がんゲノム医療におけるFFPE からの核酸抽出の重要性
Promega Info がんゲノム医療における FFPE からの核酸抽出の重要性 がんゲノム医療中核拠点病院に実施が求められている保険診療でのがん遺伝子パネル検査は、原発不明がんや希少がんなど、治療方針や治療薬 剤の選択が困難な患者や、治療薬剤に耐性となった後に治療選択が困難となった患者のがん細胞の遺伝子を調べ、治療薬剤や治療法を見つける 目的で行います。 対象となる患者には「原発不明がん」や「希少がん」、「標準治療がすべて終了した患者」などの多くの条件が定められています。この条件から外れた患 者は、検査を受ける場合は自費診療としてがん遺伝子検査を受けることとなります。 ①摘出した腫瘍組織からホルマリン固定パラフィン包埋ブロックを作製 ②未染色切片から核酸を抽出し、核酸の品質を確認 ③ライブラリーを構築し、 NGS での塩基配列読み取り がんゲノム医療の流れは検査内容の説明、検体準備、シークエンス実施 (上図 ①~ ④ 、レポート作成、エキスパートパネル(専門家会議)、結果説明となり、その結果によって治療や治験へのエントリー (上図 ⑤)に進んでいきます。 FFPEから安定した DNA を抽出することは、シークエンス実施のファーストステップであるため、がんゲノム医療の根本となる、大変重要なステップです 。 私たち、 慶應義塾大学 医学部 腫瘍センター ゲノム医療ユニットでは、この核酸抽出のステップにおいて、 プロメガ社の Maxwell RSC Instrument とその専用抽出試薬である Maxwell RSC FFPE Plus DNA Kit カタログ番号 AS 1720 を使用しており、これらの製品で得られる DNA を用いて、精度の高い NGS の結果を得ることに成功しています 。 本稿では、プロメガ社の Maxwell RSC Instrument とその専用抽出試薬である Maxwell RSC FFPE Plus DNA Kit カタログ番号 AS 1720 を中心に、本ユニットにおけるがんゲノム医療における実際のワークフローについて、コツを交えて紹介いたします。 Maxwell® RSCInstrument(カタログ番号 AS4500) 慶應義塾大学 医学部 腫瘍センター ゲノム医療ユニット様 Promega Info プロメガ株式会社 プロメガ株式会社 お問合せ先 www.promega.co.jp TEL. 03 3669 7981 E mail: PKKIS@promega.com ④ゲノムプロファイルをもとにエキスパートパネルで推奨治療方針を検討 ⑤薬剤や治験の情報を提供 高品質、高濃度、かつTAT の短縮を可能とする Maxwell ® RSC FFPE Plus DNA Kit (カタログ番号 AS1720) キャプチャー法はアンプリコン法と比べ、ライブラリー作製に必要な核酸量を多く必要とします。以前に使用していたMaxwell のキット ( やカラム方式の用手精製キットに比べ、 Maxwell ® RSC FFPE Plus DNA Kit ( を使用することで、 品質と回収量ともに大幅にUPし、キャプチャー法でも安定した解析データが得られます。 磁気ビーズ法はスピンカラム法でみられる“目詰まり”がなく、高い洗浄力を示すため、純度や濃度の高い DNA を得ることが可能です。 磁気(シリカ)ビーズ法 Maxwell RSC DNA FFPE Kit AS1450 カラム AS1720 抽出した DNA の濃度 ( ㎕ 5㎛厚 × 1 枚 22.8 5.00 46.4 10㎛厚 × 1 枚 46.0 18.5 53.8 15㎛厚 × 1 枚 56.8 13.0 75.8 ※10 ㎜ × 15 ㎜角の組織検体を使用 切片の厚さパラフィンの残留物も、カラムのフィルター目詰まりの原因となる 1)高品質、高濃度 AS1450の作業工程 AS1720の作業工程 AS1720では、作業工程が少なく、インキュベーションも1回だけ。 作業の手間・時間が減ったことで、検査のTAT が大幅に短縮 2)TAT の短縮 型番 製品名 入数 定価 ¥ 機器 AS4500 Maxwell RSC Instrument 最大 16 検体同時処理 1台 2,800,000 AS8500 Maxwell RSC 48 Instrument 最大 48 検体同時処理 1台 7,000,000 試薬 AS1720 Maxwell® RSC FFPE Plus DNA Kit (AS4500 および AS8500 共用 48回 41,000 カラム用手 法の作業工程 約90 分間 約220 分間 約330 分間 製品情報 ※表示価格はすべて税別です。 PK2203-03T