Single Step (KRX) Competent Cells

タンパク質発現は、ラムノースプロモーターでどのように制御されていますか?

KRXでは、T7 RNAポリメラーゼ遺伝子 がrhaPBADプロモーターの下流に位置しています。

図2. KRXにおけるT7 RNAポリメラーゼの制御

ラムノースオペロンは、グルコースの存在下では、遺伝子の発現が抑制(カタボライト抑制)されるため、cyclic AMP (cAMP)の濃度が低く、cAMP receptor protein (CRP)は、転写を活性化しません。L-ラムノースが添加されるとL-ラムノース は、RhaRに結合してrhaPSRプロモーターによる転写を活性化し、RhaSとRhaRの発現レベルが上昇します。発現したRhaSは、L-ラムノースと結合し、さらにrhaPBADプロモーターと結合して、転写を活性化し、T7 RNA ポリメラーゼが高レベルに発現します。このように、T7 RNA ポリメラーゼの発現が厳密に制御されているため、結果的にタンパク質発現が厳密に制御されることになります。また、イソメラーゼ(RhaA)、キナーゼ (RhaB)、アルドラーゼ(RhaD)のそれぞれの遺伝子は欠損させて、T7 RNA ポリメラーゼ遺伝子と置き換えられているため、添加したL-ラムノースが消費されることはありません。

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