱イオン化ホルムアミド) ×(注入数)] 2. 調製したローディングカクテル 25.0µl と増幅サンプル 1.0µl を混合する。 注 : 検出限界は装置ごとに異なります。したがって、注入時間や、ローディ ングカクテルと混和するサンプル量は、適宜増減する必要があります。ピーク 高が高すぎる場合(2,000rfu を上回る場合)、ローディングカクテルと混和す る前にサンプルを Gold ST★ R 1× Buffer で希釈しておく方法もあります。 この場合、ローカス間でアレルのピーク高が不均質となることがあります。最 適な結果を得るには、増幅反応液中の DNA テンプレート量を減らすか、増幅 プログラムのサイクル数を 2 ~ 4 サイクル減らしてください(すなわち、10/ 18 または 10/20 サイクリング)。ILS 600 の量も調節することができます。 3. 調製したローディングカクテル 25.0µl と PowerPlex® 16 Allelic Ladder Mix 1.0µl を混合する。 4. サンプルおよびラダーを 95℃ で 3 分間加熱して変性させ、直ちに氷上に移 して 3 分間冷却する。サンプルの変性は、ローディングの直前に行なうこと。 5. 適切なオートサンプラートレイ(48 または 96 チューブ用)にチューブを設 置する。 6. オートサンプラートレイを装置内に設置し、装置の扉を閉じる。 手順 4 の注入時間は、 装置ごとに至適化す る必要があります。 1ng の増幅サンプル には、2 ~ 5 秒の注入 時間をお薦めします。 13 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp D. キャピラリー電気泳動および検出 1. サンプルトレイをロードして扉を閉じたら、“Run” を選択してキャピラリー電 気泳動システムを作動させる。 2. Raw Data と Status ウィンドウの確認により、電気泳動をモニターする。 3. シリンジのポンピング、サンプル注入、およびサンプルの電気泳動には、1 サ ンプル当たり約 40 分を要します。 4. GeneScan® Analysis ソフトウェアを用いてデータを解析する。GeneScan® プ ロジェクトを開く。 5. 1 つ以上のサンプルを対象として、Raw Data を検討する。サンプルファイル 名を反転表示させ、“sample” メニューの下から “raw data” を選択する。カー ソルを移動させ、大きなプライマーピークの右側のベースライン上に十字線を 合わせる(最初のレーン内部標準のピーク [ 赤色] より前)。ウィンドウの左 下に表示される X 値を、解析パラメーターにおける開始位置として使用する。 6. 解析パラメーターは次のとおりとする。 Analysis Range Start: defined in step 5 Stop: 10000 Data Processing Baseline: Checked Multi Component: Checked Smooth Options: Light* Peak Detection Peak Amplitude Thresholds**: B: Y: G: R: Min. Peak Half Width: 3pts Size Call Range Min: 60 Max: 600 Size Calling Method Local Southern Method Split Peak Correction None * 平滑化オプション(Smoothing Opitons)は、研究施設ごとに決定する必要がありま す。強度に平滑化すると、ときに TH01 アレル 9.3 と 10 を区別できないことがありま す。 ** ピーク振幅閾値は、ソフトウェアがピークとみなすことのできる最低のピーク高で す。ピーク振幅閾値は通常 50 ~200rfu で、研究施設ごとに決定する必要があります。 7. 解析パラメーターは、GeneScan® Analysis フォルダ内の Analysis Parameters フォルダに保存してください。 8. 保存した解析パラメーターファイルを、サンプルに適用する。 9. 新しいサイズ標準を割り当てる。サンプルファイルを選択して、サイズ標準の 隣りの矢印を反転表示させ、次いで “define new” を選択する。セクション VIII. D、図 1 のパネル D に示すように、サイズ標準ピークを割り当てる。サイズ標 準は、GeneScan® Analysis フォルダ中の Size Standards フォルダに保存する。 注 : CXR (赤色)チャンネルで TMR (黄色)からのプルアップ(嵩上げ)ま たはブリードスルー(にじみ)が見られる場合は、解析パラメーターの赤色チャ ンネルのピーク振幅閾値を高く変更することができます(100 ~ 200rfu)。CXR (ILS)フラグメントは 300rfu 以上のはずなので、これが解釈の妨げとなること はありません。 14 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp 10. サイズ標準ファイルをサンプルに適用したのち、サンプルファイルを解析する。 注:  増幅サンプルのピーク高は、2,000rfu 未満が理想的です。 2,000rfu を上回るピーク高は、装置の飽和状態に起因するアーティファク トのピークである可能性があります(すなわち、サンプルのオーバーロー ド)。サンプルのピーク高が装置の直線的な検出範囲から外れている場合に は、実際のアレルピークに対するスタッターピークの比率が高くなり、アレ ル位置の特定が困難となります。ピーク高のバランスも、均質性が低下する 可能性があります。  同一サンプルを使って検出した相対的な蛍光ユニット数には、装置ごとに ばらつきが見られることがあります。また、色素間のバランスに影響を与え るような相対的な色の検出効率にも、装置間にばらつきが見られます。 11. データの解析についてはセクション VIII を参照してください。 VII. ABI PRISM® 377 DNA Sequencer を用いた増幅断片の検出 準備するもの (溶液の組成はセクション XI.A をご覧ください。) · ヒーティングブロック、恒温槽、また はサーマルサイクラー · Long Ranger® gel solution (BMA、 カタログ番号 50611) または Long Ranger Singel™ pack for ABI sequencers 377-36cm (BMA、カタ ログ番号 50691) · 10% ammonium persulfate (カタロ グ番号 V3131) · TEMED (カタログ番号 V3161) · Urea (カタログ番号 V3171) · TBE 10 × バッファー · Nalgene® 組織培養用フィルター(0.2 ミクロン) · エアロゾールバリアーピペットチッ プ(セクション XI.B.) · ゲルローディングピペットチップ · 36cm ゲル板(前後) · 36cm ゲルスペーサー(厚さ 0.2mm) · 36- ウェルシャークティースコームま たは 34- ウェルスクエアティース コーム(厚さ 0.2mm) · ダブルクリップ(事務用大型ダブル クリップなど) · Liqui-Nox® または他の洗剤 · Matrix FL-JOE-TMR-CXR (カタロ グ番号 DG2860) · 氷 A. ポリアクリルアミドゲルの準備  アクリルアミド(Long Ranger® ゲル溶液)は神経毒であり、発癌性を持つ疑 いもあるため、吸入したり皮膚に触れたりしないように十分注意してください。 本物質を取り扱う際は、警告表示をよく読み、必要な予防措置を講じてください。 アクリルアミド溶液を使用する際には、かならず手袋を 2 重に装着し、安全メガ ネをかけてください。  下記は、ABI PRISM® 377 DNA Sequencer での使用を目的とした 36cm 変性 ポリアクリルアミドゲルの調製プロトコールです。低蛍光ガラスプレートのご使 用をお薦めします。このようなガラスプレートは、機器の製造業者から入手する ことができます。 1. 温水と 1% Liqui-Nox® 溶液を使用してガラスプレートをよく洗浄する。脱イ オン水で十分にすすぐ。無塵の環境でガラスプレートを風乾する。 15 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp 2. 2 枚のガラスプレート間に 0.2mm のサイドゲルスペーサーを挟んでガラス プレートを組み立てる。バインダーダブルクリップを使用して、プレートを 固定する(片側当たり 4 個のダブルクリップ)。このようにして組み立てた ガラスプレートを、試験管ラックなどの支持物に水平に置く。 3. 表 10 にリストした成分を混和して、5% Long Ranger® アクリルアミドゲ ル溶液(総量 50ml)を調製する。この溶液を、尿素が溶解するまで撹拌する。 表 10. 5% Long Ranger® Polyacrylamide Gel の組成 注: Long Ranger SingelTM Packs を使用してもよい。 4. アクリルアミド溶液を、0.2µm フィルター(Nalgene® 組織培養用フィルターな ど)でろ過し、さらに 5 分間脱気する。 5. 50ml のアクリルアミド溶液に 35µl の TEMED と 250µl の 10% 過硫酸アンモ ニウム(用時調製)を添加し、穏やかに混和する。 6. 使い捨ての 30cc シリンジを用いてゲルを注入する。その際、プレートのウェ ル側端から注入を開始し、2 枚の水平ガラスプレート間にアクリルアミドを慎 重に注入していく。溶液は、プレート上端の幅まで充填する。一定の流速で注 入しながらガラスプレートを軽くたたき、プレート底部への溶液の移動を助け るとともに気泡の形成を防ぐ。 7. ガラスプレート間に 36 ウェルのシャークティースコームまたは 34 ウェルのス クエアティースコームを挿入する。64 または 96 ウェルのシャークティースコー ムを使用してもよい。 8. ダブルクリップ 3 個を一定間隔で使ってコームを固定する。 9. 残りのアクリルアミド溶液は、重合コントロール用として保持する。 10. 少なくとも 2 時間は静置し、重合させる。重合コントロールを調べ、重合が完 了していることを確認する。 B. マトリックスの標準化  マトリックスの標準化には、Matrix FL-JOE-TMR-CXR (カタログ番号 DG2860) が必要です。マトリックスの標準化に関するプロトコールおよび追加情報について は、Matrix FL-JOE-TMR-CXR Technical Bulletin #TBD015 (カタログ番号 DG2860 に添付)をご覧ください。本 Technical Bulletin は、ご請求に応じてプロメガより ご送付いたします。また、www.promega.com からご入手いただくこともできます。 マトリックスファイルを適切に作成することは、ABI PRISM® 377 DNA Sequencer を使用してマルチカラーシステムを評価するためにきわめて重要です。マトリック スは、ABI PRISM® 377 DNA Sequencer ごとに作成する必要があります。 構成品 5% Gel 最終濃度 尿素 18g 6M 脱イオン水 26ml – 10× TBE 5ml 1× 50% Long Ranger® ゲル溶液 5ml 5% 合計液量 50ml 注 : ゲルは、一晩保存 することができます。 ただし、その場合は脱 イオン水で湿らせた ペーパータオルとプ ラスチックフィルム ラップでプレート上 部および下部を覆い、 ゲルが乾燥するのを 防いでください (尿素 が析出してゲルが破 損するため)。 16 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp C. 装置の準備 1. ABI PRISM® 377 Collection ソフトウェアを開く。 2. GeneScan® Analysis Software User’s Manual にしたがって、サンプルシート を作成する。“sample info” の列に適切なサンプル情報を入力する。 PowerPlex® 16 Allelic Ladder Mix を含む行については、青色素、黄色素、緑 色素の色に対して、“sample info” の列に “Ladder” と挿入する。PowerTyperTM 16 Macro (カタログ番号 DG2850)を使用して良好なデータ解析結果を得る には、この情報が入力されている必要があります。 3. 新たな GeneScan® ランを作成し、下記の設定を使用する。 Plate Check Module: Plate Check A PreRun Module: PR GS 36A-2400 Run Module: GS36A-2400 Collect time: 3 hours Well-to-Read distance: 36cm 4. プルダウンメニューから適切なサンプルシートと選択コームを選択する。 5. 適切なゲルマトリックスファイルを選択する(セクション VII.B)。 D. ゲルのプレ・ラ ン 1. 重合が完了したアクリルアミドゲルからダブルクリップを取り外す。必要に応 じ、脱イオン水で湿らせたペーパータオルでガラスプレートの過剰なアクリル アミドを拭き取る。 2. コームから余分なポリアクリルアミドをそぎ落とし、コームを抜き取る。 シャークティースコームを使用した場合は、シャークティースコームの歯をゲ ルに約 1 ~ 2mm 慎重に挿入する。 3. ゲル / ガラスプレートユニットを、377 カセットにセットする。 4. カセットを装置に固定し、ABI PRISM® 377 DNA Sequencer User’s Manual の推奨にしたがってプレートをチェックする。水平部の折れ線グラフが平坦で ない場合は、カセットを取り外してプレート表面の汚れを落とし、再度プレー トのチェックを行なう。 5. 装置の上部および下部バッファー槽に TBE 1× バッファーを添加する。 6. バッファーを満たした 30cc シリンジを用いてゲルのウェル部分から気泡を完 全に追い出し、上部バッファー槽にふたをする。19 ゲージの曲針を取り付け たシリンジを用い、ゲル底部の気泡を完全に除去する。 7. 加熱プレートを取り付け、給水チューブを接続する。すべての電極を取り付 け、装置の扉を閉じ、“PreRun” ボタンを選択する。15 ~ 20 分間、またはゲ ル温度が 40℃ 以上となるまで、ゲルをプレ・ランする。ステータスウィン ドウを開いてゲルの温度をモニターする。 8. ゲルのプレ・ラン中に、サンプルおよびアレリックラダーサンプルを調製す る。 17 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp E. サンプルの調製とロード PowerPlex® 16 System には、増幅サンプルの 4 色検出・解析用として、Internal Lane Standard 600 (ILS 600)が添付されています。この方法では、ゲル当たり 2 ~ 3 レーンの PowerPlex® 16 Allelic Ladder Mix しか必要ありません。 1. ILS 600 と Blue Dextran Loading Solution を下記にしたがって混合して混和し、 ローディングカクテルを調製する。 [(0.5µl ILS 600)×(レーン数)] + [(1.5µl Blue Dextran Loading Solution)× (レーン数)] 2. 調製したローディングカクテル 2.0µl と増幅サンプル 1.0µl を混合する。 注 : 検出限界は装置ごとに異なります。したがって、ローディングカクテルと 混和するサンプル量は、適宜増減する必要があります。ピーク高が高すぎる場 合(2,000rfu を上回る場合)、ローディングカクテルと混和する前にサンプルを Gold ST★ R 1× Buffer で希釈しておく方法もあります。この場合、ローカス 間でアレルのピーク高が不均質となることがあります。最良の結果を得るには、 増幅反応液中の DNA テンプレート量を減らすか、増幅プログラムのサイクル 数を 2 ~ 4 サイクル減らしてください(すなわち、10/18 または 10/20 サイク リング)。ILS 600 の量も調節することができます。 3. 調製したローディングカクテル 2.0µl と PowerPlex® 16 Allelic Ladder Mix 1.0µl を混合する。 4. サンプルを短時間微少遠心し、液をチューブの底に集める。 5. サンプルを 95℃ で 2 分間加熱して変性し、氷上に移して急冷する。サンプル の変性は、ゲルにロードする直前に行なってください。ローディングの数時間前 に変性を行なった場合、サンプル DNA が部分的にリアニールしてしまいます。 6. プレ・ランを 15 ~ 20 分間行なったのち、“pause” ボタンをクリックして装置 を一時停止する。プレ・ランを一時停止とすることにより、サンプルローディ ング中も水の循環を継続することができ、ゲルの保温が可能となります。 7. バッファーを充填した 30cc シリンジを用いて、ウェル部分の尿素をフラッシュ する。 8. 各ウェルに変性したサンプルを 1.5µl ずつロードする。 9. 上部バッファー槽にふたをし、装置の扉を閉じる。 F. ゲル電気泳動および検出 1. ローディング後、“Cancel” を選択してプレ・ランを終了させる。泳動時間の設 定が 3 時間となっていることを確認し、“Run” を選択して電気泳動を開始する。 2. ゲルイメージとステータスウィンドウの確認により、電気泳動をモニターする。 3. そのまま 3 時間電気泳動する。600 塩基対の ILS フラグメントがレーザーを通 過するはずです。 4. ゲルレーンをトラッキングして抽出する。 5. ゲルイメージを検討する。ゲル上の、プライマー領域を除外できるような位置 に、カーソルを置く。解析パラメーターの “Start” 値として、ウィンドウ上部 のスキャン値を使用する。 6. GeneScan® プロジェクトを開く。 手順 8 は、装置ごと に至適化する必要が あります。ローディ ング量は 1.0 ~ 2.0µl とするようお薦めし ます。 18 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp 7. 下記の解析パラメーターの使用を推奨します。 Analysis Range Start: ステップ 5 を参照 Stop: 10000 Data Processing Baseline: Checked Multi-Component: Checked Smooth Options: Light* Peak Detection Peak Amplitude Thresholds**: B: Y: G: R: Min. Peak Half Width: 3pts Size Call Range Min: 60 Max: 600 Size Calling Method Local Southern Method Split Peak Correction None * 平滑化オプションは、研究施設ごとに決定する必要があります。強度に平滑化す ると、ときに TH01 アレル 9.3 と 10 を区別できないことがあります。 ** ピーク振幅閾値は、ソフトウェアがピークとみなすことのできる最低のピーク高 です。ピーク振幅閾値は通常 50 ~200rfu で、研究施設ごとに決定する必要があり ます。 8. 解析パラメーターは、GeneScan® Analysis フォルダ内の Analysis Parameters フォルダに保存すること。 9. 保存した解析パラメーターファイルを、サンプルに適用する。 10. サイズ標準を割り当てる。サンプルファイルを選択して、サイズ標準の隣り の矢印を反転表示させ、次いで “define new” を選択する。セクション VIII. D の図 1 のパネル D に示すように、サイズ標準ピークを割り当てる。サイ ズ標準は、GeneScan® Analysis フォルダ中の Size Standards フォルダに 保存する。 11. 保存したサイズ標準をサンプルに適用したのち、サンプルファイルを解析する。 注:  増幅サンプルのピーク高は、2,000rfu 未満が理想的です。 2,000rfu を上回るピーク高は、装置の飽和状態に起因するアーティファクト のピークを生成する可能性があります(すなわち、サンプルのオーバーロー ド)。サンプルのピーク高が装置の直線的な検出範囲から外れている場合には、 実際のアレルピークに対するスタッターピークの比率が高くなり、アレルの同 定が困難となります。ピーク高のバランスも、均質性が低下する可能性があり ます。  同一サンプルを使って検出した相対的な蛍光ユニットには、装置ごとにばら つきが見られることががあります。また、色素間のバランスに影響を与えるよ うな相対的な色の検出効率にも、装置間にばらつきが見られます。 G. ガラスプレートの再使用 2 枚のガラスプレートを分離してゲルを廃棄します。温水と 1% Liqui-Nox® な どの洗剤を用いてガラスプレートを洗浄します。脱イオン水で十分にすすいだの ち、プレートを風乾します。プレートの洗浄に研磨性のある素材を使わないよう にしてください。  洗剤や油はプレート上に被膜を形成することがあり、ゲルのエクストルージョ ン(膨潤)や濁りを帯びたバックグラウンドの原因となります。プレートを 2N HCl 中に 15 分間浸漬したのち十分にすすぐという方法をとることもできます。 19 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp VIII. データの分析 A. PowerTyperTM 16 Macro PowerPlex® 16 System で生成したデータの解析を容易にするため、プロメガでは、 ABI Genotyper® ソフトウェアで遺伝子型の自動割り当てを可能とするファイルを作 成しました。サンプルを PowerPlex® 16 System で増幅し、ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer または 377 DNA Sequencer で検出し、GeneScan® Analysis ソフトウェア で解析したのち、サンプルファイルを Genotyper® プログラムにインポートして PowerTyperTM 16 Macro (カタログ番号 DG2850)を使って解析します。 PowerTyperTM 16 Macro は、Genotyper® 2.0 または 2.5 ソフトウェアと組み合 わせて使用します。したがって、Genotyper® 2.0 または 2.5 ソフトウェアがお客 様の Macintosh® コンピューターにインストールされていなければなりません。 PowerPlex® 16 Allelic Ladder Mix を含む各レーンの “sample info” 列に、“ladder” という単語が記載されていることを確認してください。このマクロは、アレリック ラダーを含むサンプルファイルを、“ladder” という単語を利用して検出しています。  下記の説明にしたがい、PowerPlex® 16 System に含まれる 16 のローカス(Penta E、D18S51、D21S11、TH01、D3S1358、FGA、TPOX、D8S1179、vWA、Amelogenin、 Penta D、CSF1PO、D16S539、D7S820、D13S317、および D5S818)のアレル を同定してください。増幅サンプルのピーク高は、2,000rfu 未満が理想的です。 B. 分 析 1. PowerTyperTM 16 Macro (カタログ番号 DG2850)を、ディスケットからお使 いのコンピューターのハードドライブ内の指定の場所に移す。 2. Genotyper® ソフトウェアを開き、次に PowerTyperTM 16 Macro を開く。 Genotyper® ソフトウェアに関するご不明点は、Genotyper® User’s Manual を ご参照ください。 3. ファイルの下で、“import” を選択して、GeneScan® Project または解析しよう としているサンプルファイルをインポートする。青色素、黄色素、緑色素、お よび赤色素の色をインポートする。(Genotyper ® 2.5 では、色の選択は preferences で行ないます。) 4. “Check ILS” マクロをダブルクリックする(マクロは、アクティブウィンドウ の左下の隅にリストされています)。プロットウィンドウが開いてレーン内部標 準(ILS 600)が赤色で表示されます。下にスクロールして、レーン内部標準の フラグメントサイズが正確であることを確認する。必要に応じ、GeneScan® ソ フトウェアを用いてサンプルを再度解析し、レーン内部標準フラグメントを定 義しなおす。 注 : ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer では、黄色の色素(TMR 標識ローカス である FGA、TPOX、D8S1179、vWA、および Amelogenin)が 1,000rfu を上 回るピーク高を含む場合、赤色の色素にブリードスルー(にじみ)(通常、150rfu 未満)が観察されることがあります。青色、緑色、および黄色の色素では、こ のようなブリードスルーがローカスの解釈やアレルの同定に影響を及ぼすこと はありません。このようなピークが検出されるのを防ぐため、必要に応じて解 析パラメーターの赤色(ILS 600)チャンネルのピーク振幅閾値を高く(150 ~ 200rfu)することもできます。 注 : “sample info” は、PowerTyperT M へのインポート後に も追加・修正するこ とができます。サン プルを反転表示さ せ、“views” の下の “show dye/lanes window” を選択して ください。 注: このソフトウェ アは、1 つのラダー サンプルを使用して アレルサイズを決定 します。このマクロ は、アレル位置の特 定用としてインポー トされた最初のラ ダーサンプルを使用 します。 20 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp 5. “POWER” マクロをダブルクリックする(マクロは、アクティブウィンドウ の左下の隅にリストされています)。“POWER” マクロは、ラダーサンプル中 のアレルを識別し、すべてのローカスについてオフセット(差引き)を算出し ます。このプロセスは、数分を要することがあります。 マクロが完了したら、 プロットウィンドウが開いてアレリックラダーが表示されます(すなわち、 Penta E、D18S51、D21S11、TH01、および D3S1358)。  通常、アレリックラダーは、ローカスの既知のアレルの全てといわないまで もほとんどと同じ長さのフラグメントを含んでいます。アレリックラダーのサ イズとリピートユニットを、本マニュアルの表 2 (セクション II.B)にリス トします。GeneScan® Analysis ソフトウェアおよび Genotyper® ソフトウェ アを使用した解析により、増幅サンプルフラグメントとアレリックラダーおよ びレーン内部標準との比較から、アレル決定を行なうことができます。レーン 内部標準を使用する場合、算出されたアレリックラダー成分の長さは、表に記 載された値とは異なることがあります。これは、アレリックラダーフラグメン トとサイズ内部標準のフラグメントとの配列の相違による泳動度の差に起因す るものであり、重要ではありません。 6. “Allelic Ladders” マクロをダブルクリックする。プロットウィンドウが開き、 青色(フルオレセイン)のアレリックラダー(Penta E、D18S51、D21S11、 TH01、および D3S1358)、緑色(JOE)のアレリックラダー(Penta E、 CSF1PO、D16S539、D7S820、D13S317、および D5S818)、および黄色(TMR) のアレリックラダー(FGA、TPOX、D8S1179、vWA、および Amelogenin) が表示されます。アレリックラダーに正しいアレル位置が割り当てられている ことを確認してください(図 2)。 注 : このソフトウェアは、1 つのラダーサンプルを使用してアレルサイズを 決定します。マクロは、アレルの同定用としてインポートされた最初のラダー サンプルを使用します。サンプル中にラダー以外のアレルが多数みつかった場 合は、別のラダーを注入またはレーンをマクロにインポートして、先のラダー は消去することができます。この場合、新たなラダーサンプルを使用してマク ロを再実行する必要があります。 7. “Display Fluorescein Data” マクロをダブルクリックして、すべてのサンプル 注入/レーンの青色の色素を表示させる。必要に応じ、下にスクロールして確 認や編集を行なう。 8. “Display TMR Data” マクロをダブルクリックして、すべてのサンプル注入/ レーンの黄色の色素を表示させる。必要に応じ、下にスクロールして確認や編 集を行なう。 9. “Display JOE Data” マクロをダブルクリックして、すべてのサンプル注入/ レーンの緑色の色素を表示させる。必要に応じ、下にスクロールして確認や編 集を行なう。 注: “POWER” マク ロの実行には数分を 要することがありま す。 21 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp 10. “PowerTable”、“Make Allele Table”、または “Make CODIS Table” マクロを選 択して、適切なテーブル(表)を作成する。3 種類の表形式をマクロとして利 用することができます(下記を参照)。PowerTable を選択した場合、1 サンプ ルファイル当たり最大 4 アレルまで扱うことが可能です。低いピークシグナル や高いピークシグナルといった追加情報も含まれます。Allele Table や CODIS Table を選択した場合は、1 ローカス当たり 2 アレルしか扱うことができませ ん。1 ローカスに 3 アレル以上が存在する場合は、検出されたアレルのうちもっ とも小さい 2 つが利用されます。Allele Table 形式では、カテゴリー(ローカ ス)を列に表示しますが、CODIS Table 形式ではカテゴリーを行に表示します。 これらの表は、必要に応じてカスタマイズすることができます。表内のデータ を保存するには、“table” ドロップダウンメニューの “export” と “table” を反 転表示させます。保存したファイルは、Microsoft® Excel で表示、分析すること ができます。 PowerTable 形 式 Allele Table 形 式 CODIS Table 形 式 Sample Info Sample Comment Category Peak 1 Peak 2 Peak 3 Peak 4 Overflow Low Signal Satura – tion Edited Label Edited Row Sample Info Category Allele 1 Category Allele 2 Category Allele 1 Category Allele 2 Category Allele 1 Category Allele 2 Category Allele 1 Category Allele 2 Sample Info Category Peak 1 Peak 2 11. “file” メニューの下から “save as” を選択して、解析データを保存する。 注 意: PowerTyperTM Macro は Genotyper® ファイルの 1 つのファイルなので、 “save as” の代わりに “save” を選択すると上書きされてしまいます。 C. コントロール 1. 陰性コントロールの結果を確認する。陰性コントロールには、増幅産物は存在 しないはずです。 2. 9947A DNA を使用した陽性コントロール結果を確認する。増幅サンプルのピー ク高は、2,000rfu 未満が理想的です。コントロール DNA アレルの反復サイズ を、ローカス特異的なアレリックラダーと比較する。9947A DNA を使用した場 合に予想される各ローカスのアレル位置を表 3 に示します(セクション II.B)。 PowerTyperTM Macro は Genotyper® の 1 つのファイルなの で、 “save as” の代 わりに “save” を選択 すると上書きされてし まいます。 22 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp D. 結 果 図 1. PowerPlex® 16 System 1 種類の DNA テンプレート(0.5ng)を、PowerPlex® 16 10 × Primer Pair Mix を使用して増幅し た。増幅産物を Internal Lane Standard 600 と混和し、ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer を使って注 入時間 3 秒で泳動した。結果を GeneScan® 解析ソフトウェアで解析した。 パネル A: フルオレセイン標識ローカスである D3S1358、TH01、D21S11、D18S51、および Penta E のピークを示す電気泳動図。 パネル B: JOE 標識ローカスである D5S818、D13S317、D7S820、D16S539、CSF1PO、および Penta D のピークを示す電気泳動図。 パネル C: TMR 標識ローカスである Amelogenin、vWA、D8S1179、TPOX、および FGA のピー クを示す電気泳動図。 パネル D: Internal Lane Standard 600 のフラグメントを示す電気泳動図。 23 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp 図 2. PowerPlex® 16 Allelic Ladder Mix PowerPlex® 16 Allelic Ladder Mix を、ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer を使用して注入時間 3 秒で泳動し た。GeneScan® サンプル ファイルを、Genotyper® 2.0 ソフトウェアと PowerTyperTM 16 Macro で解析した。 パネル A: フルオレセイン標識アレリックラダー成分と、そのアレル位置。 パネル B: JOE 標識アレリックラダー成分と、そのアレル位置。 パネル C: TMR 標識アレリックラダー成分と、そのアレル位置。 24 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp IX. 困ったときには・・・ ここに記載のない疑 A. 増 幅 問点については、プ ロメガテクニカル サービスまでお問い 合わせください。 E-Mail: prometec @jp.promega.com 25 プライマー濃度が低す ぎる 推奨するプライマー濃度を使用し てください。使用前によく混和し てください。 ゲルへのローディング 前にサンプルが変性さ れていない ゲルまたはキャピラリーにロード する直前にサンプルが熱変性され ていることを確認してください。 キャピラリー電気泳動 の注入が不良(ILS 600 のピークにも影響が及 んでいる) サンプルを再注入してください。 シリンジの O リングに液漏れが ないか確認してください。レーザ ーの出力を確認してください。 品質の低いホルムアミ ドを使用した サンプルを ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer で泳動する場合 は、かならず高品質のホルムアミ ドを使用してください。脱イオン 化ホルムアミドの伝導率は 100µS/cm 未満でなければなりま せん。 1 つまたはすべて のカラーチャンネ ルにおいて余計な ピークが検出され る 他のテンプレート DNA や過去に増幅し た DNA がコンタミし ている。 クロスコンタミネーションが問題 となる場合があります。エアロゾ ールバリアーピペットチップを使 用し、手袋は頻繁に交換してくだ さい。 トラブルの症状 可能性のある原因 コメント アレルピークが微 弱、またはまったく 認められない テンプレート DNA が 不純物を含有する 使用するテンプレートはごく微量 なので、このような不純物が問題 となることは非常にまれです。用 いる DNA 抽出法によっては、 DNA サンプル中に阻害物質が混 入することがあります。 テンプレート DNA 量 が不十分 推奨量のテンプレート DNA を使 用してください。 酵素活性が不十分 推奨量の AmpliTaq Gold® DNA ポ リメラーゼを使用してください。 チューブのラベルに記載されてい る使用期限をご確認ください。 増幅プログラムが不適 切 増幅プログラムを確認してくださ い。 塩濃度が高い、または pH が変化している DNA 量は、反応液の総体積の 20% 以下とする必要があります。 DNA サンプルからの K+、Na+、 Mg2+、または EDTA のキャリーオ ーバーは、PCR に悪影響を及ぼす 可能性があります。pH の変化も PCR に影響することがあります。 サーマルサイクラーま たはチューブの問題 セクション V.B のサーマルサイ クリングプロトコールを再度ご確 認ください。プロトコールに記載 されていない反応チューブやサー マルサイクラーについては、プロ メガでは試験を行なっておりませ ん。サーマルサイクラーのヒーテ ィングブロックのキャリブレーシ ョンが必要となる場合がありま す。 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp IX. 困ったときには・・・(続き) A. 増 幅(続き) トラブルの症状 可能性のある原因 コメント 1 つまたはすべて のカラーチャンネ ルにおいて余計な ピークが検出され る(続き) STR 増幅のアーティ ファクト STR システムの PCR 増幅は、とき にアーティファクトを生成すること があります。このようなアーティフ ァクトは、アレルの1塩基または 4 塩基下に微弱なピークとして現われ ます。サンプルがオーバーロードさ れている場合(>2000rfu)は、スタ ッターバンドのピーク高が上昇しま す。 サンプルの変性が完全 でない サンプルは、ゲルまたはキャピラリ ーへのローディング直前に、推奨時 間どおりに熱変性処理を行なってく ださい。 バックグラウンド ロードする増幅産物量を減らすか、 注入時間を短縮してください。マト リックスの最適化について、MatrixFL-JOE-TMR-CXR Technical Bulletin #TBD015 もご覧ください。 キャピラリー電気泳動 (CE) に関係するア ーティファクト(“スパ イク”) 電圧がわずかに変化したり、尿素の 結晶がレーザーを通過すると、“スパ イク”や予期せぬピークが現われるこ とがあります。スパイクは 1 つの色 素で現われることもありますが、多 くの場合は 2 つ以上の色素で現わ れるので、容易に検出することがで きます。サンプルを再注入して確認 してください。 CE に関係するアーテ ィファクト(コンタミ) ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer や 10× Genetic Analyzer バッファ ーの希釈に使用する水がコンタミし ていると、青色および緑色の色素に ピークが出現することがあります。 オートクレーブした滅菌水を使用 し、バイアルを交換して、バッファ ーリザーバーを洗浄してください。 DNA 量が多すぎる DNA テンプレートの推奨量は 1~ 2ng です。2ng を上回る量の DNA テンプレートを増幅すると、多数の スタッターバンドが現われることが あります。DNA テンプレート量を減 らすか、増幅プログラムのサイクル 数を 2~4 サイクル減らしてくださ い(10/20 または 10/18 サイクルパ ターン)。 プルアップ(嵩上げ) またはブリードスルー (にじみ) ピーク高が 2,000rfu を上回る場合 や、サンプルに不正確または不適切 なマトリックスを適用した場合には プルアップが生じます。解析パラメ ーターのピーク振幅閾値を高く変更 し(150~200rfu)、GeneScan® ソフ トウェアで再度解析してください。 新しいマトリックスを作成し、サン プルに適用してください。 26 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp IX. 困ったときには・・・(続き) A. 増 幅(続き) ピーク高が不均衡 DNA 量が多すぎる DNA テンプレートの推奨量は 1~ 2ng です。2ng を上回る DNA テン プレート量を増幅すると、収量の不 均衡が起こり、小さなローカスの増 幅産物の収量の方が、大きなローカ スの収量より多くなります。ローカ ス間のバランスを改善するには、 DNA テンプレート量を減らすか、増 幅プログラムのサイクル数を 2~4 サイクル減らしてください(10/20 または 10/18 サイクル)。 FTA® ペーパーの使用 過剰量の DNA テンプレートを使用 した場合と同様の問題を生じること があります。ローカス間のバランス を改善するには、増幅プログラムの サイクル数を 2~4 サイクル減らし てください(10/20 または 10/18 サ イクル)。 DNA サンプルが分解 している DNA テンプレートが小さいフラグ メントに分解され、大きなローカス で収量の低下が見られる。 テンプレート DNA 量が不十分 推奨量のテンプレート DNA を使用 してください。 品質の低いホルムアミ ドを使用した サンプルを ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer で分析する場合 は、かならず高品質のホルムアミド を使用してください。脱イオン化ホ ルムアミドの伝導率は 100µS/cm 未満でなければなりません。 トラブルの症状 可能性がある原因 コメント アレリックラダー が、サンプルと同様 に泳動されない アレリックラダーと Primer Pair Mix が不 適合 アレリックラダーが Primer Pair Mix と同じキットに添付されていたもの であることを確認してください。 品質の低いホルムアミ ドを使用した サンプルを ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer で分析する場合 は、かならず高品質のホルムアミド を使用してください。脱イオン化ホ ルムアミドの伝導率は 100µS/cm 未満でなければなりません。 バッファーが不適合 サンプルが、不適切なバッファーで 希釈されている可能性があります。 サンプルの希釈には、1× Gold ST ★R Buffer を使用してください。 多数のサンプルを泳動 すると、キャピラリー 電気泳動(CE)中にサ ンプルの移動がわずか に変動することがあり ます。このような変動 は、時間経過に伴なう 温度の変化または CE カラムの変化に起因す ると考えられます。 別途注入したアレリックラダーを使 用して、PowerTyperTM 16 Macro で サイズを決定してください。 注 : 増幅しすぎたサ ンプルを希釈すると 大きなローカスでシ グナルの減少が見ら れます。 27 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp IX. 困ったときには・・・(続き) A. 増 幅(続き) B. PowerTyperTM 16 Macro トラブルの症状 可能性のある原因 コメント ピークの高さの不 均衡(続き) 何らかのバランスの問 題 使用前に 10× Primer Pair Mix お よび Gold ST★R 10× Buffer を完 全に融かし、ボルテックスする。サ ーマルサイクラーとピペットのキャ リブレーションを定期的に行う。例 えば、アニーリングの温度を 60℃か ら 59℃に変えたことでバランスの改 良が見られたことがあります。 トラブルの症状 可能性のある原因 コメント ファイルをコンピ ューター上で開く ことができない Genotyper® ソフトウ ェアがインストールさ れていない Genotyper® 2.0 または 2.5 ソフト ウェアがインストールされているこ とを確認してください。 Genotyper® ソフトウ ェアのバージョンが不 適切 PowerTyperTM 16 Macro は、 Genotyper® バージョン 2.0 以降の バージョンでないと作動しません。 ディスケットが破損し ている 搬送中にディスケットが破損した可 能性があります。プロメガテクニカ ルサービス(電話番号 03-3669- 7980)までご連絡ください。 エラーメッセージ: “Could not complete the ‘Run Macro’ command because no dye/lanes are selected” アレリックラダーサン プルファイルが検出さ れない PowerPlex® 16 Allelic Ladder Mix を 含む各レーンの “sample info” 列に、 “ladder” という単語が記載されてい ることを確認してください。このマ クロは、アレリックラダーを含むサ ンプルファイルを、“ladder” という 単語を利用して検出しています。 4 つの色素がいずれも インポートされない Genotyper® ソフトウェア,バージョ ン 2.0 では、サンプルファイルをイ ンポートする際に 4 つの色素をチ ェックする必要があります。 Genotyper® 2.5 では “edit” の下で preferences を設定し、青色素、緑色 素、黄色素、および赤色素をインポ ートします。 エラーメッセージ: “Could not complete the ‘Run Macro’ command because the labeled peak could not be found” アレリックラダーサン プルファイルにおい て、1 つ以上のアレル のピーク高が 150rfu 未満 アレリックラダーのカテゴリーは、 最小ピーク高が 150rfu と定義され ています。ラダーのアレルが 150rfu 未満の場合、ソフトウェアはアレル のピーク位置を判定することができ ません。ピーク高が確実に 150rfu 以 上となるように、サンプル量を増や すか注入時間を延長し、再度アレリ ックラダーの泳動を行なってくださ い。 マクロが、アレリック ラダーサンプルの CE スパイクを、アレルと 認識する 別途注入したアレリックラダーを使 用してください。 28 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp IX. 困ったときには ・・・ (続き) B. PowerTyperTM 16 Macro (続き) トラブルの症状 可能性のある原因 コメント エラーメッセージ: “Could not complete the ‘Run Macro’ command because the labeled peak could not be found” (続き) アレリックラダーのア レルの塩基数が、定義 した範囲内に入ってい ない 内部レーン標準が正しいことを確認 してください。内部レーン標準を定 義し直し、GeneScan® ソフトウェア を用いてサンプルを再度分析してく ださい。 アレリックラダー中の最小アレルの サイズを同じアレルについて記載さ れている塩基数と比較してくださ い。必要に応じ、カテゴリーの開始 範囲を(カテゴリーウィンドウ内で) ±6bp 以上に上げ、マクロを別名で保 存してください。 GeneScan® の解析パ ラメーターで強度の平 滑化を選択すると、と きに TH01 アレル 9.3 と 10 を分離でき ないことがある GeneScan® の解析パラメーターで、 軽度の平滑化を選択してください。 アレリックラダーのピ ークが高すぎるため、 スタッターピークがア レルピークと判断され る 注入時間を短縮するか、アレリック ラダーの使用量を減らしてくださ い。もしくは、GeneScan® 解析パラ メーターのピーク振幅閾値を高く変 更してアレリックラダーサンプルを 再解析してください。 プロットウィンド ウまたはアレルテ ーブルで全データ を表示することが できない マクロが適切な順番で 実行されていない 最初に “POWER” マクロを実行し たのち、その他のマクロを実行して ください。 ABI PRISM ® 310 Genetic Analyzer を使用した場合に、 サンプルにラダー 以外のピークが多 数認められる 多数のサンプルを泳動 すると、CE 中にサン プルの移動がわずかに ずれることがありま す。このような変動は、 時間経過に伴なう温度 の変化または CE カ ラムの変化に起因する と考えられます。 別途注入したアレリックラダーを使 用して、PowerTyperTM 16 Macro で サイズを決定してください。ラダー サンプルに関しては、新しいカラム での最初の注入は使用しないでくだ さい。 レーン内部標準に割り 当てられたフラグメン トが不正確であったた め、アレルの塩基対サ イズが不正確となった レーン内部標準のフラグメントが正 しく割り当てられていることを確認 してください。GeneScan® ソフトウ ェアを使ってサンプルを再解析し、 レーン内部標準フラグメントを定義 しなおしてください。 ここに記載のない疑 問点については、プ ロメガテクニカル サービスまでお問い 合わせください。 E-Mail: prometec @jp.promega.com 29 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp X. 参考文献 1. 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Profiles in DNA 2(3), 7.  弊社ホームページのサイト www.promega.com/geneticidentity で STR 参照文 献に関する追加情報がご覧いただけます。 31 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp XI. 付 録 A. バッファーと溶液の組成 10% 過硫酸アンモニウム  過硫酸アンモニウム 0.05g を脱イオン水 500µl に 添加する。アクリルアミドゲル溶液 50ml 当たりに 250µl の 10% 過硫酸アンモニウムを使用する。 Blue Dextran ローディング溶液 脱イオン化ホルムアミド Amresco の Ultra Pure Grade を使用してくださ い (カタログ番号 0606)。導電率計を使用して導電 率を調べてください。脱イオン化ホルムアミドの導 電率は 100µS/cm 未満である必要があります。脱イ オン化ホルムアミドは、分注して凍結しておくこと ができます。凍結融解の繰り返しは避けてください。 エチジウムブロマイド溶液 ( 10mg/ml)  エチジウムブロマイドを 100ml の脱イオン水に溶 解する。アルミホイルで覆うか、溶液を褐色ビンに 移し、室温で保存してください。注 意: エチジウム ブロマイドは、強力な突然変異誘発物質です。この 色素を取り扱う際は手袋を着用し、計り分けの際は マスクを着用してください。 Gold ST ★ R 10× Buffer TAE 50× バッファー ( pH 7.2) Tris base と EDTA ストックを 500ml の脱イオン 水に添加する。氷酢酸を添加する。脱イオン水で 1 リットルにメスアップする。 TBE 10× バッファー Tris base と EDTA を 800ml の脱イオン水に溶解 する。pH をモニターしながら、目的 pH である 8.3 に達するまでホウ酸を徐々に添加する。脱イオン水 で 1 リットルにメスアップする。 TE-4 [10mM Tris-HCl, 0.1mM EDTA (pH 7.5)] Tris base と EDTA を 900ml の脱イオン水に溶解 する。HCl で pH を 7.5 に調節する。脱イオン水で 1 リットルにメスアップする。 500mM KCl 100mM Tris-HCl (25℃で pH 8.3) 15mM MgCl2 1% Triton® X-100 2mM ずつ dNTP 1.6mg/ml BSA 88.25% ホルムアミド 15mg/ml blue dextran 4.1mM EDTA (pH 8.0) 1.0g エチジウムブロマイド 242g Tris base 57.1ml 氷酢酸 100ml 0.5M EDTA ストック 107.8g Tris base 7.44g EDTA (Na2EDTA・2H2O) ~55.0g ホウ酸 2.21g Tris base 0.037g EDTA (Na2EDTA・2H2O) 32 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp B.関連製品の紹介 Fluorescent STR Multiplex System 臨床検査用ではありません。 付属品 * 研究用。 ** 臨床検査用ではありません。 DNA 精製システム 研究用。 ポリアクリルアミドゲル電気泳動試薬 研究用。 ART® Aerosol-Resistant Tips ( 表 11を参照) 製 品 サイズ カタログ番号 PowerPlex® 1.2 System(a,b) 100 回分 DC6101 400 回分 DC6100 製 品 サイズ カタログ番号 Internal lane Standard 600* 150µl DG2611 Fluorescent Ladder CXR, 60-400 Bases* 65µl DG6221 Matrix FL-JOE-TMR-CXR** 各 20µl DG2860 Gold ST★R 10× Buffer* 1.2ml DM2411 Mineral Oil* 12ml DY1151 Nuclease-Free Water* 50ml (2×25ml) P1193 製 品 サイズ カタログ番号 ReadyAmpTM Genomic DNA Purification System 100 回分 A7710 Wizard® Genomic DNA Purification Kit 100 回分 A1120 500 回分 A1125 SV Total RNA Isolation System 50 回分 Z3100 製 品 サイズ カタログ番号 Ammonium Persulfate 25g V3131 TBE Buffer 10× 1L V4251 TEMED 50ml V3161 Urea 1kg V3171 製 品 容 量 サイズ (チップ数/キット) カタログ番号 ART® 10 Ultramicro Pipet Tip 0.5–10µl 960 DY1051 ART® 20E Ultramicro Pipet Tip 0.5–20µl 1,000 DY1061 ART® 20P Pipet Tip 20µl 960 DY1071 ART® GEL Gel Loading Pipet Tip 100µl 1,000 DY1081 ART® 100 Pipet Tip 100µl 960 DY1101 ART® 100E Pipet Tip 100µl 960 DY1111 ART® 200 Pipet Tip 200µl 960 DY1121 ART® 1000 Pipet Tip 1,000µl 768 DY1131 33 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp 表 11. ART® Aerosol-Resistant Tips と互換性のあるピペットの相互参照表 34 プロメガ株式会社 テクニカルサービス部  Tel. 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com www.promega.co.jp a)STR loci are the subject of U.S. Pat. No. 5,766,847 and German Pat. No. DE 38 34 636 C2, issued to the Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften, eV, Germany. Exclusive rights have been licensed to Promega Corporation for uses in human clinical research and diagnostics applications and all forms of human genetic identity. The development and use of STR loci is covered by U.S. Pat. No. 5,364,759 assigned to Baylor College of Medicine, Houston, Texas. Rights have been licensed to Promega Corporation for all applications. U.S. Pat. No. 5,599,666 has been issued to Promega Corporation for allelic ladders for the loci CSF1PO, F13A01, FESFPS, LPL and vWA. U.S. Pat. No. 5,674,686 has been issued to Promega Corporation for allelic ladders for the locus CSF1PO and the combination of allelic ladders for the loci CSF1PO, FESFPS and TH01. U.S. Pat. No. 5,783,406 has been issued to Promega Corporation for allelic ladders for the locus CSF1PO. U.S. Pat. No. 6,156,512 has been issued to Promega Corporation for allelic ladders for the loci D16S539, D7S820, D13S317 and D5S818. Use of Promega’s STR Systems requires performance of the polymerase chain reaction (PCR), which is the subject of European Pat. Nos. 201,184 and 200,362, and U.S. Pat. Nos. 4,683,195, 4,965,188 and 4,683,202 owned by Hoffmann-La Roche. Purchase of Promega’s STR Systems does not include or provide a license with respect to these patents or any other PCR-related patent owned by Hoffmann-La Roche or others. Users of Promega’s STR Systems may, therefore, be required to obtain a patent license, depending on the country in which the system is used. For more specific information on obtaining a PCR license, please contact Hoffmann-La Roche. (b)U.S. Pat. No. 5,843,660 has been issued to Promega Corporation for multiplex amplification of STR loci. Other patents are pending. © 2000, 2001 Promega Corporation. All Rights Reserved. GenePrint, PowerPlex and Wizard are trademarks of Promega Corporation and are registered with the U.S. Patent and Trademark Office. PowerTyper and ReadyAmp are trademarks of Promega Corporation. ABI PRISM, GeneScan, Genotyper and MicroAmp are registered trademarks of The Perkin-Elmer Corporation. AmpliTaq Gold and GeneAmp are registered trademarks of Roche Molecular Systems, Inc. ART is a registered trademark of Molecular Bio-Products. Eppendorf is a registered trademark of EppendorfNetheler-Hinz GmbH. Finnpipette is a registered trademark of Labsystems Oy. FTA is a registered trademark of Flinders Technologies, Pty, Ltd., and is licensed to FITZCO, Inc. GenBank is a registered trademark of the U.S. Dept. of Health and Human Services. Liqui-Nox is a registered trademark of Alconox. Long Ranger is a registered trademark of FMC Corporation. Macintosh is a registered trademark of Apple Computer, Inc. Microsoft is a registered trademark of Microsoft Corporation. Nalgene is a registered trademark of Nalge Nunc International. Oxford Benchmate is a registered trademark of Sherwood Medical Industries. Pipetman is a registered trademark of Gilson Medical Electronics. Titertek is a registered trademark of Flow Laboratories. Triton is a registered trademark of Union Carbide Chemicals and Plastics Co., Inc. All prices and specifications are subject to change without prior notice. Product claims are subject to change. Please contact Promega Technical Services or access the Promega online catalog for the most up-to-date information on Promega products. 35