ReliaPrep™ RNA Tissue Miniprep System,日本語簡易プロトコル
ReliaPrep™ RNA Tissue Miniprep System,日本語簡易プロトコル ReliaPrep_RNA _Tissue_QuickProtocol_202405.pdf ReliaPrep™ RNA Tissue Miniprep System INSTRUCTIONS FOR USE OF PRODUCTS Z6110, Z6111, Z6112 Quick PROTOCOL 技術的なお問合せは: e-mail: prometec@jp.promega.com・Tel: 03-3669-7980 詳細なプロトコールは、英文マニュアル #TM394 をご覧ください。 Revised 2024/05 RNA の精製の際には、手袋を着用するなど、RNase の混入を避け るように注意して作業を行ってください。 プロトコール概要 非線維性組織用プロトコール サンプルタイプ: 肝臓、腎臓など、非線維性組織 脳、脂肪組織など、脂質を多く含む組織 1. 使用する4 種類の試薬、バッファーの準備をします。 ◎RNA Wash Solution, Column Wash Solution の調製 *キットのサイズに応じて添加量が異なります 添加後は、ふたをしっかり閉めて、15-30℃で保管してください。 ◎LBA+TG Buffer の調製 LBA Buffer に対して1/50 量の1-Thioglycerol (TG)を加えてください。 調製したLBA+TG Buffer は、2-10℃で30 日間利用できます。 ◎DNaseI の調製 凍結乾燥したDNaseI にNuclease-Free Water を加えて溶解します (Z6111, Z6112 は275μl/チューブ、Z6110 は80μl/チューブ)。溶解す る際には、穏やかに撹拌し、ボルテックスはしないでください。溶解したDNaseI 溶液は、使用量に応じて分注して、-20℃で保存します。 2. LBA バッファーに1-Thioglycerol (TG)を添加したことを確認して下さい。 組織重量に応じてLBA+TG Buffer を加えます(表を参照) 3. 最大20 mg までの組織サンプルをホモジナイザーで破砕したのち、ゲノム DNA のせん断のため、P200 またはP1000 で7-10 回のピペッティングを行 います。 (注:カラムにアプライできる最大ライセート量は500μl までです。これより多 いとRNA 収量が落ちます。) 4. ホモジネートを14,000 x g で3 分間遠心し、クリアライセートを新しいチ ューブに移します。 5. 表にしたがって、サンプルに100% イソプロパノールを加えて、ボルテックス します(5 秒間) 6. 開封したミニカラムをCollection Tube にセットして、サンプルを加えて室 温(20-25℃)で遠心(12,000-14,000 x g, 1 分間)します。 7. Collection Tube に貯まった液(フロースルー)を捨てて、再度ミニカラム をセットし、500μl のRNA Wash Solution (+エタノール)をミニカラムに加え て、遠心を行います(12,000-14,000 x g, 30 秒間)。 8. DNase Incubation mix を調製します。 ボルテックスを避けて穏やかに混合してください。表の液量は1 サンプル分になります。サン プル数に応じて液量を計算して、混合したものを調製してください。 カタログ番号 RNA wash Solution Column Wash Solution + 95% エタノール + 95% エタノール Z6112 350ml 36ml Z6111 60ml 7.5ml Z6110 20ml 1.5ml 組織重量 LBA + TG Buffer 100% イソプロパノール ≦ 5 mg 250μl 85μl 5 mg ~ 20 mg 500μl 170μl Solution Volume x サンプル数 =合計 Yellow Core Buffer 24μl MnCl2, 0.09M 3μl DNase I 3μl 組織サンプルにLBA + TG Buffer を加えて、 Tissue-TearorTM などでホモジナイズする 100%のイソプロパノールを加えて、5 秒間ボルテ ックスする。 ミニカラムをCollection Tube にセットする。 ライセートをミニカラムに移し、1 分間、遠心する。 フロースルーは、捨てる。 ミニカラムを新しいCollection Tube に移し替え て、RNA Wash Solution を300μl 加えて、最 高速で2 分間遠心する。 ミニカラムをElution Tube に移し替えて、 Nuclease-Free Water を15~30μl 加えて、 1 分間遠心する。 RNA Wash Solution を500μl 加えて、30 秒 間遠心し、通過した液体を捨てる。 DNase Incubation Mix を用意して、ミニカラム へ30μl をむらなく加える。15 分間反応する。 Column Wash Solution を200μl 加えて、15 秒間遠心する。 RNA Wash Solution を500μl 加えて、30 秒 間遠心する。 精製したRNA は、-70℃で保管する。 ホモジネートを14,000 x g で3 分間遠心する。 上清を新しいチューブに移す。 ReliaPrep™ RNA Tissue Miniprep System INSTRUCTIONS FOR USE OF PRODUCTS Z6110, Z6111, Z6112 Quick PROTOCOL 技術的なお問合せは: e-mail: prometec@jp.promega.com・Tel: 03-3669-7980 詳細なプロトコールは、英文マニュアル #TM394 をご覧ください。 Revised 2024/05 9. DNase Incubation mixを30μl、ミニカラムに添加して、室温で15間分反応させます。 10. 反応後、そのまま200μlのColumn Wash Solution (+エタノール)をミニカラムに加えて遠心します(12,000-14,000 x g, 15秒間)。 11. さらに500μlのRNA Wash Solution (+エタノール)を加えて遠心します(12,000-14,000 x g, 30秒間)。 12. ミニカラムを新しいCollection Tubeに移し替えて、300μlのRNA Wash Solution (+エタノール)を加えて遠心します (12,000-14,000 x g, 2分間)。 13. ミニカラムを溶出用のElution Tubeに移し替えて、下表を参考にして溶出用のNuclease-Free Waterをミニカラムに加えて、遠心します(12,000-14,000 x g, 1分間)。Elution Tubeの蓋同士が当たらないように蓋を外側に向けます。 組織重量 Nuclease-Free Water ≦ 5 mg 15μl 5 mg ~ 20 mg 30μl 14. 溶出されたRNAは、チューブのキャップを閉めて-70℃で保管します。 Q&A Q. キットの他に必要な試薬、機器はありますか? A. 通常の分子生物学実験に使う機器と、100%イソプロパノール、95%エタノールが必要です。 Q. 調製した試薬は、保存可能ですか? A. LBA BufferにTG(1-Thioglycerol)を添加した、LBA+TG Bufferは、2-10℃で30日間は使用可能です。使用量に応じて、調製してください。エタノールを足したバッファー(RNA Wash Solution, Column Wash Solution)は、蓋をきちんと閉めて室温(15-30℃)で保存してください。 Q. ホモジネートを保存できますか?/精製途中でいったんストップできますか? A. ステップ3の後、LBA + TG Buffer中のホモジネートは-20℃~-70℃で3ヶ月まで保存できます。ただし、保存中にRNA分解が起こる恐れがあります。分解の程度はサンプルの種類や破砕・保存方法によって大きく異なります。 Q. 精製したRNAのRINなどの情報はありますか? A. サンプル量、またサンプルの種類によっても異なりますが、RNase含有量が少ないサンプルの場合8-10の値の高純度のRNAが精製可能です。 RNaseを多く含むサンプルでは値は大きくばらつきますが、プロメガでは膵臓組織からRIN 5.5以上で精製できております。 Q. RNA濃度を高く溶出する方法はありますか? A. 10μlまで溶出量を減らせます。ただし標準溶出量の15μlに比べると回収率が低下します。10μl×2回で溶出すると回収率は回復します。 Q. 細胞からのRNA精製も可能ですか? A. プロメガでは確認していませんが、おそらく可能と考えられます。非線維性組織プロトコール、または細胞用キットのプロトコールで精製してください。LBA BufferはBL Bufferと同様に使用できます。 ReliaPrep™ RNA Tissue Miniprep System INSTRUCTIONS FOR USE OF PRODUCTS Z6110, Z6111, Z6112 Quick PROTOCOL 技術的なお問合せは: e-mail: prometec@jp.promega.com・Tel: 03-3669-7980 詳細なプロトコールは、英文マニュアル #TM394 をご覧ください。 Revised 2024/05 RNA の精製の際には、手袋を着用するなど、RNase の混入を避け るように注意して作業を行ってください。 プロトコール概要 線維性組織用プロトコール サンプルタイプ: 心臓、骨格筋、皮膚、食道、大動脈など 注)このプロトコールは線維性組織専用です。非線維性組織には使用せ ず、必ず非線維性組織用プロトコールをお使いください。 1. 使用する4 種類の試薬、バッファーの準備をします。 ◎RNA Wash Solution, Column Wash Solution の調製 *キットのサイズに応じて添加量が異なります 添加後は、ふたをしっかり閉めて、15-30℃で保管してください。 ◎LBA+TG Buffer の調製 LBA Buffer に対して1/50 量の1-Thioglycerol (TG)を加えてください。 調製したLBA+TG Buffer は、2-10℃で30 日間利用できます。 ◎DNaseI の調製 凍結乾燥したDNaseI にNuclease-Free Water を加えて溶解します (Z6111, Z6112 は275μl/チューブ、Z6110 は80μl/チューブ)。溶解す る際には、穏やかに撹拌し、ボルテックスはしないでください。溶解したDNaseI 溶液は、使用量に応じて分注して、-20℃で保存します。 2. LBA バッファーに1-Thioglycerol (TG)を添加したことを確認して下さい。 組織重量に応じてLBA+TG Buffer を加えます(表を参照) 3. 最大20 mg までの組織サンプルをホモジナイザーで破砕したのち、ゲノム DNA のせん断のため、P200 またはP1000 で7-10 回のピペッティングを行 います。 4. 等量のRNA Dilution Buffer (RDB)を加え、10 秒間ボルテックスした のち、室温で1 分間インキュベートします。目に見える沈澱が形成されます。 10,000 x g で3 分間遠心し、上清を新しいチューブに移します。 5. 表のとおり100% イソプロパノールをサンプルに加え、ボルテックスします (5 秒間) 6. 開封したミニカラムをCollection Tube にセットして、サンプルを加えて室 温(20-25℃)で遠心(12,000-14,000 x g, 1 分間)します。 (注:LBA+TG Buffer を500μl 使用した場合、ライセートを670μl ずつ に分けて2 回遠心してください。) 7. Collection Tube に貯まった液(フロースルー)を捨てて、再度ミニカラム をセットし、500μl のRNA Wash Solution (+エタノール)をカラムに加えて、 遠心を行います(12,000-14,000 x g, 30 秒間)。 カタログ番号 RNA wash Solution Column Wash Solution + 95% エタノール + 95% エタノール Z6112 350ml 36ml Z6111 60ml 7.5ml Z6110 20ml 1.5ml 組織重量 LBA + TG Buffer RDB Total Volume 100% イソ プロパノール ≦ 5 mg 250μl 250μl 500μl 170μl 5~20mg 500μl 500μl 1,000μl 340μl Solution Volume x サンプル数 =合計 Yellow Core Buffer 24μl MnCl2, 0.09M 3μl DNase I 3μl 組織サンプルにLBA + TG Buffer を加えて、 Tissue-TearorTM などでホモジナイズする 100%のイソプロパノールを加えて、5 秒間ボルテ ックスする。 ミニカラムをCollection Tube にセットする。 ライセートをミニカラムに移し、1 分間、遠心する。 フロースルーは、捨てる。 ミニカラムを新しいCollection Tube に移し替え て、RNA Wash Solution を300μl 加えて、最 高速で2 分間遠心する。 ミニカラムをElution Tube に移し替えて、 Nuclease-Free Water を15~30μl 加えて、 1 分間遠心する。 RNA Wash Solution を500μl 加えて、30 秒 間遠心し、通過した液体を捨てる。 DNase Incubation Mix を用意して、ミニカラム へ30μl をむらなく加える。15 分間反応する。 Column Wash Solution を200μl 加えて、15 秒間遠心する。 RNA Wash Solution を500μl 加えて、30 秒 間遠心する。 精製したRNA は、-70℃で保管する。 ホモジネートを14,000 x g で3 分間遠心する。 上清を新しいチューブに移す。 ホモジネートにRDB を加えて、10 秒間ボルテック スする。室温で1 分間インキュベートする。 ReliaPrep™ RNA Tissue Miniprep System INSTRUCTIONS FOR USE OF PRODUCTS Z6110, Z6111, Z6112 Quick PROTOCOL 技術的なお問合せは: e-mail: prometec@jp.promega.com・Tel: 03-3669-7980 詳細なプロトコールは、英文マニュアル #TM394 をご覧ください。 Revised 2024/05 8. DNase Incubation mixを調製します。 ボルテックスを避けて穏やかに混合してください。表の液量は1サンプル分になります。サンプル数に応じて液量を計算して、混合したものを調製してください。 9. DNase Incubation mixを30μl、カラムに添加して、室温で15分間反応させます。 10. 反応後、そのまま200μlのColumn Wash Solution (+エタノール)をミニカラムに加えて遠心します(12,000-14,000 x g, 15秒間)。 11. さらに500μlのRNA Wash Solution (+エタノール)を加えて遠心します(12,000-14,000 x g, 30秒間)。 12. ミニカラムを新しいCollection Tubeに移し替えて、300μlのRNA Wash Solution (+エタノール)を加えて、遠心します(12,000-14,000 x g, 2分間)。 13. ミニカラムを溶出用のElution Tubeに移し替えて、表を参考にして溶出用のNuclease-Free Waterをミニカラムに加えて、遠心します(12,000-14,000 x g, 1分間)。Elution Tubeの蓋同士が当たらないように蓋を外側に向けます。 組織重量 Nuclease-Free Water ≦ 5 mg 15μl 5 mg ~ 20 mg 30μl 14. 溶出されたRNAは、チューブのキャップを閉めて-70℃で保管します。 Q&A Q. キットの他に必要な試薬、機器はありますか? A. 通常の分子生物学実験に使う機器と、100%イソプロパノール、95%エタノールが必要です。 Q. 調製した試薬は、保存可能ですか? A. LBA BufferにTG(1-Thioglycerol)を添加した、LBA+TG Bufferは、2-10℃で30日間は使用可能です。使用量に応じて、調製してください。エタノールを足したバッファー(RNA Wash Solution, Column Wash Solution)は、蓋をきちんと閉めて室温(15-30℃)で保存してください。 Q. 非線維性組織用と線維性組織用プロトコールの違いは何ですか? A. 線維性組織用プロトコールではRNA Dilution Buffer (RDB)を添加、1分間インキュベートするステップが追加されています。ボリュームが増えるので、この後のイソプロパノール添加、遠心するステップを2回に分ける場合があります。その他は同じです。 Q. 線維性組織からの精製にProteinase Kを使用しますか? A. Proteinase Kは使用しません。代わりにRNA Dilution Buffer (RDB)でコラーゲンなどのタンパク質を沈澱・除去します。 Q. 線維性組織からの精製にProteinase Kを併用すると収量は増加しますか? A. RDBを使用するプロトコールで最適化されているため、収量は増加しません。むしろRNAが分解する恐れがあります。 Q. ホモジネートを保存できますか?/精製途中でいったんストップできますか? A. ステップ3の後、LBA + TG Buffer中のホモジネートは-20℃~-70℃で3ヶ月まで保存できます。ただし、保存中にRNA分解が起こる恐れがあります。分解の程度はサンプルの種類や破砕・保存方法によって大きく異なります。 Q. 精製したRNAのRINなどの情報はありますか? A. サンプル量、またサンプルの種類によっても異なりますが、RNase含有量が少ないサンプルの場合8-10の値の高純度のRNAが精製可能です。 RNaseを多く含むサンプルでは値は大きくばらつきますが、プロメガでは膵臓組織からRIN 5.5以上で精製できております。 Q. RNA濃度を高く溶出する方法はありますか? A. 10μlまで溶出量を減らせます。ただし標準溶出量の15μlに比べると回収率が低下します。10μl×2回で溶出すると回収率は回復します。 Solution Volume x サンプル数 =合計 Yellow Core Buffer 24μl MnCl2, 0.09M 3μl DNase I 3μl