Maxprep
Maxprep Liquid Handlerによる自動化プロジェクト
研究のみならず診断の分野においても、定量PCRやNGSによる解析の機会が確実に増加しています。個々の分析装置の機能性は向上し、だれでも使えるように操作性も向上していますが、前処理やワークフローの継ぎ目では依然として人間によるハンドリングが必須であることが多く、スループットの足かせあるいはヒューマンエラーの温床となっています。
大掛かりなな統合ワークステーションはハイスループットの処理には大変有用ですが、システムの一部のみに支障が起きでもワークフロー全体が停止してしまい、サンプルのバックログが発生してしまうことが最大の懸念点です。また、柔軟性が低く、出来上がったシステムの処理量や制限に対して、ユーザー側がワークフローを合わせる必要があります。
Maxprepを中心としたプロメガの機器システムは、分析装置をモジュールごとに選択できるアプローチを採用しており、それぞれのラボのワークフローのニーズに合わせてシステムを自由に構成できます。これらの機器システムは連携可能であり、サンプル調製、核酸抽出、核酸の濃度測定、ノーマライゼーション(濃度の平準化)、PCR セットアップ、サンプル移送、などのMaxwell® での精製前から精製後において完全なワークフローを提供します。
これらの機器システムは、LAN接続し、プロメガのPortal ソフトウェアを使用して、ネットワークを形成することが可能なため、デバイス間でのサンプル追跡情報を共有化することができます。
Maxprepの利点
今日の専用実験装置はそれぞれの操作は簡便化、省力化が図られていますが、一連のワークフローを設計しようとするとそれらの接点は依然として人間のハンドリングに強く依存してることに気づきます。 プロメガのMaxprep は核酸精製を起点とする分析までのワークフローからマニュアル操作をできるだけ省くことで「労働時間」「人為的ミス」を極限まで低減し、「トレーサビリティ」の確保することができます。
- 煩雑な手作業に費やす時間を低減(特に濃度定量・平準化)
- 分注ミスの回避により正確性向上
- 取り違え・入れ違いが排除できるので安心
- サンプル情報管理による実験履歴の保存
以下は生サンプルからTotal RNA 精製、cDNA合成までの一連の作業にかかる時間をマニュアル法、Maxwell 導入、さらにMaxprep 導入による時短効果を示していいます。Maxrepの導入により用手の時間は1時間にまで短くなり、節約できた3.5時間はその他の仕事に振り分けることができます。
横スクロールできます
自動 時間 |
用手 時間 |
9:00 | 9:30 | 10:00 | 10:30 | 11:00 | 11:30 | 12:00~ | 13:00 | 13:30 | 14:00 | 14:30~ | |
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ライセ―ト 調製 |
前処理 | 核酸精製 | 核酸定量 | 昼食 | 核酸濃度 平準化 |
酵素反応 (定量PCRなど) |
保存容器 移動 |
保管 | |||||
マニュアル法 | 0時間 |
4時間半 |
用手 (+NanoDrop [吸光]) |
用手 |
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Maxwell導入法 | 1時間 |
3時間半 |
用手 |
自動 (Maxwell) |
用手 |
用手 |
|||||||
Maxprep + Maxwell導入法 |
3時間半 |
1時間 |
用手 |
自動 |
自動 (Maxwell) |
自動 (+GloMax [蛍光]) |
自動 |
利用者の感想例
Maxprep の概要
搭載されている装備:
- 4本独立ピペットチャンネル
- ヒーター・シェーカーユニット
- グリッパーアーム(プレート移送用)
- チューブラック
(1.5 ml チューブサイズ、7 ml 採血管サイズ、15 ml コニカルチューブサイズに対応) - バーコードリーダー
サイズ: 1046 mm × 709 mm × 831 mm
サンプル容量:1〜48 Samples; (2) 24 position Maxwell® RSC 48 or (2) 16 position Maxwell® RSC removable trays
重量:98.6 kg
寸法 (W × D × H):106.9 × 70.6 × 83.3 cm 注):但しドアを開いた状態の高さは123 cm
電源および容量:100〜240 VAC, 50/60 Hz, 5A
操作温度範囲:15〜25°C
サービスおよび保証:1年間(パーツおよび作業費)、延長保守契約あり
技術資料
カタログページ
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製品使用文献
Suzuki, Kuno, et al. “Multiple cancer type classification by small RNA expression profiles with plasma samples from multiple facilities.” Cancer Science 113.6 (2022): 2144-2166.
自動核酸精製考慮すべきこと
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記事:Integrating Instruments for Automated Sample Preparation and Nucleic Acid Extraction
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はじめは半信半疑でしたが、省力化を実感するのが分析前に必要なノーマライゼーションのステップで、個々のサンプルごとに核酸濃度を測定して、レンジに合うように濃度調整するとても地味で面倒な作業を自動化できたときは感動しました。