Rabbit Reticulocyte Lysate, Wheat Germ Extract
- 真核生物の無細胞翻訳システムとして、Rabbit Reticulocyte Lysate(RRL)とWheat Germ Extract(WGE)があるようですが、どちらを選択すればよいですか?
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RRLとWGEのどちらを選択するかは、実験の用途、合成したいタンパク質の由来、期待するタンパク質収量、特徴などから決定してください(表1~表3)。
表1 in vitro 翻訳システムの鋳型の由来による選択ガイド
表2 アプリケーションによるin vitro タンパク質翻訳システム選択ガイド
表3 RRLとWGEの特徴
製品名 ライ
セートカタログ
番号1反応あたりの
タンパク質量*)ヌクレ
アーゼ
処理備考 Rabbit Reticulocyte Lysate Systems, Nuclease Treated RRL L4960 50~200ng ○ 翻訳反応に必要な塩濃度がすでに最適化されています。 Flexi Rabbit Reticulocyte Lysate System RRL L4540 50~200ng ○ マグネシウム濃度を変えることにより、サンプルごとの翻訳反応を最適化できます。 Wheat Germ Extract WGE L4380 30~150ng ○ ヌクレアーゼで処理しているため、内在性mRNAのバックグランドが低くなります。 *:1回の反応量を50µLとして算出しています。
<参考>
RRLは、ニュージーランド白ウサギの網状赤血球を溶解したあとに不必要な細胞成分を除去することで、最終抽出液が翻訳特性を持つようなっています。RRLには、ヌクレアーゼ処理とヌクレアーゼ未処理の2種類があります。ヌクレアーゼで処理したRRLは、内在性mRNAをmicrococcal nucleaseで処理しているため、非特異的な翻訳反応(バックグランド)少なくなります。ヌクレアーゼ未処理のRabbit Reticulocyte Lysate System, Nuclease Untreated(L4151)は、micrococcal nucleaseで処理していないため、内在性のグロビンmRNAなどが豊富に含まれています。したがって、この内在性mRNAが競合的に働くため、タンパク質の翻訳量からmRNAを定量する用途には使用できません。また、エネルギー生成システムを加えていないため、翻訳反応に適しません。タンパク質合成に必要な細胞性成分の単離に用います。
WGEは小麦胚芽を粉砕し、遠心後の細胞残渣を除去した上清液をbufferで懸濁させています。WGEも内在性mRNAをmicrococcal nucleaseで処理しています。
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